”中の人”が明かす「ナウル共和国」がフォロワー40万になるまで
コンビニもない、信号機もない「世界最小の共和国」がなぜか日本で大人気
日本から南東へ約5000㎞、太平洋に浮かぶ小さな島国「ナウル共和国」が、11月5日、快挙を達成した。「ナウル共和国政府観光局日本事務所」の公式ツイッターアカウントのフォロワー数が、40万人を突破したのだ。
ナウル共和国は人口約1万人、面積21.1㎢(東京都品川区とほぼ同じ)の「世界最小の共和国」だ。日本からの直行便はなく、基本的にはオーストラリア・ブリスベンからナウル航空を乗り継いで入国するしかない。そんな同国のツイッターが、なぜ、遠く日本でこれほどの人気を集めているのか――。その理由は他でもない、公式ツイッターが面白いからである。
〈Q.ナウル島は一日で周れますか? A.徒歩4時間〉といった「自問自答ツイート」だけでなく、デカデカと「ナウル」と書いただけの電車広告を都電荒川線(東京さくらトラム)に出すなど、その発想はとにかくユニークだ。
フォロワー数40万人までの道のりをツイッターの「中の人」に聞いた。
「’20年初頭に日本事務所を作ろうかという話が持ち上がり、9月の閣議決定を経て、10月1日にツイッターを開設しました。日本事務所は完全にボランティアで運営しており、ノルマもなかったので、人口と同じくらいまでいったらいいなと思っていたんですが、1週間でフォロワーは2万人に到達。あれよあれよとここまで伸びました。特に反響があったのは、昨夏の東京オリンピックのときですね。『ナウルって本当は存在しないんじゃないか』みたいな疑いの投稿をしている人がいたので、『オリンピック中に証明されます』と。そして、開会式で『ナウル共和国入場』とツイートしたら、一気に『16万いいね』くらいつきました」
そんなナウル共和国にも、今年7月、危機が訪れた。国民の約半数が新型コロナウイルスに感染したのだ。
「ワクチンは国民の100%が接種しており、厳しく検疫もしていたんですが……。しかし、おかげさまで現在の感染者はほぼ0%にまで収まりました。日本事務所ではチャリティバッジを作り、約400万円の義援金も集まっています。このお金は政府と協議を重ね、ナウルのためにきちんと使わせていただきます」
コロナ対策のため、現在、ナウル共和国は観光客の受け入れを制限している。しかし「中の人」によると、なるべく早く解除できるよう政府内で議論を重ねているという。「日程と費用に余裕のある方は、ぜひ!」とのこと。世界一小さな共和国を一度は訪れてみたいものである。
『FRIDAY』2022年11月25日号より
- PHOTO:ナウル共和国政府観光局公式ツイッターより