<figure id="attachment_312832" aria-describedby="caption-attachment-312832" style="width: 1568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="35d5ac5a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1684496415434.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312832" class="wp-caption-text">IVA㈱・相原嘉夫CEO。以前はスニーカーの売買を手掛けていたという</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「製造しているのはほとんど中国。最近ではベトナムも増えています。どういうふうに税関を通過するのかはわかりませんが、コンテナで入ってくるパターンが主流です。それ以外だと少し前は日本の商品を仕入れて中国で売りさばく〝爆買い〟ツアーの参加者が手荷物として持ち込むというパターンもありました」</span></p>
<p>そう語るのは、ブランド品の真贋鑑定サービス『フェイクバスターズ』を手掛けるIVA㈱のCEO・相原嘉夫氏だ(以下、コメントはすべて相原氏)。</p>
<p>偽ブランド品といえば、かつてはバッグや時計だったが、最近ではそのフェイク市場に〝異変〟が起きているという。</p>
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<p><span class="strongInContent">「最近増えているのがスニーカーです。スニーカーの市場が１年ごとに数倍というペースで拡大していた時期に、ルイ・ヴィトンなどのフェイクを作っていた工場がスニーカーにシフトするということがけっこうあったんですよ。中には高いものもありますが、単価はバッグなどと比べると安め。そして毎週新しい商品が出るので、好きな人は何足でも買う。それで一気にフェイクが増えました」</span></p>
<p>IVAによると依頼された案件でフリマアプリに出品されたスニーカーを鑑定したところ、34％が偽物だった例があったという。『フェイクバスターズ』は&#8217;19年の立ち上げ以来累計鑑定数100万件超を数え、国内No.１のシェアを誇る。中でも難しいと言われるスニーカーの真贋判定にかけては定評があり、同社の受注の９割を占める。</p>
<p>スニーカーといえば、日本では&#8217;95年に『エアマックス』がブームとなったことを思い出す人もおおいだろう。だが、近年では人気商品には定価の30～50倍の値段がつけられ、投資の対象にもあるというまた違ったブームが世界的に起きていて、その市場規模は100億ドルに達しているとも言われている。そんな市場があれば、当然フェイクを作る者も出てくるわけだが、バッグなどと違ってスニーカーの真贋を見分けることは難しいのだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「この『エアジョーダン１』は30万円ぐらいで取引されているものなのですが、定価は２万円ぐらい。つまり商品のクオリティは２</span><span class="strongInContent">万円ぐらいということです。</span><span class="strongInContent">そして、本物も偽物も多くは中国で作られているんですが、本物は作る工場も１つだけではなく、いろんな地域に複数の場があるんです。そういった工場にもレベルの差がけっこうあって、すると本物の中でも品質のばらつきがかなり出てきたりして、中には偽物のほうが品質が良い場合も出てくるんです。それによって見分けるのが一段と難しくなる」</span></p>
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<p>フェイクバスターズでは実物を送ってもらって鑑定する方法以外にも、写真を数点送ってもらって鑑定することも可能だ。例えば契約しているリユース店に持ち込まれた商品などはその場で画像を送ってもらって判定するサービスも提供している。鑑定は鑑定士とAIがタッグを組んで行っているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「最初は優秀な鑑定士を集めて人間だけでやっていました。優秀な鑑定士にも恵まれて高い鑑定精度を実現できたおかげで世界中から鑑定を依頼されるようになったので、その膨大なデータをAIに学習させることで、AIだけで８～９割ぐらいの精度で見分けられるようになりました。しかし鑑定機関としてサービスを提供する以上は100％じゃないと意味がありません。そこで現在は鑑定士とAIで相互補完をし合ってやっている状況です。具体的にはAIが得意とするのは〝絶対に本物〟もしくは〝絶対に偽物〟だという商品を確実に見分けることなんです。商品すべてをAIに鑑定させると４～５割は〝絶対に本物〟または〝絶対に偽物〟だという結果が出ます。結果が出なかったものを鑑定チームが一から鑑定するという綿密に練られたオペレーションで優秀なサービスをお客様に提供しています」</span></p>
<p>では、偽物を見分けるにはどういうポイントを見ているのか。相原氏によると重要なポイントが４つあるという。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="偽物を見分けるポイントは……"></div>
<p><span class="strongInContent">「まず、インソールを外してソールの「裏」と「表」を見て糊の付き具合を確認します。次にインソールを取り外したあとの中底の縫い目、そしてタグ、この４ヵ所は鑑定において特に重要なポイントになります」</span></p>
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<p>実際に本物と偽物を並べて見せてもらった。インソールの糊はたしかに偽物のほうはベタベタしていて本物はサラっとしている。だが縫い目は偽物のほうがやや粗い気もするが、本物も結構不ぞろいでどっちがどっちかと言われたらわからない。ましてやタグは同じにしか見えない。相原氏によると本物について知ることよりも偽物を深く学ぶほうが重要なのだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「スニーカーの場合は先ほども言ったように、本物でも個体差があるので本物だけ見ても断定し切れないんです。しかし偽物をたくさん知ることで、偽物の特徴をピンポイントで見分けられるようになる。だからフェイクバスターズでは鑑定士１人１人が本物だけでなく偽物を研究して、それを企業全体で吸い上げてデータベース化しています。こうすれば精巧に作られた偽物でも的確に見分けられるんです」</span></p>
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<p>一般のブランド品では本物の特徴を学んで、その条件から外れたものを偽物として判定するのが一般的な手法だというから、真逆のことをやっているわけで、スニーカーの判定が難しいといわれているのも理解できる。</p>
<p>これだけモノが溢れる世の中で、本物を見極めることはますます難しくなっていく。それを見分ける技術はますます必要とされるようになるのだろう。</p>
<figure id="attachment_312833" aria-describedby="caption-attachment-312833" style="width: 1568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9a4b4f1b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1684496404884.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312833" class="wp-caption-text">サイズは違うが左が本物、右がフェイク。見ただけではほとんど見分けがつかない</figcaption></figure>
<figure id="attachment_312834" aria-describedby="caption-attachment-312834" style="width: 1568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d2f01f8e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1684496404760.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312834" class="wp-caption-text">インソールの裏側。フェイク(右)のほうがべたついているのがわかる</figcaption></figure>
<figure id="attachment_312835" aria-describedby="caption-attachment-312835" style="width: 1568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="34352cef"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1684496404790.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312835" class="wp-caption-text">インソールを外した部分の縫い目。フェイク(手前)のほうがやや粗い気がするものの、本物もバラつきがあるように思える</figcaption></figure>
<figure id="attachment_312836" aria-describedby="caption-attachment-312836" style="width: 1046px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2df360e4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1684496404833.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312836" class="wp-caption-text">タグ。手前がフェイク。これはもはや判別不能</figcaption></figure>
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小檜山毅彦

IVA㈱・相原嘉夫CEO。以前はスニーカーの売買を手掛けていたという 「製造しているのはほとんど中国。最近ではベトナムも増えています。どういうふうに税関を通過するのかはわかりませんが、コンテナで入って

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