長澤まさみ 出演快諾から6年『エルピス』で見せた鬼気迫る覚悟 | FRIDAYデジタル

長澤まさみ 出演快諾から6年『エルピス』で見せた鬼気迫る覚悟

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話題のドラマ『エルピス』でヒロインを演じる長澤まさみ。冤罪事件という重厚なテーマを扱うドラマだが…
話題のドラマ『エルピス』でヒロインを演じる長澤まさみ。冤罪事件という重厚なテーマを扱うドラマだが…

女優・長澤まさみが主演する話題の月10ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(フジテレビ系)。権力の闇に真っ向から立ち向かう骨太なストーリー、長澤演じるヒロインと元恋人との濃厚なラブシーンにも大きな反響が寄せられている。

このドラマは、スキャンダルによってエースの座を追われたアナウンサー浅川恵那(長澤)が新人ディレクター岸本拓朗(眞栄田郷敦)と共に連続殺人事件の冤罪疑惑を追う。

その渦中で、元恋人で報道局のエース記者・斎藤正一(鈴木亮平)との恋が再燃。様々な思惑が入り乱れる中、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく社会派エンターテインメントだ。

しかし様々な思惑が入り乱れているのはドラマの中だけではなかった。警察や検察、裁判所を敵に回す可能性すらあるこの企画は、ハードルが高すぎて産みの苦しみを味わっている。

「このドラマでは、マスメディアが誤報や事実と確認されていないことを報道したらどうなるのか。どこから横やりが入り、真実がどう闇に葬り去られていくのか。権力の横暴と追従するばかりのマスコミの報道姿勢のあり方についても赤裸々に描かれていることから、TBSでは日の目を見ることはありませんでした」(制作会社プロデューサー)

しかしこの企画を共に温めてきた佐野亜裕美プロデューサーと脚本家・渡辺あや氏は諦めなかった。キャスティングだけでも先行したい――その思いから、演技が上手いのは勿論のこと、内にあるエネルギーを持て余しているところが魅力的に思える長澤まさみに真っ先に声をかけた。

すると脚本を読んだ長澤は、『ぜひやりたい』と快諾。さらに『なんでこれをすぐにやれないの?』と今作に対して並々ならない意欲を示している。

女優・長澤まさみには仕事を選ぶ際に、譲れないポリシーがある。

「長澤は、恩師である三谷幸喜から『人生は意外と短いから、自分のやりたいことをやった方がいい』と教えられ、オファーがあった際は『みずからが本当に面白いと思うか』。このことを念頭に置いて出演するかどうかを判断しています。例えば長澤が、デビュー20周年を記念する映画に選んだのは、実際に起きた少年による祖父母殺人事件に着想を得た異色作『MOTHER/マザー』。

金にルーズで怠け者。男にもだらしなく、お金に困ると子供をダシにして親にお金をたかる毒親と呼ぶべき強烈なキャラクターを演じています。顔色も悪く太った秋子役は、長澤のパブリックイメージとはかけ離れた役どころ。しかし心に刺さったこの役を演じることで、長澤は日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。CMなどの絡みを考えた場合、この作品に出ることはリスキーであり決して簡単なことではなかったはず。それでもこの作品を選んだ長澤の眼力には、頭が下がります」(前出・プロデューサー)

長澤の心を揺さぶる今作にも、長澤の女優魂がほとばしる名場面が初回から登場する。

担当する深夜の情報バラエティ番組に、連続殺人事件の冤罪疑惑に関する企画を提出。しかしプロデューサーにボロクソに言われ、諦めようとする新人ディレクター岸本(眞栄田)に、

「惑わされちゃダメだよ。おかしいものはおかしいじゃん。アナコンダだろうが国家権力だろうが関係ない。おかしいと思うものは飲み込んじゃダメだよ。私はもう飲み込めない。これ以上飲み込みたくないものは、飲み込まない。でないと死ぬし、私」

と吐き気を抑えながら、思いの丈を口にしてペットボトルの水をゴクゴク飲むシーンは、女優・長澤まさみの凄みを改めて感じされてくれた。

だが驚くのはまだ早い。今作では、鈴木亮平と演じる濃厚な“大人の色気ダダ漏れ”のラブシーンにも釘付けになる視聴者が殺到している。

「第3話では冤罪事件を放送することができない悔しさから恵那は自宅でお酒を呑み、号泣。その頭を優しく撫でる斎藤(鈴木)の唇を貪るように奪い、濃厚なキスシーンを披露する長澤の演技には“フェロモン出すぎ”の声も聞かれました。

さらに第4話では『私に放送をやめさせたかったんじゃないですか』と詰め寄る。『知らない方がいいな、傷つくよ』といって恵那の顔に手を当て寄せる斎藤。その手を拒むと『じゃあさ、なんでベッド買ったの?』と耳元で囁き濃厚なベッドシーンを演じる2人には、大人のエロスを感じました」(制作会社ディレクター)

「ぜひやりたい」と快諾してから6年。長澤まさみの歓喜のゴールを楽しみに待ちたい。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

  • PHOTO菅原 健

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