「仕事は7倍に」「体重は10kg増」…『錦鯉』 二人で駆け抜けた「『M-1』優勝からの1年」
M‐1グランプリ2022 直前スペシャル 前回チャンピオンお疲れ様インタビュー
「『M-1』というトンネルを抜けたら異世界に転生していました。仕事は7倍くらいに急増。ただ、ほとんど覚えてないんですよ。人は忙しすぎると記憶が追いつかなくなるんですね」
そう語るのはお笑いコンビ『錦鯉』のツッコミ・渡辺隆(44)だ。昨年、ボケの長谷川雅紀(51)と史上最年長でM-1王者に輝いた。中年の星と呼ばれ、今ではテレビで見ない日はないほどの活躍ぶりだ。
優勝直後
1年後…
長谷川「正直、最初はついていくのがやっとで、優勝の余韻なんてありませんでした。今年の夏ごろ、内村さん(光良・58)、有吉さん(弘行・48)、『くりぃむしちゅー』のお二人の番組を一日に3つ収録した時にやっと実感できました」
激動の1年をしみじみと振り返る二人。一方でおじさんコンビゆえの、体力面の負担は大きかった。そこで長谷川が頼ったのは、意外なものだった。
長谷川「疲れたときは注射を打ったりして乗り切っていますね」
渡辺「おい! 雅紀さん、まさか何かアブナいことしてんじゃないよな?」
長谷川「してないよ(笑)。注射ってニンニク注射のことだよ!」
渡辺「紛らわしいな」
長谷川「あとは疲労の反動で食べる量も増えました。楽屋弁当をついつい食べ過ぎて、気づいたら1年で10㎏も体重が増えちゃった。おかげでスーツのズボンが2着も壊れちゃいました」
渡辺「チャックが弾け飛んだよね。あんな漫画みたいな壊れ方、初めて見たよ」
長い下積み生活を経て、ようやくブレイクを果たした。しかし、周囲には言えない王者ゆえの不安をずっと抱えてきた。
渡辺「仕事で結果が出てるのか、わからない時期が続いて。手応えがないのに、仕事はいただける。『これでいいのか?』って疑問がずっとありました」
長谷川「収録が終わってガッツポーズってことがなかったですもん。でも6月に『マツコ会議』(日本テレビ系)に出させてもらった時に、マツコさん(50)が『そのまんまでいいよ』って肯定してくれた。年齢的にゆっくりもしてらんないですけど、焦りすぎてもダメなんだって思いました。悩むより、まずは楽しもうって」
渡辺「俺も8月に『スッキリ』(日テレ系)に出演した際に加藤さん(浩次・53)から『適当にやれ、適当に!』って言ってもらえた。それでなんか肩の荷が下りた気がして、それからは自然体で出来るようになりました」
12月18日には今年のM-1チャンピオンが決まる。肩書がなくなることについて聞くと、なんとも頼もしい答えが返ってきた。
渡辺「優勝はスタートラインに立ったに過ぎない。僕らはまだまだ挑戦者です。さらなる躍進に、期待してください!」
長谷川「優勝してもまた出ることは可能なので。ラストイヤーは56歳ですから、いざとなったらまた挑戦します(笑)」
ジェットコースターのような1年を駆け抜けた二人。その顔は自信に満ち溢れていた。
『FRIDAY』2022年12月30日号より
- PHOTO:結束武郎