シカマアキ

<h3><span class="strongInContent">すべてが元通りじゃない…外務省に聞いた、最新「旅のトラブル」</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>10月29日の夜、韓国・ソウルの梨泰院（イテウォン）で、ハロウィンによる混雑により日本人２人を含む156人が死亡する事故が発生した。</p>
<p>多くの日本人が新型コロナ禍で海外へ行けなかった２年半あまりで、現地の状況をはじめ、海外旅行を取り巻く環境が変わった。ウクライナ情勢の緊迫、円安で現地の出費が増え、航空券にかかる燃油サーチャージは最高値を更新中だ。</p>
<p>しかし、コロナの完全収束には至っていないうえ、場所によっては戦乱やテロなど別のリスクも潜む。コロナ前以上に「安全」への対策をしっかり講じる必要がある。</p>
<p>今回、外務省領事局海外邦人安全課に、実際に日本人が遭遇したトラブルの事例、直近で起きた新たな犯罪の手口、海外安全情報配信サービス「たびレジ」の上手な活用方法などを聞いた。</p>
<figure id="attachment_274563" aria-describedby="caption-attachment-274563" style="width: 5505px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="167f05cc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/9e44b08d3fffabe7e4c1e1f7867d611b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-274563" class="wp-caption-text">11月29日の深夜に発生した「梨泰院ハロウィン雑踏事故」では、第一報が翌30日午前３時30分に「たびレジ」で配信された（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">コロナで巧妙になった「詐欺」</span></h3>
<p>新型コロナ以降、新たな「詐欺」手口が複数報告されているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「保健省など政府職員を装って個人情報や金銭を搾取しようとする詐欺行為、予防対策への寄付を募るオンライン詐欺など。これらの被害が世界各国で引き続き報告されています」</span></p>
<p>保健省からのワクチン接種の案内メールだと思い、メールに記載されたURLにアクセスするとSNSのアカウントが乗っ取られる事例や新型コロナの対策支援のためにビットコインで寄付を募る詐欺などが世界各地で報告されているという。コロナ前にも一部の国・地域でこのような事例はあったというが、コロナ禍でさらに手口が巧妙になったといい、さらなる注意を呼び掛けている。</p>
<h3><span class="strongInContent">ウクライナ情勢の影響大、デマが拡散されることも</span></h3>
<p>最近の海外では、ウクライナ情勢も気になるところだろう。</p>
<p><span class="strongInContent">「ロシアへの制裁によって航空便の停止が相次ぎ、クレジットカード決済や銀行送金が不能になるなどの事案が発生しています。日本との直行便も運航停止となり、今後も情勢悪化が進めば、国際線の座席確保が一層難しくなる可能性があります」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>と外務省の担当者は語る。また、社会情勢が不安定な時期の注意点として、</p>
<p><span class="strongInContent">「緊急事態にはSNSなどでデマが拡散されることもあります。信頼のおける情報源の確保が極めて重要です」</span></p>
<p>外務省が発出する危険情報でウクライナは「レベル４」で、ロシアやベラルーシは「レベル３」であり、またその両国もウクライナとの国境付近は危険レベル「４」となっている。</p>
<p><span class="strongInContent">「ロシアやウクライナに限らず、危険レベル３の渡航中止勧告やレベル４の退避勧告が発出されている国や地域への渡航は、どのような目的であっても取りやめていただきたい」</span></p>
<h3><span class="strongInContent">円安によって現地で困窮する可能性も</span></h3>
<p>昨今の円安も、海外旅行に影響する。現地での物価高は滞在費や食費だけでなく、あらゆるジャンルに及ぶ。現地で怪我や病気になった際の日本への緊急搬送などは、国・地域によっては数千万円かかる事例も。</p>
<p>以前より十分な予算確保とともに、<span class="strongInContent">「もしもの場合に備え、海外旅行保険の加入を検討することが重要」</span>とのことだ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「ずっと帰国できない」事態も…"></div>
<h3><span class="strongInContent">「海外渡航中も感染予防に努める」意識、帰国が遅れる覚悟も必要</span></h3>
<p>日本への入国に当たり、陰性証明書の提示が全ての者に求められていた時は、日本への帰国・入国を希望する日本人が現地でコロナに感染し、療養を終えて回復しているにもかかわらず、出国前検査の陽性判定が続いてしまい、ずっと帰国できない状況が多発した。そのため「何度検査しても陰性にならない」など、現地の日本大使館・総領事館への相談が相次いだ。外務省では、療養を終えて回復したことを証明できる場合には、「領事レター」を発行することで、帰国できるよう支援した。2022年９月７日以降、ワクチン接種証明書（３回）を提示できれば帰国に際して陰性証明書の提出は不要となり、この相談事例は減っているという。</p>
<p>ただ、新型コロナ感染のリスクは、いまだ残る。特に欧米などでは感染防止にかかる規制が廃止され、多くの人々はマスクを着用していない。</p>
