<figure id="attachment_313775" aria-describedby="caption-attachment-313775" style="width: 970px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d0df9b8e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/5c4afa811802f8d128e60f4ef8b6aebc.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-313775" class="wp-caption-text">女性への暴行問題で書類送検された山川。不起訴になっても、このユニフォームは着られないかもしれない（写真：坂口靖子）</figcaption></figure>
３月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で日本代表だった西武・山川穂高内野手が５月23日、警視庁麻布署に強制性交容疑で書類送検された。警察は起訴を求める「厳重処分」ではなく、判断を検察に委ねる「相当処分」の意見を付けている。
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山川は昨年11月、東京・港区のホテルで、当時20代の知人女性に対して性的暴行をしたとされる。手荒く扱われた女性は出血し、山川に対して処罰感情を持ったため被害届を提出した。
一方、山川は女性と男女の関係にあったことは認めたものの、報じられている「無理矢理」という部分は強く否定。警視庁は、女性と山川の両者から任意で事情を聴くなど慎重に捜査を進めてきた。今後はまさに「合意」の有無が焦点になるものと思われるが、捜査の区切りがついた場合、山川が選手として再起を図るのであれば、どこになるのであろうか。ある西武OBはこう明かす。
「起訴されたら西武は山川を解雇するでしょうし、仮に不起訴になっても、解雇ではないかと思います。
’07年、西武はそれまでのスカウト活動中にアマチュア選手に対して不適切な金銭供与を行っていたことが発覚して、その年の高校生ドラフト上位２選手の指名権をはく奪され、制裁金（3000万円）も払った。それはドラフト会議がはじまって以来、初めてという不名誉なことだったので、それ以来、コンプライアンス違反に対して敏感に対処してきています。他球団であれば“お咎めナシ”で済むような話でも謹慎になった例があるんです」
西武で再起を図れないとなると、山川はどこに新天地を求める可能性があるのか。別の西武OBが明かす。
「台湾なら可能性があるかもしれません。日本の他の11球団は難しいでしょう。山川は確かに実績はありますけど、コンプライアンス違反に対して厳しい世の中になっているこのご時世、野球以外の私生活が乱れて警察沙汰になってしまった選手をとっていいのか、という話になる。それは独立リーグも同じです。だったら『可能性のある若い選手を育てればいいだろ』という話になる。
アメリカや韓国も考えづらいです。アメリカの場合は今季、DeNAに加入したトレバー・バウアーがドジャースに在籍していた’21年、性行為中に暴行を受けたとして女性から告発され、出場停止処分中の捜査によって、事件は証拠不十分で不起訴となった。法的に問題はなくなっても、ドジャースとの契約は解除になって、他球団も獲得しませんでした。
韓国も女性問題を起こすと社会が厳しい視線を送る。たとえば、男性が人目につくところでスマホでエッチな写真を見たとしたら、女性から軽蔑の目で見られるようなお国柄です。なので、韓国の男性は大衆の目があるところでは絶対にそういう画像は見ない。韓国も日本同様、野球が人気スポーツであるがゆえに、山川のような問題を起こした選手を受け入れることは難しいんじゃないかと考えます」
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<div data-friday-nextpage-lead="台湾には西武ファンが多いが……"></div>
<figure id="attachment_313765" aria-describedby="caption-attachment-313765" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="38524501"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/315258bf2eb2c24f234fe6f1942ef968.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-313765" class="wp-caption-text">書道８段の腕前。気持ちが後ろ向きの時は書道で自分を引き締めるという。「字は体を表す」というが、結果的に裏切ってしまった形になる今、筆をとっているのだろうか</figcaption></figure>
なぜ台湾だけは可能性が残るのか。
「まずは西武が球団として長く交流してきています。’84年のロサンゼルス五輪で台湾の銅メダル獲得に貢献した郭泰源が’85年から西武でプレーするようになってから、継続的に台湾の選手が在籍していますし、郭泰源が台湾に戻ってからも、西武OBが選手や指導者として台湾のプロ野球チームに在籍した例もある。そのうちのひとりが今、西武の現場トップを務める渡辺久信GMです。渡辺GMは選手、コーチとして３年ほど在籍し、台湾球界の発展に貢献していて“台湾通”でもあります。
また数年前まで、郭泰源が在籍していた統一ライオンズと球団として交流し、西武の試合の日に“台湾デー”などのイベントも開催され、台湾でも“日本デー”が開かれた。それほど、あの国とはパイプが太いんです」
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山川のような女性問題を起こした選手を受け入れる土壌はあるのか。台湾球団に在籍したことがある球界OBはこう明かす。
「山川が起こしたとされる女性絡みの問題とは単純比較はできませんが、ギャンブル好きな国民性につけこんだ野球賭博が何回も行われていて、そこには暴力団が絡んでいました。実際、台湾のプロ野球選手で永久追放になってしまった選手もいました。女性絡みの問題を起こす選手はいましたが、長期にわたって謹慎処分をうけた選手は私が指導していたときはいなかった。そういう意味では現在のアメリカや韓国に比べれば、まだ寛容かもしれません」
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ネット社会の台湾では、日本のプロ野球も見ることができ、日本の選手の写真やプロフィールなどが書かれた「野球カード」も売られている。日本のプロ野球界から台湾に行ったことがある選手、コーチの中には現役時代の姿が写された野球カードにサインを求められたことがある人もいる。前出の西武OBが続ける。
「台湾には日本のプロ野球にも関心がある人が多く、中でも西武ファンは多いんですよ。ただ、今回の山川の件についてはまず、検察の判断がどうなるかを見極めてからでないと次には進めないと思いますけどね」
西武との交流が深い台湾は行きやすい場所ではあるかもしれないが、ファンが多い分、検察の判断の内容によっては嫌悪感を示される可能性もある。いずれにせよ、山川は今回の一件で自分の首を絞めてしまっていることは間違いない。
<figure id="attachment_313802" aria-describedby="caption-attachment-313802" style="width: 880px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c2f7b40f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1993081100016.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-313802" class="wp-caption-text">西武で1997年まで活躍した台湾出身の郭泰源。台湾代表監督までつとめたこの人の存在が今でも続く台湾と西武との友好関係に繋がっている（写真：共同通信）</figcaption></figure>

坂口 靖子

女性への暴行問題で書類送検された山川。不起訴になっても、このユニフォームは着られないかもしれない（写真：坂口靖子） ３月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で日本代表だった西武・山川穂高内野

「あの国とは太いパイプがある」書類送検の西武・山川が国内でプレーできなくなった場合の「新天地」

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