<figure id="attachment_305372" aria-describedby="caption-attachment-305372" style="width: 1375px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a276de5d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/cfbc1e76614913d4dff0fc4bd11e68a6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-305372" class="wp-caption-text">ベトナムでIT、建築、経理、金融の専門学校を経営する中川秀彦さん。元はバブル期の日本で大活躍した証券マン</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「ロシアがウクライナに侵攻したと聞いて『21世紀になって、いまだに大義名分のない侵略をするリーダーがいる』ということに衝撃を受け、自分がウクライナのためにできることをやってみようと思い立ちました」</span></p>
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<p>そう語るのはベトナム在住の日本人投資家・実業家の中川秀彦さん（61）。彼がウクライナのために行ったのは、なんとベトナムで流通しているロシアルーブルの買い占めだった。</p>
<p><span class="strongInContent">「開戦から２〜３日後のことでしょうか。１ルーブル1.8円だったものが、0.８５円まで暴落したときに、ホーチミン市内のある両替商が持っているルーブルを全部買い取ったんです。『気は確かか？』と聞かれましたが、『いいから全部持ってこい』と言いました（笑）。<br>
</span></p>
<p><span class="strongInContent">彼らも横のつながりの広い商売ですから、瞬く間に『紙くずを集めているバカな客がいる』と噂になりまして、かなりの額のルーブルが集まりましたね」</span></p>
<p>しかしながら、ロシアから遠く離れたベトナムにルーブル紙幣などあるのだろうか？</p>
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<p><span class="strongInContent">「ベトナムはＡＳＥＡＮでもトップの石油埋蔵量を誇る国なんですが、その石油産業はロシアの技術に支えられているんです。ロシア人の技術者がたくさんベトナムにはいますし、街にもロシア語の看板がいくつも見られます。流通しているルーブルもかなりあったんです」</span></p>
<p>開戦から約３ヵ月後の’22年６月、１ルーブルが2.2円まで上昇したときに中川さんはすべて売却。莫大な利益を得たのだった。</p>
<p><span class="strongInContent">「もともと私は証券マンでしたので、その経験を活かしました。『人の逆を行け』という業界の教えに従ったわけです。</span><span class="strongInContent">イヤな話なんですが、不幸な出来事があると相場は変動するんです。大規模な災害のあとには建設会社の株価が上がりますし、戦争が起きれば関連する国や企業の相場も変動します。<br>
</span></p>
<p><span class="strongInContent">ロシアのような資源大国の通貨はそんなに弱くない。実際、ＳＷＩＦＴ（世界中の銀行のネットワーク）からロシアが締め出されても、それほど大きな影響はなかったですよね。ロシアの資源の供給先はいくらでもあるからです。<br>
</span></p>
<p><span class="strongInContent">ですので、ロシアへの嫌悪感からルーブルが暴落しても、&#8221;あや戻し（下落相場が一時的に少し上がること）&#8221;が来ることは確実でした。<br>
証券マンは『株価が倍になったら売る』のが常識です。今回も、倍になったタイミングで売却を考えました」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="ウクライナは他人事ではない"></div>
<h2>ウクライナは他人事ではない</h2>
<p>中川さんは、利益の全額をウクライナ支援、とくに子どもたちの支援につぎ込んだ。ポーランドのウクライナ避難民施設やキーウの子どもたちにお菓子や生活物資を送ったのはもちろん、ちょっと変わった支援も行った。</p>
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<p><span class="strongInContent">「ウクライナの現状を伝えたいという志のある写真家や映像作家と出会うことができたので、彼らの渡航費や滞在費を支援することにしたんです。そして、ウクライナで撮った写真はＮＦＴ（偽造不可能なデジタルデータ）にして売却することで、現状を伝えるだけでなく、売却益も全額ウクライナに寄付できると考えたんです」</span></p>
<p>それにしてもなぜ中川さんはここまでウクライナ支援に精力を傾けるのか。</p>
<p><span class="strongInContent">「ロシアとウクライナはもともと同じ国だった時期も長く、いわば&#8221;身近な人間&#8221;同士の争いです。私の住むベトナムでも約50年前、ベトナム戦争という、同じような悲惨な戦争が起きています。また、ベトナムの隣にはロシアならぬ大国・中国があり、南沙諸島の領有権をめぐっていまも緊張状態にあります。ウクライナが他人事に思えなかったんです」</span></p>
<p>中川さんは43歳のときにベトナムに移住した。</p>
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<p><span class="strongInContent">「私は歴史が好きで、ベトナムが日露戦争時にロシアのバルチック艦隊への燃料提供をボイコットしたり、悪質な燃料を渡したりして、日本を助けたことを知り、すごく感動しました。そんな国に恩返しがしたいと思い、移住したんです」</span></p>
<p>現在、ベトナムで専門学校を経営するなど同国の発展に向けて活動する中川さん。その精力的な活動が平和の懸け橋になることを願う。</p>
<figure id="attachment_305369" aria-describedby="caption-attachment-305369" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6899b66e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/S__49758258.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-305369" class="wp-caption-text">キーウ市街の壁に書かれたプーチンへの怒り。この写真の撮影者も、無償で中川さんのＮＦＴ化に協力している</figcaption></figure>
<figure id="attachment_305371" aria-describedby="caption-attachment-305371" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="21ef7a12"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/S__49758261.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-305371" class="wp-caption-text">ポーランドのウクライナ避難民施設に送られた中川さんの支援物資の一部。「お菓子をたくさん送った」という</figcaption></figure>
<figure id="attachment_305368" aria-describedby="caption-attachment-305368" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c134fe9b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/S__49758255.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-305368" class="wp-caption-text">ロシア軍の爆撃で荒れ果てたキーウの街。こうした写真がＮＦＴで購入でき、ウクライナへの寄付に充てられる</figcaption></figure>
<figure id="attachment_305370" aria-describedby="caption-attachment-305370" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a435ba19"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/S__49758260.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-305370" class="wp-caption-text">ポーランドに避難してきたウクライナの子どもたち。「支援をして一番心に残ったのが彼らの笑顔でした」（中川さん）</figcaption></figure>
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<p>NFTの写真は<a href="https://opensea.io/Ukraine_Photo_NFT_xWIN" target="_blank" rel="noreferrer noopener">コチラのサイト</a>で閲覧可能</p>
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-end">『FRIDAY』 2023年4月21・28日号より</div>


中川さん提供

ベトナム在住の日本人投資家・実業家の中川秀彦さんは、開戦直後にロシアルーブルを爆買し、売却。莫大な利益を全額ウクライナ支援、とくに子どもたちの支援につぎ込んだ。ウクライナ支援に精力を傾ける理由とは…

開戦直後にロシアルーブルを爆買い→３ヵ月後に売却して大儲けした「ベトナム在住日本人投資家」の正体

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