元ジャニーズJr.も…「ホストになる芸能人」が増えているワケ | FRIDAYデジタル

元ジャニーズJr.も…「ホストになる芸能人」が増えているワケ

現役慶應大生ライターが描くぴえんなリアル 令和4年、歌舞伎町はいま……第33回

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ユーチューバーのヒカルは1日で6000万円超を売り上げた
ユーチューバーのヒカルは1日で6000万円超を売り上げた

最近、「ホストになる芸能人」が増えている。

有名どころでは、登録者数486万人を誇る人気ユーチューバーのヒカル(31)が、今年6月、自身の誕生日にホストデビューした動画を公開している。わずか1日だけの期間限定ホストだったが、遠方から来るファンだけでなく、著名人やインフルエンサーが続々と来店。みんながこぞって高額なシャンパンをおろし、1日の店舗最高売り上げである6739万円を叩き出した。

それ以外にも、ユーチューバーの元『ぼくのりりっくのぼうよみ』のたなかや、歌い手の『S!N』なども期間限定ホストをやっていた。ホストクラブは1日で最も高い売り上げを出したホストがカラオケを歌える「ラストソング」というシステムがあり、歌唱力の高い彼らに目の前で歌ってもらえるのは、ファンにとってはたまらないサービスになった。

芸能人に期間限定ホストをやってもらうことは、ホストクラブ側にとってはまたとない宣伝の機会になるが、実際に働いている現役ホストたちの本音はどうなのか。

「確かに、彼らの集客力はすごいんですけど……。普段働いているホストのなかには、嫌がっている人もかなりいます」

そう語るのは、期間限定ホストを務めた芸能人と一緒に働いた経験のある、現役ホストのユキト(仮名、22)だ。

「当日は基本的に、僕ら下っ端のホストは彼らタレントのヘルプとして仕事をします。ホストの給料は自分のお客様が使ってくれた金額からしか出ないので、ヘルプはタダ働きだし、いつも以上に忙しくなる。芸能人が大物だと、人手が足りなくて系列店舗から駆り出されることもあります。芸能人に会えるとか、気に入ってもらえるかもっていう下心がある奴以外は、あんまりやる気はないと思いますね」

「期間限定」だと、ホストたちからしてもあくまでゲスト扱いというわけだ。

だが最近は、期間限定ではなく、本腰を入れてホストになる元芸能人も少なからず出てきている。今年6月にジャニーズ事務所を退所したある元ジャニーズJr.は、9月まで3ヵ月間、ホストとして働いていた。

彼のファンの一人が「最強のエース」として店に通い続けたらしく、9月の売り上げの8割はなんとそのエースによるものだったという。何年間も応援してきたファンが、退所後もホストとしての売り上げを支えるとは、奇跡のような話である。

その他にも元芸能人ホストは実はたくさんいるのだが、歌舞伎町で生ける伝説となっている人物も存在する。

3年連続年間2億円を売り上げ、大手ホストクラブ「Leo」の看板ホストとして君臨する平良翔太は、『X4』という関西発のボーカル&ダンスグループで芸能活動をしていた。’17年にグループを卒業すると、未経験から最速でトッププレイヤーとなった平良。彼の姿に憧れてホスト入りする元タレント・モデルも続出している。

顔が良い、ファンがいるというだけで簡単に売れる業界ではないが、元芸能人がホストになれば話題になるのは間違いない。実際、近いうちに、数多くのテレビドラマに出演してきた大物俳優がホストデビューをするという噂も流れてきている。バブルが続くホスト業界には、今後もさまざまなジャンルの人間が現れそうだ。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。

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『FRIDAY』2022年10月28日・11月4日号より
  • 写真濱﨑慎治取材・文佐々木チワワ

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