資産70億円に受講料280万円の大学講義…元日産会長ゴーン被告「レバノンでの優雅すぎる」逃亡生活
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(69、会社法違反などで起訴)がレバノンへ逃亡した際、手助けしたとされるパイロット3人が無罪判決を受けていたことが明らかになった。『ロイター通信』が5月30日に報じた。
「ゴーン被告は保釈中の’19年12月、関西空港からトルコを経由してレバノンへ逃亡しました。その際に使用したトルコ民間航空会社のプライベートジェットのパイロットなど3人が禁固4年2ヵ月の実刑判決を受けたのですが、4月の控訴審判決で無罪になったのです。3人はゴーン被告を乗せることを知らなかったと主張していたこともあり、情状酌量されたものとみられます」(全国紙社会部記者)
ゴーン被告は現在もレバノンにいる。その生活は優雅極まりないようだ。知人が近況を語る。
「ゴーン被告は’21年から毎年春先に、名門ホーリースピリット大学でビジネスマンを対象にした特別講義を開いています。受講料は2万ドル(約280万円)という超高額です。しかしゴーン被告の人脈で集めた世界の自動車企業の元CEOなどが講師陣に名前を連ねているため、一部のエグゼクティブに人気です。今年は16ヵ国から受講者が集まり、5月に卒業式を行いました」
マンション購入に使われた日産資産18億円
日産とルノーのCEOを務めた経験をもとに、実業家としての野望も捨てていないようだ。
「ベイルートから北へ50kmほどの場所に、ゴーン被告が別荘を持つリゾート地ファラヤ市があります。先日ゴーン被告は同市市長と市議会に呼ばれ、観光ケーブルカー計画について盛んにアドバイスをしていました。
同じ時期にレバノンを訪問していたイランの外相に面談したいと知人を通じて申し込んだようですが、こちらは断られたようです。イランでは電気自動車工場が立ち上がっていて、自分もビジネスに関与したいと考えたのかもしれません」(同知人)
レバノンの経済危機が続くなか、資産70億円とも言われるゴーン被告はベイルートの超高級マンションで贅沢な生活を送っている。
「日産時代に海外子会社を通じてフランス、ブラジル、レバノンに高級住宅の提供を受けていたことが明らかになっています。ベイルートの中心地にある高級マンションの購入には、約18億円にのぼる日産の資金が使われたそうです。
ゴーン被告は『日産の退職後に自分の所有物になる契約を交わしている』として、立ち退きを拒否し今でも住み続けている。ここ以外にもあちこちに別荘を持っています」(同)
ゴーン被告は国際刑事警察機構を通じて日本とフランスから国際逮捕状が出され、現在も捜査が続く。フランス司法当局は、今年5月に資金洗浄など汚職事件に関与したとしてレバノン中央銀行総裁を国際手配するなど、カネの不正に対して強い姿勢で臨んでいる。身柄の引き渡しに応じていないレバノン政府次第では、ゴーン被告の突然の逮捕の可能性もあるのだ。事態は予断を許さない。
- 取材・文:桐島 瞬
- PHOTO:結束武郎
ジャーナリスト