<figure id="attachment_309437" aria-describedby="caption-attachment-309437" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0d9ebf78"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/K5R9263re.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-309437" class="wp-caption-text">マネジメント事務所内のスタジオで。デビューから30年経った今は、音楽とそばの二刀流。若手アーティストのプロデュースも行う</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「実は僕、デビュー前までボビー・ブラウンのようなパーマをかけてブラックミュージックをやっていたんです。想像もつかないでしょう？　札幌を拠点に数年活動していたんですが、22歳のときにデモテープを聴いたプロデューサーに声をかけていただいて上京することになって。あるとき、『試しでいいから、歌ってみて』とテストで歌わされたのが『このまま君だけを奪い去りたい』でした。後日、そのプロデューサーに『お前で決まったから！』と言われて、キーボードの山根（公路・56）を紹介され、『今日から２人でＤＥＥＮな！』って。『ＤＥＥＮ』の名前の由来については、いまだ僕たちも知らされていません（笑）」</span></p>
<p>今年でデビュー30周年。３月にはアニバーサリーアルバムを発売し、武道館でライブも行ったＤＥＥＮのヴォーカル、池森秀一（53）は「奇跡ってあるんだなって思った」と振り返った。</p>
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<h2>″運転手の助手″</h2>
<p>ＤＥＥＮは’93年にファーストシングル「このまま君だけを奪い去りたい」が、ミリオンヒット。北海道から上京したばかりの池森をヴォーカルに大抜擢したのが音楽制作会社「ビーイング」の音楽プロデューサーだった。</p>
<p>ブラックミュージックとＪポップの融合を目指していた池森にとって、ＤＥＥＮの音楽はかなり異質だったはずだが、「戸惑いはなかった」と言う。</p>
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<p><span class="strongInContent">「ＺＡＲＤ、ＷＡＮＤＳ、Ｔ-ＢＯＬＡＮに大黒摩季さん（53）と、彼がプロデュースしたグループや歌手はみんな売れていました。リスペクトしていたのでデビューが決まって、嬉しさしかなかった」</span></p>
<p>「運がよかった」と本人は謙遜するが、挨拶をするだけでも数時間待ちという超多忙なプロデューサーに食い込むため、デビュー前の１ヵ月間、池森は″運転手の助手″に従事した。</p>
<p><span class="strongInContent">「運転手の助手って何だよって話ですよね。マネジメント事務所の社長と相談して創り出した仕事なんですが、実際、とくにやることはない（笑）。助手席に座って全部の現場に付いていくだけ。でも、そばにいれば、『そろそろ何とかしてやらなきゃな』って、気にしてくれるかなと思ったんです」</span></p>
<p>’94年には「瞳そらさないで」が２作目のミリオン達成。ファーストアルバムも160万枚を超える大ヒットとなった。</p>
<p><span class="strongInContent">「この前までパーマ頭でブラックミュージックをやっていたやつがいきなりＤＥＥＮとして世に出てきて、北海道時代の知人は天地がひっくり返る感覚だったでしょうね。ただ、歌が大好きな親は素直に喜んでくれた。ヒットしたおかげで家をプレゼントできた。いい親孝行ができました」</span></p>
<p>20代で大金を手にすれば人が変わってもおかしくない。だが、デビューから30年が経った今も、池森は「あの日のまま」。謙虚な姿勢は変わらない。</p>
<p><span class="strongInContent">「もし、最初から曲作りなど全部、自分たちでやっていたら確実に天狗になっていたでしょうね（笑）。僕らはいわば″ビーイング音楽学校″で学ばせてもらったからこそ、長く続けてこられた。厳しい指導もありましたけど、だからこそ、道を誤らずに済んだ。プロデューサーに会うときはいつもピリッと背筋が伸びていました」</span></p>
<p>ヒットが続く一方で、デビューからの数年はビーイングの戦略でメディア露出を制限した。</p>
<p><span class="strongInContent">「デビューしたらテレビに出られるんだろうな、という気持ちはありました。ところが、ビーイングの教えは『絶対に調子に乗るな！　いいモノを作ることだけに専念しろ！』。著名な作家や人気ブランドを例に挙げて、『作品や商品は知っていても、作り手の顔をお前は知っているか？』と、よく言われました。そのぶん、曲作りには時間もおカネもかけていて、スタジオは使い放題。そこに籠もって毎日、デモテープを作っていました」</span></p>
<p>ＣＭとのタイアップでは、商品のイメージに合うようにデザイナーらと一緒になって一から音作りをした。</p>
<p><span class="strongInContent">「そこまでやるから、サビを聴くとＣＭの場面が目に浮かぶわけです。『″ビーイング系″と一括りにされてイヤじゃなかったか？』ってたまに聞かれますけど、逆です。むしろ誇りでした。あの制作集団にいられたからこそ、いまがある」</span></p>
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<h2>音楽＆そばでダブルミリオン</h2>
<p>ＤＥＥＮは何度かメンバーの入れ替えがあったが、池森と山根は不動だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「六本木の会議室で『初めまして』『あ、どうも』って挨拶したときのことは鮮明に覚えています。第一印象は″いいとこのおぼっちゃん″。その後、マネージャーに連れられて、雀荘に行きました。これから２人でＤＥＥＮをやっていくんだから、仲良くなりなさいってことだったんでしょうね。ただ、僕らが２人で食事したのはこの30年間で数回（笑）。電話番号は知っていても、どこに住んでいるかは知りません。でもこの距離感が良かったんだと思います。彼が学生時代からの友だちだったら、嫌なところを見たら文句の一つも言いたくなるから」</span></p>
