<figure id="attachment_269208" aria-describedby="caption-attachment-269208" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="be860d4c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/KB6_4869.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-269208" class="wp-caption-text">東京五輪では開会式の演出に参加するなど、さらに活動の幅を広げている。最新小説『浅草ルンタッタ』は幻冬舎より好評発売中だ</figcaption></figure>
「うわぁ。懐かしいな～～。この時着ていたコート、まだ持っていますよ。最近はめっきり撮られることも減って。やっぱり追われているうちが華ですよね」
妻・大沢あかね(37)との熱愛記事が載った2008年の『FRIDAY』をまじまじと見つめながらこう語るのは、今年でデビュー30年目を迎えた劇団ひとり(45)だ。過去のスクープについて水を向けると、はにかみながらも当時の裏話を聞かせてくれた（以下、「」内の発言はすべて劇団ひとり）。
「昔、江川卓さん(67)が、直撃に冷たくしたらヒドいこと書かれたことがあったらしくて。それを聞いていたんで、めっちゃ丁寧に対応したんですよ。たしか近くの公園で1時間くらい話した。最後は質問がなくなったのか、記者から『最近、なんか面白いことありました？』って聞かれて。流石に聞くことないなら帰ってくれよって思いましたね（笑）」
<figure id="attachment_269209" aria-describedby="caption-attachment-269209" style="width: 2040px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="450d07d6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/d0a0bcd83fba7f03ab2f9f0aad6eb764.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-269209" class="wp-caption-text">今から14年前、本誌の直撃に答える劇団ひとり。交際のキッカケから結婚願望まで、どんな質問にも答えた</figcaption></figure>
1993年のデビュー以来、芸人・タレントとしての活動に加えて、執筆業、監督・脚本業などのクリエイティブな仕事にも精力的に取り組んでいる劇団ひとり。8月24日には最新小説『浅草ルンタッタ』（幻冬舎）が発売された。明治・大正期の浅草を舞台に、過酷な運命に翻弄されながらもたくましく生きる人々を描いた作品である。
昨年Netflixで配信開始されるや、爆発的なヒットを記録した『浅草キッド』に続いて、再び浅草を舞台にした作品を書き下ろした劇団ひとり。芸歴30年という節目の年を迎えた中、最新小説に込めた思いとは何なのか。
——小説を出されるのは12年ぶりですが、今回の作品の構想は以前からあったそうですね。
「構想というか着想くらいの感じですね。12年前ぐらいに『青天の霹靂』という映画のロケハンのときに、浅草の木馬亭のロビーに大正時代の香盤表があって、そこで『浅草オペラ』という言葉を見て、なんか引っかかるな、すごくいい言葉だな、ちょっと調べてみようかな、と思って。でも、それぐらいのところで止まっていたんです。
その後にそれについて書こうかなと思ったら、いや、俺、浅草オペラとか言っていないでまずは『浅草キッド』がやりたいな、と思って。『浅草キッド』の脚本を書いて、いろんなところに持ち込んで、7年かかって撮影にこぎつけて。クランクアップして編集に入っているときに、そういえば、浅草オペラのことを書くんだった、と思って。そこで参考文献を読んで、いろいろ調べたりして、改めて書き始めることにした、という感じですね」
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——「浅草オペラ」という言葉から今回の作品が生まれたそうですが、具体的には1つの言葉から登場人物のキャラクターや物語はどういうふうにできていくものなんでしょうか？
「いろいろな資料を見ているうちに、浅草オペラをやっている劇場のステージの上にある屋根裏部屋から少女が覗いている、という1枚の映像が思い浮かんだんです。それが突破口でした。そこから、なんでその少女はそこにいるんだろう、とか考えをめぐらせて、この形になりました」
——過去の作品と比べても、文体や書き方が違う感じがするんですが、それは意図的なものなんでしょうか？
「今までの作品はずっと一人称で書いていて、僕は一人称の方が好きなんです。でも、今回はどうしても物語の構成上、一人称だとちょっと成立しないなと思って、三人称で書き始めたんです。でも、最初の頃は文章が硬くてつまらなかったんですよね。
一人称の場合、キャラクターになっちゃえば全部セリフみたいなものなので、気楽に書けるんですよ。でも、それが三人称になった瞬間に、小説らしきものに収めようとする自分がいて、すごく違和感がありました。
そこで、もっと自由に書いていいんじゃないかと思ったんです。三人称の小説だからこうあるべきだ、っていうのは1回忘れて。自分は単純に文字を使って人に物語を伝えているだけなんだ、別に三人称とか小説とか関係ない、自由にやろう、と思って。それから書き直したら、自分らしい三人称を書けているような感覚がありました」
——たしかに印象としては、落語や講談のように何者かが物語っているような独特のリズム感があって、読みやすかったです。
「ありがたいです。やっぱり僕は読みやすさというのはすごく気にするんですよね。自分が普段、本を読んでいるときに引っかかったりするとすごくイラッとするんです。せっかく今ノッていたのに、というのがあって。だから、僕は自分が書いた文章は必ず声に出して読んで、詰まるところがないかチェックしていました」
