一晩で100万円動く”スマブラ賭博”も流行…歌舞伎町で「ホス狂いギャンブラー」が急増中 | FRIDAYデジタル

一晩で100万円動く”スマブラ賭博”も流行…歌舞伎町で「ホス狂いギャンブラー」が急増中

現役慶應大生ライターが描くぴえんなリアル 令和5年、歌舞伎町はいま…… 第58回

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

ホストに大金を貢ぐ女性を「ホス狂い」と呼ぶが、彼女たちがカネを稼ぐ方法は多種多様だ。経営者や女医といったセレブがいる一方、大久保公園で立ちんぼをしてホスト通いのカネを捻出するオンナのコもいる。そんななか、最近の歌舞伎町で増え始めているのが、「ホス狂いギャンブラー」である。

ホストクラブで泥酔したのか、うずくまる若い女性。歌舞伎町ではよく見る光景だ
ホストクラブで泥酔したのか、うずくまる若い女性。歌舞伎町ではよく見る光景だ

毎月700万円ほどを売り上げる中堅ホストのシンジ(仮名・24)が言う。

「僕の姫(客の女性)にもいますよ。頑張って競馬や競艇を勉強して、結構な額を稼いでいるコ。ギャンブルで当たった月はドカンと使ってくれるのでありがたいですね」

実際、インスタグラムを覗いてみると、「ホス狂い競艇ギャンブラー」などと名乗るアカウントが情報商材を売っており、大金を稼ぎたいオンナのコにとってギャンブルが身近になっていることがわかる。シンジが続ける。

「ただやっぱり、『ホス狂いギャンブラー』のコは収入が安定していないので、あんまり売り上げの当てにしすぎるとよくないですね。風俗で稼いだお金で安定的に店に通ってくるコを確保しつつ、ギャンブラーも何人か囲っとくのが理想的なやり方だと思います」

ホス狂い女子は、いかにしてギャンブルに手を出すようになったのか。ホス狂い歴3年のミカ(仮名・22)が言う。

「きっかけは、担当(指名しているホスト)に同伴でパチンコに連れて行かれたことです。ビギナーズラックでメチャクチャ当たっちゃって。今では風俗の出勤後にパチンコに行くのが日課になっています。1日の稼ぎのだいたい半額をツッコミますね。負けたら担当には『今日あんまりお客さんつかなかった〜』って言って、勝ったらシャンパン入れてます(笑)。ただ、最近はホスト行くよりパチンコに熱中しちゃうときもあって……。『ホストに行く前にはパチンコに行かない!』って担当と約束させられました」

ギャンブル熱が高まっている歌舞伎町。近頃は、こんな変わったギャンブルも流行しているという。ホストのユウ(仮名・26)が語る。

「『スマブラ賭博』がメッチャブームですね。1勝負1万〜3万円とかで何十回もやるので、一晩で100万円以上負ける人もザラですよ」

『スマブラ』とは、任天堂の人気ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ』のことである。自分の好きなキャラを操り、対戦相手を場外に弾き飛ばすゲームだ。ユウが続ける。

「ホスト同士でやることもあるし、ホス狂いのオンナのコと対戦することもある。自分が貢いだカネでゲームに熱中するホストを見てるとき、オンナのコはどんな気持ちなんだろうって疑問に思うこともあります(笑)」

「ホス狂いギャンブラー」のなかには、興味のないホストからギャンブルでカネを巻き上げ、それを自分の担当につぎ込むツワモノもいる。

「ポーカーとか麻雀でホストをカモにしてます。そういう知的ゲームはちゃんと勉強すれば、弱いホストにならだいたい勝てるんで。で、勝ったお金をお気に入りのホストに貢いでる(笑)。たまに油断して、メッチャ強いホストに麻雀で巻き上げられて、消費者金融に駆け込んだこともありますけど」(ホス狂いのクミ)

ホストとギャンブルに共通しているのは、中毒性が高いということだ。どちらにもハマり、身を滅ぼす女性は今後ますます増えそうだ。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

『FRIDAY』2023年6月16・23日号より

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事