『ガチ恋』されて粘着、2階の窓からよじ登ってきて…歌舞伎町住民が明かす”色恋刃傷”事件簿 | FRIDAYデジタル

『ガチ恋』されて粘着、2階の窓からよじ登ってきて…歌舞伎町住民が明かす”色恋刃傷”事件簿

現役慶應大生ライターが描くぴえんなリアル 令和5年、歌舞伎町はいま……第56回

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コロナ禍の反動か、歌舞伎町は若い男女が溢れている。今後も事件が頻発しそうだ
コロナ禍の反動か、歌舞伎町は若い男女が溢れている。今後も事件が頻発しそうだ

5月5日に起きた吉原の高級ソープ嬢が客の男に刺殺された事件が、歌舞伎町を震撼させている。犯人の男性は店から「予約できない」とされたことに恨みを募らせたと見られているが、”色恋”が犯罪に発展するケースは歌舞伎町では日常茶飯事だからだ。

「ホント、他人事じゃないですよ。密室で知らない男性と1対1になって裸になるって、フツーに考えたらメチャクチャリスクあるよなって改めて思いました」

そう語るのは、これまでいくつかの風俗店を渡り歩き、現在は歌舞伎町のソープで働くリナ(仮名・24)だ。

「風俗では、ストーカー化する客は珍しくないんです。私も以前、今とは違うソープで働いていたとき客に『ガチ恋』されて粘着されたことがあります。店に頼んで私を指名できないようにしても、偽名を使って何回も来て……」

身の危険を感じたリナは、その客にLINEで「風俗を辞める」と連絡し店を移籍。しかしその後、さらなる恐怖が待っていたという。

「移籍先の店に、突然、その客が来たんです。『毎日毎日風俗情報サイトで似ている子を探した』、『どうして風俗辞めたなんてウソついたの』、『付き合ってると思ってたのに』って迫ってきて……。辞めるつもりだったけどどうしてもお金が必要でって言い訳をして、何度も謝ってその場は何とか収まりました。あのとき少しでも対応を間違えていたら、冗談抜きで私も殺されていたかも。その後、セキュリティのしっかりした高級店に移籍して、ようやく客から粘着されることも減りましたね」

トラブルやリスクが付きまとうのは、風俗嬢だけではない。ホストやキャバクラでは、性的サービスがない分、ときに風俗以上の危険がある。歌舞伎町のホストクラブで働くハルキ(仮名・27)が言う。

「ホストは自分を切り売りして、客の女のコに好きになってもらうのが仕事ですからね。客がストーカー化して自宅を特定されるなんてことは、あるあるですよ。刺されそうになったエピソードを武勇伝として語っているような人もいっぱいいる。僕も、客とのトラブルを営業トークにしてます(笑)」

ハルキは3年前、地方のホストクラブで働いていた際に客の女性と刀傷沙汰になったという。

「いわゆるメンヘラで、独占欲が強いコでした。すぐに『死ぬ』って言って、自傷行為をしちゃうようなコで……。正直、僕もめんどくさくなって、そのコ以上にお金が使える太客ができたら切ろうかなと思っていたんです」

そんな矢先、事件は起きた。

「店が休みの日に家にいたら、『オンナといるんだろ!』とそのコから連絡が来た。無視していたら、住所を教えていないのに、家のインターフォンが鳴って。画面越しにも明らかにマトモな様子に見えなかったので居留守をしたら、マンションの裏手に回って、僕の部屋がある2階の窓までよじ登ってきたんです。しかも、石で窓を割って入ってきて……。カッターで襲ってきて、マジで刺されるところでしたよ。何とか通報して、接近禁止命令を出してもらいました」

興味深いのは、ハルキも前出のリナも、こんな恐怖体験をした後もホストや風俗で働いていることだ。

カネや欲望のために感情を売り買いする歌舞伎町では、毎夜、オトコとオンナのトラブルが起きている。

『FRIDAY』2023年6月2日号より

  • 取材・文佐々木チワワ

    ’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

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