世界的な賞を受賞で注目!8歳の天才画家Sayaちゃんのすごさ
Next Generation Star 第21回 小学生の天才画家 「絵を描く時は食事も忘れちゃう」 5000以上の作品から選ばれる
優しい目をしたシマウマに、大きな瞳のネコ……。自身の描いた絵に囲まれ笑顔を見せる女の子は、8歳のSayaちゃんだ。作品からは、小学校3年生が作ったとは思えない洗練さと独自性が伝わってくる。
「普通じゃない色を使うようにしています。キリンは黄色のイメージがあるけど、青で描いたらステキだなと思って」
Sayaちゃんは、海外も注目する天才画家だ。’20年10月に発表された、「未来を走る車」をテーマに16歳以下のアーティストを選出する「世界ヤングデザイナー競技会」の環境部門で最優秀賞を受賞。80を超える国の、5000以上の作品から選ばれた栄誉だった。
Sayaちゃんが絵画の才能を開花させるキッカケは、家族で渡英中の2歳の時にあった。母親のMayaさんが語る。
「もともと絵を描くのは好きな子でしたが、Sayaが描いた緑やピンクの顔の独特の自画像を見て、保育園の先生が私に話しかけてきたんです。『もしかしたら彼女にはアートの才能があるかもよ』と。それまでSayaには安いクレヨンなどを与えていましたが、先生が褒(ほ)めてくれた日の帰り道に絵の具と画用紙を購入。Sayaはとても喜びました」
コロナで才能が開花した背景
5歳で帰国してからも、Sayaちゃんは好きな絵を描き続ける。さらなる転機となったのが、’20年4月の小学校入学だった。Mayaさんが続ける。
「新型コロナウイルスの影響で、学校が休校になってしまったんです。楽しみにしていた入学式も中止に。家にいる時間が長くなったSayaは、本格的に絵を描くようになります。それまで自由気ままに描いていましたが、制作に40日間もかけることもありました」
Sayaちゃんの集中力はすさまじい。本人が語る。
「絵を描く時は、夢中になって食事も忘れちゃう。気がついたら、寝る時間になっていることもあります」
Mayaさんも、口出しはしない。
「Sayaの自由にさせています。『早く食べなさい』などと、注意することはありません。青いキリンを描いても『キリンは黄色でしょう』と、口を挟むこともしない。彼女の想像力に任せているんです。私ができるのは画材を買うのと、オーバーに褒めることだけ。絵が完成すると『えー! スゴくステキ!! ママの100倍上手く描けたね』と言いながら、イスから落ちたりしてね。絵を描く道具も、娘の発想力を大切にしています。Sayaは歯ブラシでも綿棒でも、家にあるものはなんでも画材にしているんです」
Mayaさんが娘の作品をSNSにアップすると、たちまち話題に。絵によっては380万回も再生されるという。ネット上でたまたま目にした「世界ヤングデザイナー競技会」で、最優秀賞を受賞したのは前述の通りだ。
「おかげ様で、国内外の多くのコンクールで賞をいただきました。Sayaの絵がすごいのは、作品一つ一つにストーリーがあること。それぞれのキャラクターに名前をつけ、性格まで考えています。頭の中に描いた物語から、色や構成を決めているようです」
Sayaちゃんに、発想のヒントはなにか聞いた。
「好きな本が多いかな。本の中に出てくるキャラクターを、自分なりに想像するんです。お話の続きがあったら、こんな風に展開したら面白いなって」
Sayaちゃんは、独特の感性でのびのびと絵を描き続ける。
Profile
さや/’14年1月生まれ。都内の名門小学校に通う3年生。趣味は読書とぬいぐるみ集め。自宅にある100以上のぬいぐるみには、すべてに名前が。NPO法人『子供地球基金』のオフィシャルアンバサダーでもある
『FRIDAY』2022年10月21号より
- 撮影:小松寛之