<figure id="attachment_275889" aria-describedby="caption-attachment-275889" style="width: 7769px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4b2a58ce"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/1114-FRYDAY-01-0027.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-275889" class="wp-caption-text">安部若菜（あべ・わかな）／大阪府出身、21歳。2018年にドラフト3期生としてNMB48に加入し、現在はチームM副キャプテンを務める。現役大学生。（撮影：瀬津貴裕）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「SNSは本当に『毒にも薬にもなる』んだと感じました。怖い部分もあるけれど、その分SNSを通じてしか知ることのできないファンの方々の気持ちって絶対にある。やっぱりアイドルをしている以上、SNSがないと私はダメですね」</span></p>
<p>そう話すのは、NMB48の安部若菜（21）。現役のアイドル、そして大学生でもある彼女は、このたび『アイドル失格』（KADOKAWA）を刊行。小説家デビューを果たしたことで脚光を浴びている。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>作品のテーマは、「SNSを通じて出会ったアイドルとファンの禁断の恋愛」。日頃からSNSを駆使してアイドル活動に励む安部に、作中でも描いた”SNSとアイドルのリアル”を聞いた。</p>
<h2>“次に繋がる投稿”でのし上がってきた</h2>
<p>『アイドル失格』は、地下アイドルのセンター・小野寺実々花（17）がSNSを通じて自身のファン・吉野ケイタ（20）と出会い、恋をする——という物語だ。</p>
<p>この物語ではSNSが展開の核となるだけでなく、各章が2人のツイートから始まったり、ページ内にもツイッター画面を連想させるデザインが施されたりと、SNSが欠かせないエッセンスとして取り入れられている。</p>
<p><span class="strongInContent">「物心ついた頃からツイッターが身近にある環境で育ってきました。現在のアイドル活動においても、ファンの方々との交流ではSNSが一番のツール。なので、今回小説を執筆するとなったとき、現代のアイドルのリアルを追求するなら、SNSを中心に据えたい、と最初から決めていました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">NMB48では、メンバーみんなでSNSに力を入れるぞ、となった数年前のタイミングで、”SNS講習会”が開かれたんです。マネージャーさんや先輩メンバーが講師役となって、どんな投稿をしたら自分をうまくアピールできるかを教えてくれました。自分の趣味や特技に関する情報を盛り込んだりして、何かお仕事のチャンスを得られるような”次に繋がる投稿”をするといい、と教わりましたね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">私のSNSの師匠は、（NMB48のOGの）吉田朱里さん。グループを卒業された今でもアドバイスをくださるんですよ。今回の小説をどうアピールすればいいか相談したら、『まずはわかぽん（安部の愛称）が本が好きな人だってことをアピールしなきゃ。読んでよかった本を投稿したらいいんじゃない？』と言ってくれて。それで今、TikTokでおすすめの本について紹介する投稿を続けています」</span></p>
<p>ツイッターだけでも自身の20倍近い数のフォロワーを持つ大先輩・吉田のアドバイスを実践しながら、”次に繋がる投稿”を心掛けてきたという安部。趣味の読書や落語、在学中の大学で学んでいる経済学、投資などについて投稿してきたことで、実際に仕事に繋がった例も多い。</p>
<p><span class="strongInContent">「私のSNSの投稿をきっかけに、経済関連の取材や雑誌の連載、落語番組のテレビ出演のお話をいただいたりといったこともたくさんあって。本当にありがたいなと思っています。もしSNSがなかったら、私は特徴のないアイドルになってしまっていただろうな……。NMB48の中でももっと埋もれていたと思います」</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>そしてアイドルにとってのSNSは、何といってもファンとの交流に寄与している部分が大きい。</p>
<figure id="attachment_275891" aria-describedby="caption-attachment-275891" style="width: 7728px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="62c71a30"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/1114-FRYDAY-01-0223.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-275891" class="wp-caption-text">「SNSをこの小説の軸に据えることで、普段本をあまり読まない方にも作品を身近に感じてもらえるかなと思いました」と安部は語る。（撮影：瀬津貴裕）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「私が読んだ本の投稿をすると、それを見て『私もその本好きです』とか『わかぽんが薦めてたから読んでみたよ』と反応をくれたり、握手会で言ってくれたりするファンの方々がいて。すごく嬉しいんです。そうやって発信してきた影響か、私のファンの方々って私と感性が似てるなと思うことがあるんですよ。似た者同士集まるというか。今はコロナ禍でオンラインお話し会になっていますが、コロナ前はリアルイベントでファンの方々にお会いすると、なんとなく真面目で寡黙で、深く考えるのが好きな方が多いなって感じています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">SNSは反応が即座に数字になって表れるのが面白いし、勉強になります。たとえば読書についての投稿は、初めてやったときに『このツイート、好評だったな』というのがリツイート数やリプライ数でわかったから続けていますし、自撮りを何枚か撮って自分ではどの写真がいいか分からないときも、投稿してみると”いいね”の数が歴然と違ったり。自分を数字で客観視できるから、SNSは貴重なツールです」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="エゴサはやめられません"></div>
<h2>100回褒められても1回叩かれたら……”エゴサ”の光と闇</h2>
<p>『アイドル失格』の物語の中で、主人公の実々花はファンたちの声を逃すまいと、特典会やライブのあとには欠かさずエゴサーチ（通称エゴサ）をする。</p>
