<figure id="attachment_278408" aria-describedby="caption-attachment-278408" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a7c15dd8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/90c4f7aa5e092e145e7935a8edb3e276.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278408" class="wp-caption-text">ドーハ市内にあるファンフェスティバル会場。巨大スクリーンを備える観戦スペースに加え、大会スポンサーのイベントブースやフードコートなどがある、屋外観戦の中心地だ</figcaption></figure>
<p>ドイツとスペインを撃破し、「死の組」を首位突破した日本代表。森保ジャパンの快進撃を受け、日本では連日、選手たちの練習の様子や近況が盛んに報じられている。その一方で、テレビカメラには映らないところでも多くのファンが現地を訪れ、取材陣やスタッフが活動している。</p>
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<p>カタールを訪れた人々の多くが宿泊するのが「ファンビレッジ」と呼ばれる宿泊施設群だ。筆者が訪れたのはドーハ市内に４ヵ所あるうちの一つで、ハマド国際空港から最も近い場所に位置する。敷地内にはコンテナ型の宿泊施設が7500室以上あり、食堂や屋台、寝そべって観戦できるパブリックビューイング会場が２ヵ所、スーパー、レクリエーション施設などがある。</p>
<figure id="attachment_278412" aria-describedby="caption-attachment-278412" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="fab15e6b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/317017506_3293897057598985_184003345627763185_n.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278412" class="wp-caption-text">ズラリと並んだコンテナホテル群の一部。ファンや関係者が拠点とする一方、宿泊客からは不満が噴出している</figcaption></figure>
<p>全てが同じ場所で完結するのは良いことだが、宿泊環境は決して快適とは言えない。コンテナ型の宿泊施設は、通称「コンテナホテル」と呼ばれており、輸送用のコンテナの内部を宿泊できるように改装したもので広さは６畳ほど。設備としては簡易ベッドが2つにクローゼット、シャワーにトイレというものだ。宿泊費は1泊約3万円。設備の割には高額だが、それ以外の部分でも不満が噴出している。というのも、あまりにも環境が劣悪なのだ。</p>
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<p>筆者は日本代表の初戦である11月23日の朝6時に施設に到着した。しかし、ホテルのフロント前は長蛇の列。結局16時からのキックオフには間に合わず、荷物を持ったまま、試合観戦へ向かう羽目になった。</p>
<p>寝るだけと割り切ったつもりだが、ベッドにも問題がある。マットレスがカチカチで、硬い板の上に寝ているようだ。空港が近く早朝便が上空を飛ぶため、4時台には起こされる。トイレはきちんと流れるが、しばらくすると異臭が漂い、水も砂が混じって黄色みがかっていている。</p>
<p>一番の問題はシャワーだ。当たり前のようにお湯はでないし、配管が詰まっているのか、排水されない。さらに、ベッドルームの半分くらいまでその水が漏れだしてしまう始末。それらを直すようにカスタマーサービスにかけあうと、</p>
<p><span class="strongInContent">「すぐに直しに行かせるので待ってて！　 30分以内だ！」</span></p>
<p>と答えたので部屋に戻って待ってみたが、一日経っても誰も来なかった。</p>
<figure id="attachment_278413" aria-describedby="caption-attachment-278413" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="03967686"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/317044354_2150663875144619_7289731934396533500_n.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278413" class="wp-caption-text">11月と言えど日中は強烈な日差しが照りつける。試合が始まる時間まで、多くのファンがコンテナホテルを日陰にして過ごしていた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_278414" aria-describedby="caption-attachment-278414" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b7c21d2e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/316850887_5711183512261483_8786028205383526664_n.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278414" class="wp-caption-text">コンテナホテルの一部は、大会が始まった23日時点でも完成していなかった。建築工程の大幅な遅れから、慢性的な客室不足が続く</figcaption></figure>
<figure id="attachment_278416" aria-describedby="caption-attachment-278416" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5cc83574"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/317130988_680340483549063_1812418169651284679_n.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278416" class="wp-caption-text">室内のシャワールームは排水が機能していない。使用すると、客室スペースにまで水が溢れてしまう</figcaption></figure>
