「オリラジ」中田敦彦の〝噛みつき〟に、松本人志の「冷静リアクション」が業界に与えた〝安堵感〟

もっかお笑い界で大きな話題となっているのが、『オリエンタルラジオ』中田敦彦が『ダウンタウン』松本人志に噛みついた件だろう。

中田は５月29日に自身のユーチューブチャンネルで『松本人志氏への提言』と題した動画を投稿。Ｍ―１グランプリやキングオブコント、ＩＰＰＯＮグランプリなどで審査員を務める松本の〝功罪〟を検証し、ついには

「審査員やりすぎでないか？」

と言ってのけ、別の芸人へのバトンタッチを要求した。

日本のお笑い界は吉本興業が絶対王者として君臨。その頂点にいる松本に対する意見に業界は大いにピリついた。

「中田さんの動画がアップされるや、若手芸人の間で瞬く間に拡散され、皆、口々に『これはヤバイよ』『ひと波乱あるよー』などとＬＩＮＥを交換していました」（お笑い関係者）

相方の藤森慎吾も自身の動画で「夜に先輩方から連絡が来た」とした上で

「あっちゃん、やってくれたな！」

と嘆いている。そんな中田に、いの一番に噛みついたのは『霜降り明星』のせいやだった。中田が動画で唐突に

「これ見てる粗品くん、どう思う」

と名前を出したことでスイッチオン。自身のツイッターで

《真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつが相方の名前使うな　中田》

と怒りをあらわにした。前出のお笑い関係者は

「せいやさんは直情的な性格。松本さんの批評動画で相方の名前を出され、いても立ってもいられなかったのでしょう」

と語る。

テレビ業界も震撼した。ダウンタウンは表向き、コワモテの浜田雅功と冷めた松本人志という立ち位置に見えるが、実際、いろいろな意味で〝怖い〟のは松本の方。’20年には不倫騒動渦中の『アンジャッシュ』渡部建を大みそかの日本テレビ系『笑ってはいけない』シリーズに出演させようとしたところ、一部女性週刊誌がそれをスッパ抜き。それが響いて、せっかく収録した渡部のシーンはお蔵入りとなった。

「結果的に渡部さんをさらに窮地に追いやることになってしまった。この時の松本さんの〝ピリつき〟度合は近年にはないレベルでした。その年の『笑ってはいけない』は放送されましたが、翌年からの放送は休止に。業界では渡部さんの一件で日テレが松本さんの怒りを買ったとウワサされています」（テレビ局関係者）

そうした〝怖さ〟があるだけに、中田の動画で松本が気分を害し「審査員の全降板」を言い出しかねないと恐れていた。

しかし、松本は中田の名前こそ出さなかったが、ツイッターで

《テレビとかＹｏｕ Ｔｕｂｅとか関係なく２人だけで話せばいいじゃん　連絡待ってる！》

と投稿。自らこの話題に触れたことで、周囲の緊迫度は一気に下がった。

その後はひろゆきやホリエモン、茂木健一郎氏といった〝いつもの集団〟がこの件に触れ、松本と親交のある東野幸治やほんこん、他事務所では『ナイツ』やビートきよし、『キングコング』西野亮廣も「松本VS中田」に持論を展開している。

「なんとなくエンタメになってきたのは良かった。吉本関係者は大ごとにならず、ホッと胸をなで下ろしていますよ。もちろん、テレビ界を含め、芸能界全体も安堵している。

ただ、中田さんに関しては吉本芸人の出演番組に呼ばれることは当分ないでしょうね。まぁ、中田さんは痛くもかゆくもないでしょうが……」（同・テレビ局関係者）

中田は〝松本人志１強〟のお笑い界に一石を投じたつもりのようだが、現状は投げた石をみんなで転がしあって遊んでいるイメージだ。業界関係者が

「これで何かが変わることはない」

と断言するように、ただの再生回数稼ぎで終わってしまいそうだ――。