<p>安部のファンはご存じの通り、彼女も実々花と同様、かなりの高頻度でエゴサをするという。「世間の皆さんが思う以上に、アイドルはエゴサをしています」と笑う。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p><span class="strongInContent">「多いときはスマホを触るたびにツイッターを開いてエゴサしていたくらい。私に関する投稿なんてそんなにないのに（笑）。テレビの生放送が終わって楽屋に戻った瞬間なんかは、メンバーみんな夢中でエゴサしていますね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">見つけて嬉しいのは、歌番組に出たあとに『この子誰!?』『安部若菜ちゃんですよ！』というような投稿。めっちゃテンション上がります。でも……、たとえ100回褒められても、1回叩かれている投稿を見たダメージのほうが、めちゃくちゃ心に残ります。たとえばメンバーをいじるような発言をしたときに、そのメンバーのファンの方から叩かれたりとか。『あの発言、そんな風に捉えられたのか』とすごく気にしちゃいますね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">やっぱり自分を見てくれる方にどう映るかを知らなくちゃ、成長できない。だから、怖いけど、エゴサはやめられないんです。私のことを初めて知ってくれた方が呟く感想も、ものすごく勉強になります。『いつもは見ない人だな』って思ったらその人のプロフィール画面まで見に行きますよ(笑)」</span></p>
<p>『アイドル失格』を執筆し終えた安部は、今後いっそうSNSと真摯に向き合っていくと話す。</p>
<p><span class="strongInContent">「SNSに投稿するときや見ているときは、お仕事の一環でもあるので、いわゆるアイドルスイッチがオンのモードなんです。それなのに、今までは単なる一個人・安部若菜として何となく投稿してしまっていて、皆さんが求めているアイドル・安部若菜との境界線があやふやになってしまっていたなと気づきました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">それに気づいたのは、執筆中、実々花という人格がどんな投稿をするかをじっくり考え抜いた結果です。かえって自分の投稿の仕方についても考えさせられることが多くて。SNSでのブランディングってめっちゃ大事だなという考えに至りました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">私は文章で自分の思いを伝えるのが好きだからこそ、その言葉が見てる方にどう映るかをもっとしっかり考えて、アイドルとしてきちんと投稿しなきゃなと考えるようになりました」</span></p>
<h2>アイドルのタブー”恋愛”を描く覚悟</h2>
<p>現役アイドル。恋愛とは縁遠い立場の安部が、”アイドルとオタクの恋愛”というスキャンダラスなテーマで小説を執筆した。テーマ設定にあたっての葛藤を、こう語る。</p>
<figure id="attachment_275893" aria-describedby="caption-attachment-275893" style="width: 5182px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ac3af22f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/1114-FRYDAY-01-0153.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-275893" class="wp-caption-text">「最初はこのテーマに驚いていたNMBのメンバーたちも、執筆を応援してくれました」と語る安部若菜。（撮影：瀬津貴裕）</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「このテーマで本当に書いていいのか、すごくためらいました。ファンの方々が、恋をしている実々花を私と重ねて読んでしまうんじゃないかという怖さがありましたし、どこか申し訳なさも感じました。NMB48のメンバーからも『えっ、そのテーマ大丈夫？』と心配されましたね。</span></p>
<p><span class="strongInContent">それでもこのテーマに決めたのは、現役アイドルの私にしか書けない作品にしたかったから。アイドルと恋愛という、現実世界では接点のないものを、フィクションだからこそ描くことができると思ったんです。ファンの方からも、『わかぽんの恋愛観なんて普段は絶対知ることができないものだから、小説でそれが知れて嬉しい』という言葉をいただくことができて、このテーマに決めたのは間違いじゃなかったんだなと思えました。デリケートなテーマだからこそ、最後まで丁寧に描き切るぞと思って書き進めました」</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<h2>アイドルでいられる時間は短い</h2>
<p>現役アイドルであり現役大学生でもある安部は、現在21歳。小説の中で実々花が自分の進路に思い悩む設定は、自らの現状と一致するものだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「これから先もずっとアイドルでいられるとは思っていません。高校1年生でNMB48に入ったときは、『20歳になったら卒業しよう、あと4年もある』と考えていました。でも夢中でアイドル活動をしていたら4年なんてあっという間に過ぎて、気づけばその年齢を超えていました。将来自分がどうしていくか、まだ具体的には決めていなくて、日々本当に迷っています。普通に学生をしている方々も悩みは尽きないと思いますが、アイドルをしている私たちも、深刻に進路のことで悩んでいます。</span></p>
<p><span class="strongInContent">でも、1年前は考えもしなかった小説を書くという夢がこうして叶ったように、思いもよらない選択肢がどんどん出てくるのが嬉しくて。それこそSNSもそうですけど、自分の可能性を自分で広げられるアイドルでいたいなと思います。そうしているうちに本当にやりたいことが見つかったときが、アイドルを卒業するときなんだろうな」</span></p>
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-start"></div>
<p>Profile<br>
安部若菜（あべ・わかな）<br>
大阪府出身、21歳。2018年にドラフト3期生としてNMB48に加入し、現在はチームM副キャプテンを務める。現役大学生。<br>
幼少期は毎日図書室に通い、1年で100冊ほどの小説を読んでいた。小学生の頃の愛読書はミヒャエル・エンデの『はてしない物語』。<br>
小説、落語、投資と様々なジャンルで積極的に活動の幅を広げており、”100通りの楽しみ方ができるアイドル”として活動中。<br>
最新情報は公式Twitter（<a href="https://twitter.com/_wakapon_?s=11&amp;t=HbCMS863wE2Drm-mGX1TRQ" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@_wakapon_</a>）、公式Instagram（<a href="https://instagram.com/_wakapon_?igshid=YmMyMTA2M2Y=" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@_wakapon_</a>）まで</p>
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-end"></div>


瀬津貴裕

NMB48の安部若菜が、小説家デビューを果たした。物語の鍵となる「SNS」について、現役アイドルの視点で鋭く分析する。

NMB48安部若菜「アイドルとSNSは切っても切れません」

あなたへのオススメ