<figure id="attachment_279361" aria-describedby="caption-attachment-279361" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f3ab38db"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/e211836b04a2b885efdda91d1b080850.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-279361" class="wp-caption-text">1994年W杯を目指したサッカー日本代表。前列左端が堀池氏で右隣が森保一・日本代表監督。前列右端にラモス氏、後列右端に三浦知良の姿も（写真：アフロ）</figcaption></figure>
サッカーワールドカップ（W杯）で森保一監督率いる日本代表が強豪・ドイツ、スペインを撃破する金星を奪い、世界を驚かせた。その陰で森保監督が現役時代、1993年の「ドーハの悲劇」でともに戦った戦友・堀池巧氏が自身が指揮を執っていた名門・順天堂大学蹴球部を退任していたことがわかった。堀池氏の選手に対する「パワハラ疑惑」「敗退行為指示疑惑」を重く受け止めた大学側が、堀池氏に対し、「サッカー部員への接触禁止』を言い渡し、事実上の解任になった模様だ。
前列左端で肩を組み合う男。左から２番目、背番号17が1993年ドーハの悲劇のときにボランチだった森保・現日本代表監督だ。その左隣が堀池氏。肩を組み合った２人は約30年の時を経て、現時点での人生の明暗が分かれてしまった。あるサッカージャーナリストはこう明かす。
「名門・順大蹴球部で指揮を執っていた堀池氏がサッカー部監督を解任されたようです。10月に週刊文春で堀池氏が選手に対し執拗な『パワハラ』を行った疑惑が報道され、さらにFRIDAYデジタルで2016年、総理大臣杯につながるアミノバイタル杯で選手に対する『敗退行為指示疑惑』も報じられました。 
順大は報道陣に対し、『今は何もお答えすることはない』と明確な返答は避けてきましたが、その後、堀池氏に対し、『サッカー部員への接触禁止』を言い渡していたようです」
サッカー部監督として部員に接触できないため、当然、直接指導はできない。なし崩し的に部の運営から引き離されることになり、事実上の解任状態となった。現在のチーム運営はチームはヘッドコーチの刀野真一氏が引き継ぎ、暫定的に指揮を執ったが、堀池前監督時代の独裁的な指導によってまとまりを欠いたチームはこの秋、関東大学サッカーリーグ２部への降格が決まった。ただ、順大蹴球部の関係者によると、堀池監督から選手たちへの正式な謝罪など挨拶はなく、大学側の実質的な調査が行われた形跡もなかったという。堀池氏の後任の監督人事については選手にも発表されておらず不透明なままだ。
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<figure id="attachment_279364" aria-describedby="caption-attachment-279364" style="width: 4242px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2304b07f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/aflo_205824862.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-279364" class="wp-caption-text">岸田総理を表敬訪問した森保監督（左端）と吉田主将ら、日本代表選手たち。連日、テレビに露出している（写真：アフロ）</figcaption></figure>
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堀池氏は静岡県出身の元サッカー日本代表選手。清水東高時代は長谷川健太（現・J１名古屋監督）や大榎克己（清水エスパルスGM）とともに“三羽烏”とよばれ、順大卒業後は清水エスパルスなどで活躍。日本代表にも選ばれた。カタールW杯で日本代表を快進撃に導いた森保監督や三浦知良やラモス瑠偉氏らと1994年アメリカＷ杯を目指した「ドーハ組」の１人だった。
引退後は『やべっちF.C. 〜日本サッカー応援宣言〜』でコメンテーターを務め、さわやかな笑顔でサッカー普及に励んだ「Jリーグレジェンド」の１人。2014年から母校・順大の監督に就任した。そんな堀池監督は前述のとおり、日常的なパワハラ疑惑や、公式戦に臨むにあたり、選手たちを集めたロッカールームで選手に対して「この試合、勝つな！負けろ！いいな？」と指示を出す「敗退行為指示」疑惑を報じられた。