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<p>近年、池森は芸能界随一のそば好きとしても知られている。雑誌連載や専門のYouTubeチャンネルを持つほか、自らプロデュースした乾麺そばなどの販売を行うオンラインショップに加え、昨年６月には「SOBA CAFE IKEMORI」という実店舗までオープンさせている。</p>
<p>365日、そばを食べ続けているという池森のマニアックぶりが’18年の『マツコの知らない世界』（TBS系）で紹介されるや、「そば伝道師」としてブレイクした。</p>
<p><span class="strongInContent">「番組でオススメのそばを紹介したら、それが日本中のスーパーから消えるほど売れちゃって。地味だった乾麺そばの売り上げが急増したと話題になり、お礼の手紙までいただきました」</span></p>
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<p>ＤＥＥＮが30年続いたこと、そば伝道師としてブレイクしたことは、いずれも「99.9％運です」と池森は謙遜する。</p>
<p><span class="strongInContent">「だって、そばと音楽でダブルミリオンなんて、そんな人生あります？　あと、言えるとすれば……出会いに感謝し、素直に人の話を聞いたことくらいでしょうか。そういえば、デビューから25年くらい経ったころ、お世話になった音楽プロデューサーに誘っていただいて、Ｔ-ＢＯＬＡＮのヴォーカルの森友（嵐士・57）さんと３人で食事をしたことがありました。初めての同窓会みたいで、楽しかったな。今度食事するときは、ＤＥＥＮの由来、聞いておきますね！（笑）」</span></p>
<p>屈託のない笑顔を見て、支持され続ける理由がわかった気がした。</p>
<figure id="attachment_309438" aria-describedby="caption-attachment-309438" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="11f68b39"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/cc33ad17e2f2f318c6400232671194e0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-309438" class="wp-caption-text">作曲＆キーボードの山根（左）は「面白いし大好きだけど、仕事上、新鮮な関係でいたいからプライベートはお互いノータッチ」（池森）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_309439" aria-describedby="caption-attachment-309439" style="width: 1727px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a3209485"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/DSC09281.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-309439" class="wp-caption-text">今年３月の武道館ライブで33曲を熱唱！　15周年から５年ごとに47都道府県ツアーを敢行している</figcaption></figure>
<figure id="attachment_309436" aria-describedby="caption-attachment-309436" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8181c812"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/K5R9240re.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-309436" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　「DEEN」池森秀一 「人生で大切なことは全部、″ビーイング音楽学校″で学びました」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_309435" aria-describedby="caption-attachment-309435" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4351d28d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/K5R9219re.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-309435" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　「DEEN」池森秀一 「人生で大切なことは全部、″ビーイング音楽学校″で学びました」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_309440" aria-describedby="caption-attachment-309440" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="043bd089"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/dfec8a35dce0b6eef28d27c4168005f2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-309440" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　「DEEN」池森秀一 「人生で大切なことは全部、″ビーイング音楽学校″で学びました」</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年5月12・19日号より</p>


小松寛之（1枚目）

「このまま君だけを奪い去りたい」がミリオンヒットした"ＤＥＥＮ・池森秀一"が今年でデビュー30周年を迎える！"奇跡ってあるんだな"と自身の人生を振り返る—―。音楽＆"そば"でダブルミリオンとは！？

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