三重県出身。スポーツ新聞社での勤務を経て、2011年から講談社のサッカー専門サイト「ゲキサカ」編集部所属。主に大学サッカーを担当しながら、中学生年代の全国大会も取材している

児玉 幸洋

<figure id="attachment_279196" aria-describedby="caption-attachment-279196" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6f8fc8e5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/a09c9acd9553c76016e62ce143f1825a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-279196" class="wp-caption-text">左から三男・陸さん、長男・翔平さん、次男・圭悟さん。圭悟さんと陸さんが７歳差で、兄２人は中学卒業後にユースの寮に入ったため、陸さんは「あまり一緒にいた記憶がないし、けんかにもならなかった」（撮影：吉場正和）</figcaption></figure>
お疲れさま、父さん。
「僕も帰国して落ち着いたら、感動ありがとう会をやりたいですね」
史上初のベスト8は逃したが、ワールドカップ過去優勝国のドイツ、スペインを破ったサッカー日本代表が帰国。森保一監督の三男、森保陸(22)は、語学勉強のために留学している約1万2000キロ離れた異国の地・オーストラリアで、森保ジャパンの奮闘を見届けていた。
日本代表の試合はスポーツバーで仲間たちと一緒に観戦した。グループリーグ第3戦・スペイン戦の時は、店内にドイツ人やコスタリカ人もいたという。
「なぜか分からないけど、(森保監督の息子だと)みんな知っていて、めちゃめちゃ声を掛けられたんですよ」
ただそれは日本で感じたプレッシャーとは明らかに違った。どこか心地よい、誇らしい気持ちでいっぱいになった。
「僕の中では尊敬している人物。誇りだし、父さんのようにというか、周りの人から聞いても『森保さんはいい人』というのをめちゃめちゃ聞くので、自分もそういう人間にはなりたいなと思います」
日本代表の監督になろうと、家族にみせる姿は何一つ変わらなかった。
「いつも平常心でいた印象です。広島の時も試合の結果を家に持ち込むことがなかったけど、それは日本代表の監督になっても変わらなかった。自分を貫いているなとめちゃめちゃ思います。一本の芯が通っている人間なんだと思います」
森保家は長兄・翔平、次兄・圭悟、そして陸の男ばかり3兄弟。圭悟から7歳離れた末っ子は、兄弟みんなが認めるほど、父の寵愛を受けた。
「授業参観にも来てくれましたし、小学校の時は卒業式も来てくれました。時間があれば、僕の試合にも来てくれていました」
父は陸が2歳の時にベガルタ仙台で現役を引退。記憶の限りではすでに父はサッカー選手ではなかった。そして陸が小学校6年生の時に広島の監督に就任。そこからは「森保監督の息子」として見られることも多くなり、意識することも増えていったという。
<div data-friday-nextpage-lead="「家族の応援があったから頑張れた」"></div>
しかし親子関係が変わることはなかった。父から言われて続けたことは「人に会ったら先にあいさつをしろ」など、常識的なこと。
「サッカー選手である前に人であれ」
その言葉は今でも人生を生き抜く上での、根底にあるものになっている。
日本代表の監督になってからは、家族の意思とは関係なく、周囲の注目は増していった。時には世間の厳しい意見が、家族に向けられることもあったようだ。苦しい戦いを強いられた今回のW杯アジア予選の最中には、陸のツイッターにも心無いDMが寄せられたことがあったという。
「全部無視しちゃいましたけどね(笑)。だから今回も僕はあまりSNSを開かないようにしていた。ある程度仕方がないとは思っているけど、見たくない文章が目に入っちゃうので。父さんもそういうタイプだと思う。ゴシップで気持ちを左右されること？全然ないと思います。だからこそ、この仕事も出来ているのかなと思いますけどね」
陸にも備わる、いい意味での「鈍感力」は、父から最も受け継がれているものなのかもしれない。
今ではほとんどの家庭にあるはずのグループLINEが、森保家にもある。今回のW杯でも家族全員がメッセージを入れると、父からも返信があったという。
「勝った時は全員でメッセージを送りました。ドイツ戦のあとは『次も頑張るよ』って(返信があった)。スペイン戦のあとは『家族の応援があったから頑張れた』と送ってくれました」
世間の関心を集めようが、時の人となろうが、その様子はいつもと変わらない「父さん」だった。おそらく今回も「ただいま」「お疲れ様」のいつも通りのやり取りで、日常が再開されるだろう。契約延長も報じられている森保監督だが、家族にとってはこれからも何一つ変わらない「父さん」であり続けるはずだ。
<figure id="attachment_279198" aria-describedby="caption-attachment-279198" style="width: 1731px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0b8ed32a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/aflo_205595053.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-279198" class="wp-caption-text">クロアチア戦に敗れた直後のピッチで酒井宏樹を抱きかかえる森保一監督（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_279199" aria-describedby="caption-attachment-279199" style="width: 5192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e0c4963b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/aflo_205597521.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-279199" class="wp-caption-text">クロアチア戦に敗れた後、スタンドのサポーターにむかって深々と頭を下げた森保監督。この姿はクロアチアでも話題になった（写真：アフロ）</figcaption></figure>

児玉幸洋

吉場正和（１枚目）

左から三男・陸さん、長男・翔平さん、次男・圭悟さん。圭悟さんと陸さんが７歳差で、兄２人は中学卒業後にユースの寮に入ったため、陸さんは「あまり一緒にいた記憶がないし、けんかにもならなかった」（撮影：吉場

苦戦すると息子に心ないDM……森保監督三男が明かす「W杯中の父さん」

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