<figure id="attachment_273974" aria-describedby="caption-attachment-273974" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="19a661ec"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/e84a097f3bb609ff05cc0bba47b09b01.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273974" class="wp-caption-text">９月に本誌が「私の実家は霊感商法商品だらけです」というネット会議での発言を報じて以降、公の場での発言は控えているという</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「今日は安倍晋三元首相が逝去されて、また銃弾に倒れてから100日目です」</span></p>
<p>10月16日、東京近郊の教会に現れた田中富広・世界平和統一家庭連合（旧統一教会）会長（66）は信徒たちを前に静かに語り始めた。８月の会見以降、公の場から遠ざかっていた田中会長だったが相変わらずその語り口は流暢だ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「この日、田中会長は日曜礼拝に合わせてある地区教会を訪れていました。会長が直々に『説教』をするということで約50人の信徒が駆けつけたと聞いています。オンラインでの配信はなく、その場にいた信徒のみ聞くことができました」（教会関係者）</span></p>
<p>日曜礼拝は、聖歌や創始者である文鮮明(ムンソンミョン)の言葉を読み解く「説教」を通し、信徒が信仰を深める場である。本誌は当日の音声データを入手。安倍元首相銃撃事件から100日という節目に行われた田中会長の「説教」は、およそ世間の感覚とはかけ離れた驚愕の内容だった。</p>
<p>初めに昨今のメディア報道について、「多くの先輩方から私に手紙が来ます。『戦え！　どうしてテレビ局に乗り込まないんだ』と」と話し、信徒の笑いを誘った後、田中会長の話は核心部分に入っていった。</p>
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<p><span class="strongInContent">「（事件）当日、安倍元首相が銃弾に倒れたと聞いてショックを受けました。そして容疑者のお母さんが教会に所属しているということを知ってショックを受け、本当のターゲットはお母様（韓鶴子総裁）だったということを知り、さらに衝撃を受けました。人類の真(まこと)の父母を銃弾のターゲットに定めてしまった。このような歴史的汚点を、（日本が）持ってしまった。私たちは深く反省しなければなりません」</span></p>
<p>そして田中会長は、山上徹也容疑者（42）の家庭について言及する。</p>
<p><span class="strongInContent">「山上容疑者は事件を起こす半年前に、韓国にいる私たちの教会員にメールを送っています。かつて奈良にいた青年部長です。（山上容疑者は、その教会員が）教会に通っていないことを願いながら、そして自分がやろうとすることに少しでも共鳴してくれることを願いながらメールを送りました。ところが （その教会員が）まだ教会にいるということを知った。『だったら、もういいです』と、それ以降連絡はありません。でも、メールをしたということは、それぐらい心が通じていたということです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">この（山上）家庭はその教会員にだけ心を開くんです。その教会員が韓国にわたって、直後に（山上家の）長男が自殺をしました。もし、彼が韓国に行った後に、誰かが代わって（山上家に）向き合っていたら、今回の事件は起きなかったと私は確信しています。そういうことを思えば、捜査本部の結論はまだですが、（事件には）私たちの教団の姿勢が大きく絡んでいたことを否定できないと思っています」</span></p>
<p>つまり田中会長は、山上家の理解者だった人物がいなくなったことが今回の事件につながったと言いたいわけだ。しかし、山上容疑者の母親が教団に対して１億円以上の献金を行い、それが家庭崩壊の根本的な原因だったことは誰の目にも明らかである。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="さらなる献金の呼びかけも…"></div>
<h2>献金を促す発言</h2>
<p>「説教」全体を通して高額献金そのものに対する反省は一切口にしなかった田中会長。それどころか「説教」の後半には、こんな呼びかけまで行われた。</p>
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<p><span class="strongInContent">「いつまでに自分の家庭が&#8221;テンポウ&#8221;を生じるか、しっかり設計図を書いて、その設計図に向かって一歩一歩前進して下さい。家庭に命がけで向き合い、命がけで愛の伝統を立てる家庭であればこそ、テンポウ勝利に向かっていける。心して挑戦していただきたい」</span></p>
<p>一体どういう意味なのか。長年旧統一教会問題を追及しているジャーナリストの鈴木エイト氏が解説する。</p>
<p><span class="strongInContent">「&#8221;テンポウ&#8221;は&#8221;天寶(てんぽう)&#8221;と書いて、『430家庭の祝福（勧誘）』と『430代の先祖解怨(かいおん)』の両方を達成すると与えられる称号です。先祖解怨は要するに先祖供養のことで、最初の７代で280万円かかるので430代は数千万円かかるはず。天寶の達成を呼びかけるというのは、実質的には勧誘・献金を促していると捉えられます」</span></p>
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<p>田中会長の発言の背景には、事件後の日本における教団の財政状況が関係している、とエイト氏は指摘する。</p>
<p><span class="strongInContent">「高額献金について教会内部で反省するような動きは聞いたことがない。被害を訴えている人たちのことも、被害者とは思わずに『神の道を外れた脱落者』と捉えているのではないか。事件直後の日曜礼拝でも田中会長は、泣きながら『私たちにとって献金はとても大切な行為です』と話していました。事件後、財政が厳しくなり、現在、日本の教団がプールしている金は数百億円と言われています。多く聞こえるかもしれませんが、韓国への莫大な送金などを考えるとあと数ヵ月で財政破綻を起こすとされています。それもあって献金を呼びかけざるを得ないのではないでしょうか」</span></p>
<p>本誌は、田中会長の発言について教団に取材を申し込んだが<span class="strongInContent">「10月16日に行われた日曜礼拝は報道関係者および部外者の方の参加はお断りしていました。当法人としましては不当な手段で入手された情報源に対する質問にはお応えし兼ねます」</span>との回答だった。</p>
<p>８月に政府が立ち上げた「『旧統一教会』問題関係省庁連絡会議」には９月だけで２０００件を超える被害相談が寄せられ、その内の７割が金銭トラブルだと報告されている。改革を声高に訴える教団だが、その裏で、いまでも会長自らが高額な献金を呼びかける姿に信徒たちは何を思うのか。</p>
<figure id="attachment_273973" aria-describedby="caption-attachment-273973" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2a54a91b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/ccbaa399c0d76a6cf970e3de73c628e3.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273973" class="wp-caption-text">「真のお父様」である文鮮明が’12年に亡くなって以降、名実ともに実権を握っている「真のお母様」韓鶴子</figcaption></figure>
<figure id="attachment_273972" aria-describedby="caption-attachment-273972" style="width: 2308px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5d86e540"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/0567e0e2173ce191787fbba33f169c73.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-273972" class="wp-caption-text">事件直前、安倍元首相の背後で犯行の機会を窺う山上容疑者。田中会長は山上家について「苦しい心を持った家庭だった」と話した</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2022年11月18日号より</p>


時事通信（１枚目）　アフロ（２枚目）

10月某日、東京近郊の教会で旧統一教会の田中会長による「説教」が行われた。その内容は山上容疑者の家庭についてや、さらなる献金の呼びかけなど衝撃的なものであった。改革を訴える教団だが、何を目論むのか―。

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