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<figure id="attachment_269210" aria-describedby="caption-attachment-269210" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1e401045"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/KB6_4648_r.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-269210" class="wp-caption-text">本誌の質問に答える劇団ひとり。直撃時と同じように、どの質問にも丁寧に答えた</figcaption></figure>
——ひとりさんにとって、小説を書く作業というのは楽しいものなんでしょうか？
「うーん、楽しいという感じではないです。登山みたいな感じだと思うんですけどね。登山しているときってそんなに楽しいとは思わないし、むしろ苦しいじゃないですか。でも、登りたい。あんな感じなんじゃないかなと思います。
だから、動き始めるまでは面倒臭いけど、やり始めると上まで行かなきゃという使命感みたいなのが生まれたりしてきて。楽しくはないし、苦しい方が強いけど、それは“良い苦しさ”なんですよね」
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——『浅草ルンタッタ』は、ひとりさんとしても新しい試みをした作品だったと思うんですが、これをやったことで学んだことや次の作品に生かせそうなことはありましたか？
「やっぱり何も知らないところから資料を集めて書いたというのが、自分の中では自信になったんですよね。今までは小説にしろ、映像にしろ、自分が見てきたもの、聞いてきたものの範囲の中でしかやっていなかったので。今回の作品では、当然その時代のことも何も知らないので、いろいろ調べて頭の中にちゃんとその世界観が思い浮かべられるようになって、人物ができあがって、というのがすごく自信になりました。これが書けるんだったら何でもできそうな感じがしました。たとえば登山家の話でも、ジャズピアニストの話でも、今の僕は何も知らない状態だけど、資料を読んで調べて取材すれば、本1冊くらいは書けるんだろうな、というふうになりました。
取材自体は今までもしたことがないわけじゃないけど、“取材し尽くす”ということが今回の大きな発見でした。これをやっていなかったら、この前やらせてもらった『無言館』というドラマもできなかったと思うんですよね。（『無言館』：2022年に日本テレビ『24時間テレビ』内で放送された実話をもとにしたドラマ。劇団ひとり氏が監督、脚本を務めた）
僕はもともと無言館の存在を知らなかったですから。でも、とにかく話を聞いて、いろいろな本を読んで、というのをやっていくと、ドラマ1本撮れるんですよね。それをかなり短い期間で集中してやったんです。それができるだろうと思ったのはたぶん『浅草ルンタッタ』を書いていたからです。だから、今後は自分が知らないものでも、やってみたい気持ちがあるんだったら恐れずにやるべきだな、と思いました」
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——今年でデビュー30年目を迎えています。30年を振り返って、一番思い出に残るお仕事は何ですか?
「1つの仕事っていうと厳しいですけど、1つの番組を挙げるとしたらやっぱり『ゴッドタン』（テレビ東京系）でしょうね。僕があの番組に出会えていなかったら、どうなっていたかは想像がつかないです。芸人としてそれまでもいろいろなことに挑戦してきたつもりだったけど、『ゴッドタン』は僕が全く知らなかった自分の可能性みたいなものを広げてくれました。『三四郎』もそうだし、『ハライチ』の岩井（勇気・36）もそうだし、そういう本人さえ自覚していない才能みたいなのが開花する番組なんですよ。そこがすごいと思います。
『ゴッドタン』のスタッフはとにかくもう面白いことに飢えているんです。（演出・プロデューサーの）佐久間（宣行・46）さんのような制作スタッフだけじゃなくて、カメラマンとかの技術スタッフもそうですからね。だから、どんなに現場が冷え切ってもみんな待ってくれるんですよ。空振りしてもいいから思い切りバットを振っていいよ、という空間ではあります。ただ、実際に空振りしたことも何回もあります（笑）」
——最後に目標というか、今後やりたいことをうかがえますでしょうか。
「とにかく納得したいですね。世間の評価というのは当然大事なことかもしれないけど、自分自身が納得しないことにはいつまで経っても満足し切れないですよね。いくら褒め称えてくれようが、やっぱり自分で満足したいし、納得したい。これで俺は十分やった、悔いなし、というくらい納得する仕事がしたいです。バラエティでも作品でも何でもいい。とにかく死ぬまでに、納得できるものをいくつできるのか、という感じですね」
自分自身に納得できるその日まで――。劇団ひとりは今日も、創作の世界で挑み続ける。
<figure id="attachment_269211" aria-describedby="caption-attachment-269211" style="width: 2114px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4f1b316e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/KB6_4816.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-269211" class="wp-caption-text">自身の熱愛スクープを前に思わずニヤリ。取材が終わったあと、記事のコピーを渡すと「妻と読みます！」と笑顔を見せた</figcaption></figure>

ラリー遠田

小檜山毅彦、坪井彰一郎（過去写真）

東京五輪では開会式の演出に参加するなど、さらに活動の幅を広げている。最新小説『浅草ルンタッタ』は幻冬舎より好評発売中だ 「うわぁ。懐かしいな～～。この時着ていたコート、まだ持っていますよ。最近はめっき

熱愛報道の裏話も…劇団ひとり激白「死ぬまでに成し遂げたいこと」

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