最強ボクサー・井上尚弥独占インタビュー「オレが歴史をつくる!」 | FRIDAYデジタル

最強ボクサー・井上尚弥独占インタビュー「オレが歴史をつくる!」

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プロ17戦17勝15KO。早いラウンドで相手を倒してしまうため、顔も拳もボクサーとは思えぬキレイさだ
プロ17戦17勝15KO。早いラウンドで相手を倒してしまうため、顔も拳もボクサーとは思えぬキレイさだ

満足した途端、進化は止まる。

父の教えを井上尚弥(25)はいまも大事にしている。日本史上最速となる16戦目での3階級制覇、日本史上最多となる世界戦7連続KOという偉業を成し遂げ、世界最強決定戦「WBSS」バンタム級初戦で元WBAスーパー王者のパヤノ(34)を開始70秒、ワンツーで葬っても、井上は「自信なんてない」と言うのだ。

「自分はまだ『試されていない』と思っています。うまくいきすぎている。今度、『WBSS』の準決勝で初めて同年代の選手(IBF王者のロドリゲス)と戦うんですが、これが本当の勝負かなと思っています。勝つために心がけていることはあります。それは、試合当日、不安なくリングに上がれるための練習をすること。『これだけやったんだから負けるはずがない』と思えるほどの練習です」

傷一つない顔で謙遜する井上。

だが、プロの見方は違う。元WBAジュニアウエルター級1位の亀田昭雄氏はパヤノを倒したワンツーを「時間差カウンター」と絶賛した。ワンツーとはジャブとストレートの連続パンチだが――井上はまず強烈なジャブを放ち、パヤノが顔をそむけてよけて、反撃に移ろうとしたところに狙いすました右ストレートを合わせている、というのだ。

「たしかにワンテンポずらして右を入れているので、カウンターっちゃ、カウンターですね。理想としている『打たせずに打つ』が、’18年の2試合は完璧にできたと思います。ポイントは距離。距離のやり取りですね。たとえばパヤノのパンチはバックステップでよけているつもりが、腹をかすめてきた。意外に伸びてるな、と。あとは呼吸。どんな選手もフルラウンド、完全には集中できない。ちょっと息を吐いたりとか、一瞬のスキができる。しっかり相手を分析したうえで集中し、チャンスを見逃さないことですね」

12月30日、弟の拓真(22)がWBC世界バンタム級王座決定戦に臨む。当日、テレビ中継(フジテレビ系)で解説を務める井上は「KOで観る者にインパクトを与えて、タイトルを奪取してほしい」と弟にエールを送る。

「拓真はオールマイティー。何でもできるタイプのボクサーです。成績だけ見ればKO率が低いので、『迫力に欠けるんじゃないか』などと言われますけど、間違いなくパンチ力はある。あとはコツさえつかめば倒せる。KOのコツをどうつかむか? それは経験と……ちょっとの閃(ひらめ)きですね。場数を踏めばいいっていうもんじゃなくて、本当に閃きなんですよ。技術は相当なものがあります。小さいころからずっとスパーをしてきたから、よくわかる。拓真は相手の打ち終わりがよく見えている。打ち終わりを見極められると、カウンターをケアするあまり、手が出なくなる。『打ったら打たれる』と手詰まりになるんです。それに、パンチが見えていれば打たれても倒されずにガマンできる」

弟が世界に挑戦する12月30日に兄は「最強スポーツ統一戦」(フジ系。13時55分~)にボクシング代表として参戦。プロ野球やサッカー、ラグビー選手、騎手ら他競技のアスリートたちと覇を競うという。

「何がしんどかったって……フジテレビからのプレッシャーですね(笑)。とくに腕力だけでロープを登る『パワークライミング』はこれまで何度かドキュメンタリー番組で取り上げていただいている練習種目なので『これは勝たないとダメだぞ、井上のための競技だぞ』という無言の圧をヒシヒシ感じましたね。15m先の風船をダーツで割る『ダーツスナイパー』では野球選手の能力に驚かされました。ボールとダーツの違いに最初は苦戦するんですが、彼らは修正・対応が早い。僕もストレートを打つ感覚で投げればイケるかなと思ったんですけど……」

気になるのが、井上のプライベートだ。「祝い事をやる習慣がなくて、奥さんの誕生日もやらない」という彼に、はたしてリラックスタイムはあるのか。

「いまは1歳の子どもに癒(い)やされていますね。子どもが生まれる前はしょっちゅう、カラオケに行ってました。『C&K』ってわかります? あとは長渕(剛)さんとか、浜田省吾さんも歌います。『MONEY』とか。大橋(秀行)会長の前で歌うと『君が生まれる前の曲でしょ!』って驚かれますよ(笑)」

その大橋会長の口癖が「ボクシング界を超えたスターになれ」だ。この点、怪物は「まだまだ」だと言う。

来年は環境を変えていきたいと思っています。海外で長めの合宿を張ってみたい。ボクシング以外の私生活でも刺激を受けて、自分を変えていきたい」

井上が日本のボクシングの新たな歴史をつくっていく。

ボクシング代表として参戦した「最強スポーツ統一戦」でも体幹の強さを生かして大活躍(©フジテレビ)
ボクシング代表として参戦した「最強スポーツ統一戦」でも体幹の強さを生かして大活躍(©フジテレビ)
本誌未掲載カット
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  • 撮影鬼怒川毅

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