目黒蓮＆川口春奈　話題の『silent』ロケ現場オフショット！

高校の同級生から恋人となった幸せそうなカップル。そこに、高校卒業後、音信不通となっていた元カレが姿を現わして――。と、ここまでは、よくあるラブストーリーの筋書き。しかし、今秋”令和イチ泣ける”と話題沸騰中のドラマ『silent』（フジテレビ系）では、『Snow Man』の目黒蓮（25）演じる元恋人が、川口春奈（27）演じるヒロインと再会した際、聴覚を失っていた……というところから話が展開されていく。

見逃し配信の累計再生回数は２２００万回超を記録（11月１日時点）。フジテレビの同時間帯のドラマの中でも、ここ10年で最高レベルの視聴率を記録している。

「担当脚本家は、これがほぼデビュー作。実写化やリメイクでもない作品でここまでの成果を出すのは異例のことです。ヒロインの相手役には今熱狂的な支持を集める『Snow Man』の人気No.1メンバー・目黒を起用。絶対に一定数は継続して観てくれるし、ＳＮＳなどで話題にしてくれますよね。また、キャラが強い役者は使わず、自然な演技ができる俳優陣で固めることで物語に没入できるように工夫されています」（制作会社関係者）

キャスティングだけでなくキャラクターづくりも最近の恋愛ドラマとは異なる点があるという。

「三角関係の恋愛ものは、とかく理不尽な振る舞いをするトラブルメーカーがいたりして物語をひっかき回しますが、『silent』にはそれがない。唐突に彼女を振ったことに罪悪感を抱える青年、明るくて朗らかだけど元カレに未練があるヒロイン、優しいけど自分はつまらない人間だと自信が持てない恋人……。全員、視聴者が共感しやすいキャラクターになっている。

この作品においては、誰と誰が付き合うのかは重要じゃないんです。元恋人とヒロイン、また現在の恋人、それぞれの真(ま)っ直(す)ぐな気持ちや、彼らの関係性を丁寧に描くことで、どの人物にも共感できる。だから、どの回にも、視聴者を惹(ひ)きつける切ない名シーンが生まれているのだと思います」（ライター・大山くまお氏）

障害を題材としたドラマでは、障害を抱える登場人物の頑張りが感動的に描かれる作品が多く、そういった作品が”感動ポルノ”などと揶揄(やゆ)されることもある。

「本作では、聴覚障害を持つ青年が何かを克服したり、無理なことに挑戦したりしません。声で会話ができない彼らが、一生懸命に自分の想いを伝えようとする姿を描くことで、言葉の意味や重さを再認識させてくれる。また手話のシーンでは、登場人物の細かい表情の変化を視聴者は凝視することになる。言葉では伝わらない彼らの機微を想像して、視聴者が考察をしたくなるようにできています」（メディア文化評論家・碓井広義氏）

いつの時代も大ヒットドラマは、その時代の世相を表しているのだ。

『FRIDAY』2022年11月25日号より