<p>外務省の担当者は、まず「海外渡航中も同様に感染予防に努めてほしい」と語る。同時に「海外渡航中にコロナに罹患すると、帰国予定を変更せざるを得ない状況に陥る可能性もある」と注意を促す。</p>
<figure id="attachment_274564" aria-describedby="caption-attachment-274564" style="width: 4589px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f868f31f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/2_aflo_102003662.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-274564" class="wp-caption-text">英国の航空データ分析大手「Cirium」によると、世界の航空座席供給量が2019年水準に回復するのは2023年10月頃と予測している。写真は、2019年のGWの羽田空港国際線ターミナル（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">正確な情報の確保に「たびレジ」登録を。LINE版も登場！</span></h3>
<p><span class="strongInContent">外務省では、海外への旅行や出張などの際に「たびレジ」の登録を促している。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>「たびレジ」は2014年７月1日に開始した「海外安全情報配信サービス」で、３ヶ月未満の短期渡航者が主な対象（外国に住所又は居所を定めて３ヶ月以上滞在する場合、在留届の提出が求められる）。登録先のメールアドレスに、渡航先や緊急事態発生時の対応などの情報がその都度届く。</p>
<p>特に、正しい情報かつ日本語で配信されることで、その信頼性は抜群と言える。2021年３月からLINEで「外務省領事局」アカウントを友だち登録すれば、新規登録や内容の変更などが簡単にでき、より便利になった。</p>
<figure id="attachment_274565" aria-describedby="caption-attachment-274565" style="width: 1298px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="18039b58"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/11/3.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-274565" class="wp-caption-text">外務省が提供する情報配信サービス「たびレジ」は、海外旅行に行くたびに必ず登録しておきたい</figcaption></figure>
<p>筆者も当初から海外渡航のたび、「たびレジ」を毎回登録している。2019年３月、ニュージーランドのクライストチャーチでのモスク銃乱射事件の際、近くの都市に滞在中で「たびレジ」で初報を得た。その直後からニュージーランドの国境が厳戒態勢となり、出国時に予定よりかなり早めに空港へ行った。また、新型コロナ禍では、海外渡航が延期になる中でずっと登録したままの国々から領事メールが次々と届き、現地の情報を日本語で得ることができたのもその後の渡航時に役立った。</p>
<h3><span class="strongInContent">「イテウォン事故」では、翌30日午前３時30分に「たびレジ」で領事メールを配信</span></h3>
<p>また、10月29日の夜、韓国・ソウルの梨泰院（イテウォン）で、ハロウィンによる混雑により日本人２人を含む156人が死亡する事故が発生した。この事故に際し、現地の警察による初動が遅れるなどが原因で情報が錯そうした。SNSなどでは深夜にも発信されていたが、韓国人でさえも翌朝にニュースで知った人も多かったという。在大韓民国日本大使館は、在留届け及び「たびレジ」登録者に対し、夜明け前の翌30日午前３時30分に領事メールを配信し、午前４時40分頃に公式Twitterで発信を行っている。</p>
<p>外務省では、海外渡航者向けに「海外安全虎の巻」という冊子を発行している。全国のパスポートセンターなどで入手できるほか、WEB上でPDF版も公開。日本人のあらゆるトラブル事例が詳しく載っており、一通り読むだけでも安全への意識が変わる。内容は毎年更新されていて、情報も新しい。<span class="strongInContent">新型コロナ禍でブランクがある分、ぜひとも一読し、「たびレジ」には必ず登録するなど、安全対策を万全にしてほしい。</span></p>
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<p><a href="https://www.anzen.mofa.go.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■外務省 海外安全ホームページ</a></p>
<p><a href="https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■たびレジ &#8211; 外務省 海外安全情報配信サービス</a></p>
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<p>&nbsp;</p>


シカマアキ（特記以外）

多くの日本人が新型コロナ禍で海外へ行けなかった2年半あまりで、現地の状況をはじめ、海外旅行を取り巻く環境が変わった。外務省領事局海外邦人安全課に、実際に日本人が遭遇したトラブルの事例を聞いた。

外務省に聞いた「海外旅行先のヤバイ重大事故」と身の守り方

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