<figure id="attachment_272932" aria-describedby="caption-attachment-272932" style="width: 8192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d6bd3d2d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/aflo_202606364.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-272932" class="wp-caption-text">事故の２日後、現場近くに花や食べ物をたむける人（画像：ロイター／アフロ）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「押すな！　戻れ！」</span></p>
<p><span class="strongInContent">「人がつぶれてしまう！」</span></p>
<p>繁華街を包んでいたハロウィンの楽し気な雰囲気が一転、死の恐怖に包まれた。</p>
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<p>韓国ソウルの若者に人気のスポット梨泰院（イテウォン）で大惨事が起きたのは、10月29日夜10時過ぎだ。地下鉄駅近くの、幅3.2m、長さ40mの狭い道に群衆が殺到。身動きがとれなくなった人々が将棋倒しとなり、日本人２人を含む150人以上が命を落とした（10月31日時点）。</p>
<p><span class="strongInContent">「現場は、身体が浮き上がるほどの超過密状態（１㎡に10人以上）だったようです。しかも傾斜10％の坂道で段差も多く、人が倒れやすい形状だったとか。危険な状態だったにもかかわらず、道には後から後から群衆が押し寄せてくる。波が崩れるように人々は倒れ、さらに上から人間が覆いかぶさり、大勢の人が圧死したとみられます」（韓国紙記者）</span></p>
<h2>尹大統領がスグに動いた「計算」</h2>
<figure id="attachment_272933" aria-describedby="caption-attachment-272933" style="width: 5616px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b1baa59a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/aflo_202498515.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-272933" class="wp-caption-text">事故直後は犠牲者や救急隊員などが入り乱れ騒然とした雰囲気となった（画像：ＡＰ／アフロ）</figcaption></figure>
<p>尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は、スグに動く。迅速な救急治療体制を組むよう関係各所へ指示。30日未明には大統領府の危機管理センターに入り、「起きてはならない悲劇と惨事が起きた」と最優先で事態にあたる姿勢を示した。</p>
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<p>だが、背景には「過去の政権の二の舞になりたくない」という計算があるようだ。『コリア・レポート』編集長の辺真一氏が解説する。</p>
<p><span class="strongInContent">「14年４月に起き、300人以上の死者・行方不明者が出た大型旅客船『セウォル号』の事故です。当時の朴槿恵（パク・クネ）大統領は、発生後約７時間にわたり音信不通となり現場は大混乱。初期対応の遅れで被害が大きくなったと、大きな批判を浴びたんです。一説には、親しい男性と密会していたとか。『セウォル号』事件は、朴政権退陣の一因となりました」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="尹政権の致命傷になりかねないワケ"></div>
<figure id="attachment_272936" aria-describedby="caption-attachment-272936" style="width: 9471px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9fe59147"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/aflo_202607293.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-272936" class="wp-caption-text">事故の２日後、献花に訪れた尹大統領と金建希（キム・ゴンヒ）夫人（右端）</figcaption></figure>
<p>今回の事故も、尹大統領の致命傷になりかねない。新型コロナウイルスの影響で20年以降ハロウィンイベントは自粛ムードだったが、今年は３年ぶりに営業規制が緩和。韓国『ＫＢＳテレビ』によると、当日は13万人の群衆が梨泰院を訪れたにもかかわらず配備された警官はわずか137人だったという。</p>
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<p>辺氏が続ける。</p>
<p><span class="strongInContent">「しかも警備の目的は交通規制ではなく、酔っぱらいのケンカや盗撮の摘発だったようです。警備が超手薄となったのには、２つの理由があります。１つは、ここ数日近隣で反政府デモが多発していたこと。デモ対応に、人員が割かれていたようです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">２つ目が、尹大統領が今年５月の就任とともに移転した大統領府です。新大統領府は、事故現場近くにあります。近年、北朝鮮との南北関係は緊張が続いている。双方が相手国トップの暗殺を示唆する『斬首作戦』を計画したため、警備は大統領府に偏りがちだったとか。その上、連日の夜勤で警察官も疲弊していたと聞いています」</span></p>
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<p>尹政権は事故後、警備員を137人から10倍以上の約2000人に増員し事後処理にあたらせている。だが、この対応が国民の反発を招いているようだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「動員できるなら、なぜ最初から2000人で警備をさせなかったのかと。事故は、警備を疎かにしたことで起きた『人災』ではないかという批判です。今回の警備体制は、30％前後と超低空飛行を続ける尹政権の支持率をよく象徴しています。大統領府に警備を集中させ、民衆の命より自分たちの安全を優先させたんです。これでは国民が信頼するワケがありません」（辺氏）</span></p>
<p>尹大統領は今後、事故の真相究明を求められるだろう。だが明らかになる事実によって、政権は大きな打撃を受けることになる。</p>
<figure id="attachment_272937" aria-describedby="caption-attachment-272937" style="width: 5500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a771afd8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/aflo_202495542.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-272937" class="wp-caption-text">ストレッチャーで運ばれる犠牲者（画像：ロイター／アフロ）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_272938" aria-describedby="caption-attachment-272938" style="width: 2631px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="151331ba"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/aflo_202494885.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-272938" class="wp-caption-text">現場にひしめく救助隊員（画像：ロイター／アフロ）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_272939" aria-describedby="caption-attachment-272939" style="width: 5500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c4f6814e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/10/aflo_202605219-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-272939" class="wp-caption-text">事故現場となった狭い坂道（画像：ロイター／アフロ）</figcaption></figure>


ロイター／アフロ　ＡＰ／アフロ

韓国の繁華街・梨泰院で群衆が将棋倒しとなり日本人を含む150人以上が亡くなった事故。現場には10万人の人がいたが警備員はわずか200人ほどだったという。なぜ警備は超手薄だったのか。呆れた理由だーー。

群衆13万人に137人！ソウル雑踏事故「超手薄警備」呆れた理由

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