アミノバイタル杯は総理大臣杯の関東予選と位置付けられ、上位８校が総理大臣杯への出場権を得られた。当時の大学サッカーは桐蔭横浜大や明大や早大が強く、第５、６、７代表になると、その３校と早い段階で対戦する公算が大きかった。日体大戦に敗れて８位となれば、その３校とは準決勝まで対戦しない組み合わせだったため、総理大臣杯のトーナメントで上位に勝ち進むための“戦略”でもあったともとらえられる。
ただ、この発言が事実ならば、意図的な「敗退行為指示」に抵触し、Jリーグで同じ行為が認められた場合、「サッカーに限らずスポーツに対する信頼や高潔性の維持に疑義を生じさせてしまった責任」を重く見られ、クラブライセンス剥奪などの厳罰が待つ行為だった。
<div data-friday-nextpage-lead="監督は退任しても授業で「指導」は継続中"></div>
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<figure id="attachment_279363" aria-describedby="caption-attachment-279363" style="width: 850px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6a968580"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/2bf1fa5ee2ef5a7702d85d0e7c78447e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-279363" class="wp-caption-text">順大蹴球部OBで2014年から指導した堀池氏（写真は2017年当時）</figcaption></figure>
堀池氏の狙い自体は的中したのか、順大は総理大臣杯で準優勝に輝いたものの、「負けろ」と指示を受けた選手の心の中にはすっきりしないものが残ったため、当時在籍していた選手たちは大会後、大学側に「堀池監督のトレーニングをボイコットしたい」と申し出をしていた。
ただ、蹴球部を辞任した堀池氏は順天堂大学スポーツ健康科学部准教授として大学には籍は未だ残っており、「サッカー」という選択授業を担当。蹴球部の全選手がその授業を履修しているという。前出のサッカージャーナリストはこう明かす。
「その授業はその名の通り、堀池氏が選手たちにサッカーを教えるという授業。サッカーとバスケットボールから選択をする形式だと聞いています。『監督と選手』という関係では接触禁止でも、『准教授と学生』での接触は禁止されていないことに対して疑問の声が上がっています。 
かつて堀池氏が普通に監督をされていたときは、授業の準備や用具の支度・洗濯、片付けまで蹴球部員に任せて、奔走する部員たちを笑い者にしていたようですが、あの報道以降は準備も片付けも自ら行って、部員たちには笑顔を振り撒くことで改心をアピールしているようです。しかし、これまで報じられた“醜聞”を受けて、笑顔に応える生徒はいないようです」
FRIDAYデジタルは順天堂大学に対し、堀池氏の退任や後任監督、退任後も准教授として大学に残り結果的に蹴球部員を指導していることについて質問をぶつけたが、期日までに正式な回答はなかった。
ちなみに、順天堂大学の堀池氏を紹介するページには研究の目標、内容、方法について以下のような記述がある。
〈本ゼミナールでは「サッカー界に貢献する」を目標に、サッカー競技を技術的・戦術的分析を中心に様々な角度（サッカーを科学する）から分析、研究していく力を養う（以下略）〉
サッカー界に貢献する以前に、部員の心が堀池氏から離れ、自らがトップ選手を指導する舞台から“退場”してしまっては、元も子もないだろう。くしくも監督業を「社会貢献だと思ってつとめている」と周囲に明かしている３歳年下の森保監督とは「貢献」という部分で大きく差ができてしまった。
まだ見ぬＷ杯を目指したかつての日本代表チーム時代の同僚が、カタールの地で世界中のサッカーファンを驚かせていたその最中、堀池氏は千葉の片隅で沈黙を貫き、大学側も本質的な解決を見出す意思表示は見られない。数々の選手を輩出した名門蹴球部を覆う霧は、しばらく晴れそうにない。

1994年W杯を目指したサッカー日本代表。前列左端が堀池氏で右隣が森保一・日本代表監督。前列右端にラモス氏、後列右端に三浦知良の姿も（写真：アフロ） サッカーワールドカップ（W杯）で森保一監督率いる日

サッカー日本代表・森保一監督「称賛」の陰でドーハの悲劇“戦友”が名門大学監督を辞めさせられていた

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