<div data-friday-nextpage-lead="ビール１杯2000円！？　カタールの食事情"></div>
<figure id="attachment_278417" aria-describedby="caption-attachment-278417" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e47b0365"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/317135445_464878592432778_3988875901062879298_n.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278417" class="wp-caption-text">ファンビレッジの中にあるパブリックビューイングスペース。それぞれが思い思いの格好で観戦を楽しんでいる</figcaption></figure>
<p>カタール中心部の高級ホテルにあるレストランにいけば、世界中の食事を自由に選択できる環境は素晴らしい。マクドナルドやスターバックスなどファストフードもある。もちろんファンビレッジにもコンテナを改良したショップが立ち並んでいる。ハンバーガー、パスタ、ピザ、そしてイスラム圏の方々が好むファラフェル（潰した豆類を丸めて香辛料を混ぜて揚げた料理のこと）なども充実している。</p>
<figure id="attachment_278422" aria-describedby="caption-attachment-278422" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b4eddbf2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/317034824_476062077963371_2390074553830135193_n.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278422" class="wp-caption-text">ファンビレッジ内にあるコンテナストア。ファストフードを中心にさまざまな 店が並ぶ</figcaption></figure>
<figure id="attachment_278420" aria-describedby="caption-attachment-278420" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bd6b32f0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/513ea340ece730a2bab9ec915b59ca5c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278420" class="wp-caption-text">中心街にあるマリオットホテル内のレストランでの一枚。ビールは1杯2300円ほど。ポテトとのセットの料金は、驚きの4000円超え</figcaption></figure>
<p>しかし、物価は結構高い。スターバックスのアイスコーヒーはトールサイズで約650円。日本は税込み390円なので1.7倍となる。スーパーの弁当もだいたい1000円ほど。サラダも1000円するものもある。ファンビレッジのハンバーガーは単品で約1600円、ピザはSサイズ約2500円と毎食食べるには少々高額だ。さらに、ショップエリアに一番遠い部屋から歩くと片道1キロ以上あるため、暑い中買い物や食事だけで疲弊する。</p>
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<p>また世界中から来る熱狂的ファンには残念なところが、イスラム教で飲酒が禁止されている点だ。一部のホテル内レストランや、中心街にあるファンの交流用のスペースである「ファンフェスティバル」などの一部の場所を除き、公共の場でお酒を飲むことはできない。</p>
<p>その影響もあり、酒類の値段はさらに高く設定されている。「ファンフェスティバル」のバドワイザービールは１杯で約2000円。ホテル内のレストランバーで飲めば約2300円と、日本の４〜５倍の値段が付けられている。物価が高いと知られるシンガポール在住の友人も、これには驚いていた。</p>
<p>ただ、悪いことばかりではない。新型コロナウイルスの感染対策が全面的に解除されており、マスクを付けている人はごく稀だ。オープンな環境でのびのびと過ごせるコロナ禍始まって以来の世界的スポーツイベントとなっている。屋外観戦ができる場所では、各国のファンが自由に観戦を楽しみ、酒を酌み交わしており、W杯の醍醐味である国を超えた交流も盛んだ。</p>
<p>決勝トーナメントもスタートし、ますます盛り上がりを見せているW杯。カタールの熱狂は、まだまだ続く。</p>
<figure id="attachment_278425" aria-describedby="caption-attachment-278425" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="30602201"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/88fc94ce0a92532a6a21f9217b6d1e4b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278425" class="wp-caption-text">ファンフェスティバルにはさまざまな国の観客が集まる。数少ない飲酒可能なスペースということもあり、試合が終わった後も、夜遅くまでファン同士の笑い声が響く</figcaption></figure>


グアム1部リーグ「Rovers」と37歳でプロ契約し、日本で唯一の現役サラリーマン海外プロサッカー選手となる。2023年からはスペインでユース育成のサッカービジネスにも参画予定。世界中を駆け回りライターや実業家として活躍する

利根幸進

ドーハ市内にあるファンフェスティバル会場。巨大スクリーンを備える観戦スペースに加え、大会スポンサーのイベントブースやフードコートなどがある、屋外観戦の中心地だ ドイツとスペインを撃破し、「死の組」を首

ビール2000円！ホテルは水漏れ！「カタールW杯」熱狂の舞台裏

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