バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版

島 右近

<figure id="attachment_268101" aria-describedby="caption-attachment-268101" style="width: 1740px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f1a77065"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/57a056084a90b83999f3abd87cd8eec3-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268101" class="wp-caption-text">ドラマ『六本木クラス』でヒロインを演じた平手友梨奈。女優としての地位を確立した作品だろう…</figcaption></figure>
俳優・竹内涼真が主演する木曜劇場『六本木クラス』(テレビ朝日系)。最終回の放送を終えた今も、その余韻に浸る視聴者が後を絶たない。
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このドラマは、韓国の人気ドラマ『梨泰院クラス』をリメイクしたジャパン・オリジナルバージョン。絶望の淵に立たされた青年・宮部新（竹内）が復讐を誓い、金と権力を振りかざす巨大企業『長屋ホールディングス』に仲間と共に立ち向かい、ついに打ち勝つまでを描く感動巨編である。
中でも宮部新と共に命を懸けて闘うWヒロインのひとり、麻宮葵を演じる平手友梨奈の演技には視聴者からも絶賛するコメントが寄せられている。
「平手演じる葵は、新の店『二代目 みやべ』の秘書。IQ162の頭脳を持ち、媚びずに我が道を行くインフルエンサーであり、尖ったファッションセンスとビジネス感覚を持ち合わせる今作で最もインパクトのあるキャラクター。ハイブランドに身を包む小悪魔的な役柄はスタートした当初から『平手にピッタリ』と言う声が上がっていました」（ワイドショー関係者）
平手は欅坂46のオーディションで、プロデューサーの秋元康氏から
「垢抜けていない 完成されていない 二度と会えない天才」
と評され、14歳でデビューを飾ると脱退まですべてのシングル曲でセンターを務める金字塔を打ち立てた。
しかし彼女の芸能生活は、決して順風満帆とは言えない。
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「当時所属していた事務所が『六本木クラス』のオファーを断ろうとしたことがきっかけで、平手の事務所退所問題を巡り様々な憶測を生みました。ところが『六本木クラス』も回を追うごとに平手の演技力が高く評価され、マイナスイメージを払拭。視聴率V字回復の原動力にもなりました」（前出・ワイドショー関係者）
平手の演技を、間近に見ていた『六本木クラス』の西山隆一プロデューサーは『とんでもない才能』『真面目でストイックな方で、現場で見ていて感じるのはとてつもない準備をしている』。その上で
「現場に臨む上でその場で生まれるものを大事にしていて、相手の役者さんたちとのコミュニケーションの中で発生することに素直に身を委ねる柔軟性もある」
と演技力は勿論のこと、女優としての佇まいにも賞賛の声を惜しまない。
<div data-friday-nextpage-lead="最終回へ向けて見せた、女優・平手の魅力とは…"></div>
<figure id="attachment_268119" aria-describedby="caption-attachment-268119" style="width: 1774px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9e8ce0e6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/60c78c6023427db7fa85d876c1c21c39.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-268119" class="wp-caption-text">撮影では大女優の風格をも見せていた平手</figcaption></figure>
そして、第12話から最終話に向かって、そんな女優・平手友梨奈の魅力が輝きを放った。
「第12話で、やっと“葵への想い”に気が付く新。銃弾に倒れ死線をさまようも、息を吹き返し監禁された葵の救出に向かう手に汗握るクライマックスシーンではアクションにも挑戦しています。さらにオンエア前から注目を集めていたのが、第13話（最終回）のラストシーン。
『梨泰院クラス』で見られた40秒に及ぶキスシーンこそなかったものの、『愛してる』からバックハグに至る流れには日本人らしい奥ゆかしさも表現され、“キュン死”する視聴者が続出しています」（制作会社プロデューサー）
数ある見所の中でも、見逃してはならない場面がもうひとつ、第12話に登場する。銃弾に倒れ死線をさまよう新の見る夢の中に、平手演じる葵の見せ場がやってくる。
「夢の中で今は亡き父・信二（光石研）と再会。懐かしい自宅で食事をした後、あの世とこの世の間に架かった橋を渡りかける刹那。葵の金言を思い出し、『辛い夜が続くとしても自分を必要とする仲間がいるから』と言って、父と別れ生還するシーンには心奪われました」（制作会社ディレクター）
その回想シーンを、振り返ってみよう。
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「前世や来世があるなら、生まれて来たくなかった」
と告白する葵。しかし、
「生きるのは辛いけど、私は代表に出会って、この言葉が胸に響くんです」
「何度でもいい。残酷な人生よ、もう一度」
この言葉を呟き微笑む葵の顔は、神々しくも愛に満ち溢れている。
「このシーンを見て、私は平手が’20年に欅坂46を脱退した時のことを思い出しました。直後のラジオ番組で脱退した理由について『話したくない』と語っていた平手。
真相は定かではありませんが、その様子はドキュメンタリー映画にもなり様々な憶測を生みました。そうした数々の試練を乗り越えた平手だからこそ、ドイツの思想家ニーチェの金言が刺さるのかもしれません」（前出・制作会社ディレクター）
『六本木クラス』と平手友梨奈をめぐる因縁は、もう一つある。
「『六本木クラス』の葵役に平手を推薦したのは、漫画『梨泰院クラス』の原作者チュ・グアンジン。そのきっかけとなった作品が映画『響-HIBIKI-』。この原作を手掛けた柳本光晴氏は、デビュー当時から欅坂46の活躍を観ていて、もし『響-HIBIKI-』が実写化される時が来たら『主演は平手に決めていた』と話しています」（前出・制作会社プロデューサー）
不思議な縁に導かれ『六本木クラス』で麻宮葵を演じることになった平手友梨奈。彼女こそ、芸能のMuse（女神）に選ばれしヒロインのひとりなのかもしれない――。
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バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

島右近（放送作家・映像プロデューサー）

近藤裕介

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