<figure id="attachment_255188" aria-describedby="caption-attachment-255188" style="width: 801px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0fb07459"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/2022072006199.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-255188" class="wp-caption-text">送検される凛容疑者。取り調べ中は「逃走を考えている」とも答えていた</figcaption></figure>
9月1日早朝、高槻市（大阪府）の保険金殺人事件の高井（旧姓松田）凛容疑者（28）が留置場内で自殺を図り搬送先の病院で死亡が確認された。捜査中の容疑者死亡によって真相は闇に葬られてしまった。
事件の発端は2021年7月26日に高槻市内の自宅浴室で死亡している高井直子さん（54）が発見されたことである。手足に結束バンドが残っていたことから、警察は事件の可能性があると判断して捜査が始まった。
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「都市銀行の関係会社に勤める高井さんは独身で兄弟はおらず、唯一の肉親は認知症の疑いがある高齢の母親のみ。凛容疑者はそんな直子さんと2021年2月に養子縁組を結びました。直子さんには凛容疑者を受取人とする1億5000万円もの保険金がかけられていました」（捜査関係者）
凛容疑者は関西学院大学に中等部から大学まで通っており、アメリカンフットボール部のQB（クオーターバック）というチームの司令塔として活躍をしていた。高校日本代表選手にも選ばれた逸材だったが、大学からは活動は止めて高校のコーチに就任。大学卒業後は外資系コンサル会社に就職したあと、プルデンシャル保険に再就職した。2020年6月の退社まで生命保険などの営業職で活躍。成績は社内でも抜きん出ていたという。
<h3>法定相続人になる「意外な人物」</h3>
<figure id="attachment_255189" aria-describedby="caption-attachment-255189" style="width: 300px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="be72aa3a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/d8a7.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-255189" class="wp-caption-text">自身のSNSに投稿された葉巻を吸う一枚。都内の高級タワーマンションに住み、黒いランボルギーニを乗りまわすなど豪華な生活を送っていた</figcaption></figure>
直子さんの現金などはすでに凛容疑者が相続しているが、1億5000万円もの高額な保険金について凛容疑者に振り込まれたという報道はされていない。今後、保険金の支払いが行われる場合、その受取人は誰になるのか。直子さんの母親に相続されると思いきや、法律上は別の人物に相続の権利があるという。
「凛容疑者が死亡したとなると、唯一の肉親である直子さんの母親が受取人になると思う方が多いでしょうが、相続の権利は凜容疑者の妻と血族に移ります。定められた受取人が凛容疑者である以上、相続は凛容疑者を中心に、その肉親に移るからです。子がなく親が存命であると仮定すると、妻の相続分は2/3、親の相続分は合計1/3になる。つまり1億5000万円の生命保険のうち、1億円は凜容疑者の妻が、残りの5000万円を親が受け取ることになる。ただしそれを裁判で主張するのかは分かりません」（保険代理店関係者）
とはいえ凜容疑者には保険金目的で直子さんを殺害した疑いが持たれている。また高槻市役所へ提出された養子縁組届で、妻と親の許諾を偽造した疑いもある。そもそも保険金の支払いが行われるかが疑問であるが、保険トラブルに詳しい弁護士は「保険会社は支払いを行わなくてはいけない可能性が高い」という。
「保険金受取人となった凜容疑者が被保険者である直子さんを故意に死亡させたときは、保険会社は保険金の支払いを行う必要はありません。しかし、そのためには刑事裁判の有罪判決が確定している必要があります。容疑者死亡により刑事手続が終了しますので、保険会社は凜容疑者が直子さんを故意に死亡させたことを証明することが困難になります」
もちろん凜容疑者の妻や親が相続を放棄する可能性もある。しかし、相続を希望した場合には泥沼の法廷闘争に発展する可能性もある。前出の弁護士が続ける。
「まず凜容疑者と直子さんとの養子縁組について、直子さんの母親が無効を主張することが考えられます。仮に凜容疑者が縁組届を偽造し、直子さんに無断で役所に提出していた場合、養子縁組は無効となる。その場合は生命保険の受取人は直子さんの母親に切り替えられる可能性が高い。直子さんの母本人は認知症とのことですが、成年後見人が就いた場合はその後見人がこの主張をすることができます」
凛容疑者は妻と離婚調停中であり、一方で愛人と豪奢な生活を送っていたという。保険金や不動産は、妻と別れ、新しい生活を行うための布石だったのだろうか。犯行を思い至ったのは、昨年のバレンタイン付近といわれている。その後、どのような手口で犯罪に手を染めたのか。犯罪抑止のためにも真相究明ができなかったのは痛恨の極みである。

共同通信社

送検される凛容疑者。取り調べ中は「逃走を考えている」とも答えていた 9月1日早朝、高槻市（大阪府）の保険金殺人事件の高井（旧姓松田）凛容疑者（28）が留置場内で自殺を図り搬送先の病院で死亡が確認された

高槻保険金殺人事件「保険金1億5000万円」の意外な相続人

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