<h2>TikTok・インスタの時代は終わった!?</h2>
「インスタは使いますよ。でも、今はやっぱり『BeReal』かなぁ。最初はマジでなにコレ？って感じでしたけど、もう周りはみんなやってますね。これ、すごく新しいSNSだと思います」
興奮気味にそう語ってくれたのは都内の某有名私大に通う現役女子大生だ。
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『BeReal（ビリール）』なるSNSが、今Z世代の間でブームになっている。
フランス人起業家、Alexis Barreyat 氏とKévin Perreau氏によって開発された『BeReal』は、‘20年にリリースされた比較的新しいSNSアプリだ。『BeReal』公式サイトでは「登録者数等の正確な数字は公開しない」と明言されているため海外の統計サイト情報となるが、’22年10月時点でダウンロード数は5300万以上とみられ、日本でもZ世代を中心に利用が広まっている。
<h2>自由じゃないという新しさ</h2>
『BeReal』には他のSNSにはない２つの特徴がある。「投稿時間の指定」と「投稿内容の限定」だ。
まず『BeReal』では、投稿時間がアプリによって指示される。いつでも好きな時間に投稿できるわけではないのだ。ユーザーはアプリから通知を受けると、そこから2分以内に写真を撮るよう指定される。この2分間という絶妙な制限時間が肝である。“映える”スポットを探したり、決めポーズを考えたりしている間に時間切れになってしまう。
そして、もう一つが投稿数の制約である。一日に投稿する（できる）のは、なんと写真一枚のみ。さらに大きなポイントなのが、加工もできない仕様になっているということだ。今の時代、大なり小なり撮った写真に手を加えてからSNSに投稿するというのはもはや当たり前になっているだけに、これはかなり挑戦的な仕様と言えるだろう。
<h2>時間指定に強制無加工…面白いのか？</h2>
気が向いたときに好きなように投稿し、毎秒のように流れてくる膨大な投稿を見て楽しむ、というのが従来のSNSだったはずだ。『BeReal』の「新しさ」は、窮屈そうな気がするが……。一体、投稿時間を「指定」され、加工もできず「映えない」写真を共有する魅力とは何なのだろうか。前述の女子大生は「むしろそれが楽しいんです」と語る。
「『BeReal』　はそもそも加工ができないからこそ、メチャクチャくだらない写真もあげられるというか。ただ家でゴロゴロしてるときとかに通知が来て、ホントにどうでもいい写真しか撮れないことも多いんですけど、むしろそういう“事故画”みたいなのをみんなで見て楽しんでます。あと、外カメと内カメがいっぺんに撮れるので、今どこで何してるっていうのが本当にリアルにわかって楽しいです」
時間指定＆加工不可という“縛り“によって、その都度本当に「リアル」な自分の姿をさらけ出すことが、今までにない楽しみ方をもたらしているというのだ。写真共有アプリとしてはインスタグラムが王道となっているが、加工もフィルターもない写真が一周回って「新しい」ものとなっているとは面白い。
ただ、さすがに全世界に公開するのはためらわれることもあるらしく、公開範囲を限定し、仲間内で共有する使い方が日本では主流のようだ。確かに、ギャラリー（範囲指定なしの全世界公開のページ）には、やはりまだ海外勢の投稿が目立つ。
<div data-friday-nextpage-lead="実際に撮ってみる"></div>
ここまで『BeReal』の新しさや若者世代での受け止めについて書いてきたが、せっかくなので本誌中年記者もアプリを使ってみた。
まず気になったのは投稿時間の指定について。一日（24時間）に一度通知が来る仕組みだが、通知を見落とすことも多いだろう。と、スマホを開いてアッと声が出た。なんと８時間前に通知が来ている。ばっちり勤務中でもちろん見る暇などなかったのだが……。
とはいえ、指定の時間を逃しても投稿ができないわけではない。アプリを開くとカメラが起動し、パシャリ。女子大生のコメントにあったように、外カメと内カメのシャッターが切られた。何の気なしに机の上を撮ったものの、悲惨な角度からの自撮りが生成されており腰を抜かしてしまう。確かに撮っている自分とその周りがいっぺんに見えるというのはなかなか新鮮だ。「（指定時間から）〇時間遅れ」という表示と共に、記者の顔写真＆乱雑な部屋の様子が投稿された。
ユーザー本人にしか見えない「メモリー」というページはカレンダーのようになっており、毎日の投稿を振り返ることができる。「あの日何してたっけ」を振り返る簡易的な日記のようにも使えそうだ。
ついこの間まで皆「映え」を競っていたと思ったら、今度は無加工・ありのままの写真がブームとは。過剰とも言える画像加工熱やそれにまつわるトラブルが少なくなかったことを思えば、若者が「リアル」を追求するのは良い流れなのかもしれない。
とは言いつつ、やはり実際に『BeReal』を楽しめるのは学生や時間場所に縛られない人に限られるだろう。
ただ、自分で頻繁に投稿はできなくとも、世界中のユーザーの写真を見ることはできる。興味のある方は、ぜひ一度『BeReal』で世界中の「リアル」をのぞいてみてはいかがだろうか。
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TikTok・インスタの時代は終わった!? 「インスタは使いますよ。でも、今はやっぱり『BeReal』かなぁ。最初はマジでなにコレ？って感じでしたけど、もう周りはみんなやってますね。これ、すごく新しい

「一日１枚だけ投稿」「加工不可」 ”自由じゃないSNS”『BeReal』にＺ世代が熱狂するワケ

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