富山チューリップテレビが”視聴数100倍”「納得の理由」 | FRIDAYデジタル

富山チューリップテレビが”視聴数100倍”「納得の理由」

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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送検される山上容疑者。事件直後から旧統一教会に家庭を壊されたことが動機だと供述していたが、『ミヤネ屋』もしばらく団体名は伏せていた
送検される山上容疑者。事件直後から旧統一教会に家庭を壊されたことが動機だと供述していたが、『ミヤネ屋』もしばらく団体名は伏せていた

安倍晋三元首相(享年67)が凶弾に斃れてから2ヵ月経ったいまも、メディアは旧統一教会問題一色だ。

旧統一教会追及で「名を挙げた」といえば『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)が思い浮かぶが、『ミヤネ屋』より早く、事件直後から奮闘していたのが、富山県のローカル局「チューリップテレビ」である。

「山上徹也容疑者が旧統一教会への恨みから安倍元首相を襲撃したことを掴んでおきながら、どの局も教会が記者会見を開くまでは団体名を出すことに二の足を踏んでいた。ところが、チューリップテレビはいち早く県内の元信者に接触し、事件の背景にあった多額な献金の実態を報じました。その後も旧統一教会に関するニュースを連発。TBS系列の全28局でほぼ最下位だったネットの視聴数は100倍に増え、準キー局のMBSを凌ぐ日もあるなど、全国にその名を轟かせました」(キー局プロデューサー)

スクープを連発できた背景には、直前に行われた人事があった。

「30年前にTBS取材班の中心メンバーとして統一教会問題を追及していた武石浩明氏(55)が、安倍元首相襲撃事件の1週間前にチューリップテレビに出向していたんですよ。武石氏は報道局解説・専門記者室長で、映画『人生クライマー』では監督を務めるなど、知識と経験のある辣腕社員です」(TBS関係者)

チューリップテレビは’90年に富山県内3番目のテレビ局として開局。社員数はわずか79人で、県内の北日本放送と比べて50人ほど少ない。

「小さなテレビ局ですが、インパクトの大きい報道をすることに定評があります。’16年には、富山市議会の政務活動費の不正受給を追及。他局も追随し、市議会の中心的人物だった自民党議員を含めた14名の市議が辞職する事態に発展。全国的なスクープを打った実績があります。今回の躍進は熱意に溢(あふ)れる若手記者たちと、TBSから出向してきたベテラン武石氏の経験がうまく融合した結果でしょう」(前出・TBS関係者)

地元メディア関係者は「武石氏が地元出身でなかったのも大きい」と指摘する。

「富山は全国屈指の保守王国。富山市議会の政務活動費の不正受給が報じられた後も、有権者に占める自民党員の割合は全国1位です。富山市議の不正受給の報道も、中心となって動いたのは兵庫県出身の元記者・キャスター、五百旗頭(いおきべ)幸男氏(44)でした」

ただ、気がかりな話もある。

件(くだん)の五百旗頭氏は不正受給事件が一段落した’20年に退社。メインで取材していた記者も他部署に異動になっているのだ。

「この事件は五百旗頭氏らが監督を務めて映画化されたのですが、ラストシーンで退社や異動の理由を匂わせていた。内部圧力があったと見て間違いないでしょう。チューリップテレビでは、退社する社員が増えていると聞きます。いまは旧統一教会関連のニュースが好評で勢いに乗っていますが、いずれ富山市議会の政務活動費不正受給問題のときのように、トーンダウンする可能性があります。局内で何か大きな地殻変動が起きていると見ています」(現地ライター)

圧力を吹き飛ばすくらい、スクープを連発できるか。

『FRIDAY』2022年9月30日・10月7日号より

  • 撮影川柳まさ裕

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