朝倉未来『ブレイキングダウン』の模倣大会にヒカル、皇治が参戦…乱立のウラにある「懐事情」
今年ユーチューブ上でバズったものといえば、格闘家の朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める1分間の格闘技バトル『ブレイキングダウン』だろう。すでに来年7月に次の開催が控えており、近日中にもそのオーディションの模様が公開される見込みだ。
ブレイキングダウンでは元プロボクシングの日本ランカー・飯田将成氏をはじめ、こめお、“10人ニキ”こと鈴木大輔氏、最近では“格闘王”前田日明氏が主催した『アウトサイダー』のファイターが参戦するなど、話題を集めている。
しかし、ふと周りを見渡してみると、ブレイキングダウンに酷似した素人格闘技大会が…。
ざっと並べるだけでも、ブレイキングダウンにも出場するバン仲村氏がCEOを務める『ケンカバトルロワイアル』、人気ユーチューバー・ヒカル主催の『バトルミリオネア』。直近では格闘家の皇治の『NARIAGARI』が発足した。
どれもブレイキングダウンに触発されたことは明らかだ。
ヒカルは立ち上げの際、自身のユーチューブで
「乗っかります」
と堂々宣言。皇治も会見で
「パクリっすよ」
と笑いながらも
「ほんまに頑張ってるやつら、名前が売れない選手、食っていけない選手を選んでいけたらいいなと思っています」
と語った。
世間の“パクり批判”などモノともせず、次から次へと素人格闘技大会が生まれるのはナゼか――。
中堅ユーチューバー事務所の幹部が言うには
「コスパが非常に良い」
のだという。
参加者は無名の素人がほとんどで、大会に出ることで自分の名を上げたいという人がほとんど。そのためオーディションで戦ったところで、ノーギャラであることが多い。前出の幹部によると
「オーディションで爪あとを残せば、自分のユーチューブチャンネルにフォロワーが集まり、再生回数も増える。ノーギャラでも元は取れる」
という。
都内のスタジオのような会場を貸し切り、リングを設営。入場時の派手な演出も必要ない。強いて挙げるとすれば、大乱闘になった時に制止するセキュリティーにそれなりの人数を割く必要があるが、大きな出費とまではいかない。
「オーディション動画は特に人気があり、ブレイキングダウンでいえば、数日で400万再生なんてこともザラ。闘いを終え、拳を交えた者同士によるコラボ動画も人気があり、1回の大会で切り口を変えて大量の企画動画を作れることも強み。ユーチューブの再生回数だけで相当な収入になっていると思いますね」(広告代理店関係者)
加えて本戦は有料配信なのだから、主催者サイドはウハウハ。人気が出れば、スポンサーも次から次へとやって来る。前出の代理店関係者は
「コスパが良いので、“パクり”と言われようが手を出したい人は多い思う」
と語る。
スキャンダルにも強い。参加者には半グレや元暴走族メンバー、前科のある者などが多く、あとで醜聞が発覚しても
「まぁ、そりゃそうだよね」
とハードルが下がる。品行方正を求めていない強みがここにある。前回のブレイキングダウンでは、本番直前に“会津の喧嘩屋”久保田覚が相手にイスで殴り掛かり、大流血のケガを負わせた。
「これが地上波なら完全にアウト。対してブレイキングダウンでは加害者の久保田は処分されたが、大会自体は通常進行。最近、ネット上では現役ブレイキングダウン参加者の傷害疑惑がウワサされているが、大会自体はビクともしません」(スポーツ紙記者)
唯一の不安点といえば、お上(警察)が徐々に関心を示してきていることくらいか。
「すぐに“動く”という話ではありませんが、先日、警察の関係者と話した際に『ああいうのが増えると血気盛んな若者が事件を起こすんだよな』と嘆いていました。ただ、ぶっちゃけ、警察官の間でもブレイキングダウンのファンは多いみたいです(笑)」(全国紙社会部記者)
と語る。来年以降も人気は衰えそうにないが、警察沙汰になるようなトラブルが起きないことを祈るばかりだ。
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写真:Motoo Naka/アフロ