<figure id="attachment_316657" aria-describedby="caption-attachment-316657" style="width: 449px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c26bbf35"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/0a449a582736dd39fadb209fa8e3c0ea.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316657" class="wp-caption-text">初めて会ったのはＥ氏（右）が23歳のときだった</figcaption></figure>
Ｗｉｎｋの『愛が止まらない』や『淋しい熱帯魚』、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌『残酷な天使のテーゼ』などのヒット曲で知られる人気作詞家・及川眠子氏（63）。
&#8217;16年に彼女が元夫との13年間に及ぶ結婚生活を綴った『破婚』（新潮社）を上梓するや、大きな反響を呼んだ。元夫のＥ氏が18歳下のトルコ人であることもさることながら、Ｅ氏との命を削らんばかりの大恋愛、Ｅ氏のおねだりやトラブル解決、トラベル事業などへの投資に及川氏の資産３億円が消え、最終的には７０００万円の借金を背負うまでの顛末が赤裸々に綴られていたからだ。
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Ｅ氏とは&#8217;14年末に離婚が成立。及川氏は「破滅まであと一歩」だったと著書で振り返ったが、出版を受けてのインタビューで「刺激的で面白い時間をカネで買っただけ」などと笑い飛ばし、売れっ子作詞家の懐の深さをうかがわせた。
彼女に不安があるとすれば、同書の序章〈天使が去ったあと〉で触れているように「彼がボロボロになって縋（すが）ってきた」場合だろう。『破婚』出版から７年、巨額の及川マネーをせしめたＥ氏のトラベル事業は成功したのか、ふたりの巨額金銭トラブルはどう決着したのか。
その「回答」は意外な人物から寄せられた。及川氏の元夫・Ｅ氏である。
「&#8217;15年、彼女は私に支払ったと主張するお金（及川氏が投資した３億円）の返済を求める裁判をトルコで提起しました。私が彼女の支援を受けて始めたトラベル事業が立ち行かなくなったのが原因です。イスタンブールで購入した自宅とオフィス、カッパドキアのホテル（開業前のリフォーム中）を売却し、融資の返済やスタッフの給料、税金の支払いに充てましたが、全額は返金できていないというのが現状です。裁判の進捗に関しては、いま私はトルコにいないので、はっきりとはわかりません」
離婚後すぐに及川氏が元夫を提訴し、二人は係争中だというのだ。しかも、Ｅ氏は訴訟がらみで「故郷のトルコを出ざるを得なくなった」と言う。
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『破婚』のテンションそのままのダイナミックな展開に記者が閉口していると、Ｅ氏はこうまくしたてた。
「離婚後、トルコで友達が経営するトラベル会社の手伝いをしていましたが、裁判が始まって精神的・金銭的に追い込まれて、兄が暮らしていたカンボジアへ居を移すことになりました。現在、兄と農園でバナナやカシューナッツなどを栽培して生計を立てています。カンボジアの平均日給は５ドルほど。日本とトルコを行き来しながら、及川さんとトラベル事業をしていたころと比べたら……」
<div data-friday-nextpage-lead="「私たちにとって子供のような存在」"></div>
――及川氏に訴えられて、どう思いましたか？
「ある時点まで私は及川さんを愛していました。彼女が私ではなく周りの人（経営コンサルタントや弁護士、トラベル会社の日本人スタッフなど）を信じてしまったのが悲しかった。私たちが設立した会社は二人にとっての子供のような存在でしたから……。
私はトラベル事業にベストを尽くしていました。当時、イスタンブールマラソンのツアーの権利は私たちの会社が持っていましたし、カッパドキアのホテルは開業に向けてリフォームが８５％終わっていた。及川さんが“３億円の融資をした（貢いだ）”と自著やメディアで話していますが、金額に関しては自分はよく把握していないというのが正直なところ。私はビジネスでおカネが必要になれば、その都度、彼女に相談して融資を受けていたし、おカネの流れもすべて報告していました。納得して融資してくれていると思っていたのになぜ？　という気持ちです」
<figure id="attachment_317470" aria-describedby="caption-attachment-317470" style="width: 591px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="92addd5f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/5e92e95ed825d3fe2901fce253198afd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317470" class="wp-caption-text">いつも真っ直ぐに見て「愛している」と囁き、一緒に歩くときは必ず手を繫ぐ。Ｅ氏の情熱に一時は満たされた</figcaption></figure>
聞き捨てならなかったのが、「及川さんが不倫をした。それが離婚の原因だった」との言葉だった。
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――『破婚』には、&#8217;14年の時点でＥさんが実家近くに住む10歳下のクルド人と交際していた、と書かれていましたが。
「及川さんが不倫をしたのはもっと前、&#8217;10年ごろです。目黒にあった私たちの家で開催したホームパーティーにアクション俳優のＳが来ていたのですが、及川さんが『彼を女装させたい』と言い出して、二人で別の部屋へ行った。女性ものの服を着替えさせたり、メイクをしていると思っていたのですが、なかなか戻って来ない。様子を見に行ったら……。とても混乱して家を出て、バーでお酒をあおりました。それから３日間くらい家に帰らなかった。
離婚は私からお願いしました。及川さんの浮気で大変ショックを受けて、妻としては信用できなくなってしまったからです。ただ、仕事のパートナーとしては信頼していました。ところが、そのうち仕事に関しても疑念を抱くようになりました。及川さんはいつも“お金がない”と言いつつ、ゴールドを買っていたんです。たしかに彼女から融資を受けていましたが、私は彼女のおカネを使い込んだわけではありません。それはさきほど説明したとおりです。
及川さんと離婚した後にトルコ人のドクターと知り合い、&#8217;15年に結婚しました。ただ、結局、私にドクターへの愛がなかった。及川さんを遠ざけたいがために結婚したから……その女性とは&#8217;18年に離婚しました」
最後にＥ氏は及川氏との思い出を口にした。
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「2000年、トルコへ旅行に来ていた及川さんと私は、兄が営むキリム（絨毯）屋で出会いました。最初に会ったときは、彼女には彼氏がいたようです。当時、日本語は全くできませんでしたが、それでも“面白い人だなぁ”と好印象を持ちました。及川さんと交際・結婚していた１３年は、とても幸せな時もありましたし、彼女を愛していました。私は私生活においても、仕事においても、彼女に尽くしたと思います。
エヴァの作詞家であることは結婚した３年後に知りました。彼女は“作詞家”と教えてくれていましたが、当時、全く日本語がわからなかったので私が勘違いしていたのです。“サクシカ”に似た発音の食べ物がトルコにあるので、それが好きなのかと思っていたぐらいです。
初めて“愛している”と日本で言われたときは嬉しかった。結婚を反対していた及川さんのお母さんに『結婚させてください』と言ったら、及川さんが『彼を愛している』と言ってくれて……あの瞬間は生涯、忘れることはありません」
<div data-friday-nextpage-lead="及川氏「Ｅとは一切連絡を取っていない」"></div>
もう一方の当事者、及川氏に事実確認を求めると、顧問弁護士、経営コンサルタント同席のもと、取材に応じた。
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ーートルコでＥ氏を相手どって訴訟を提起したのは事実ですか。Ｅ氏を訴えた目的は何なのでしょうか。
「Ｅは私の承諾なしには売ってはいけない家を勝手に売却していたのです。加えて多額の使途不明金があった。『裁判費用が必要』『新しい事業を始めたい』『車を買いたい』などとＥに要求されて、帳簿に残っているだけでも３億円あまりをトルコに送金しているのですが、何に使ったかわからないおカネがたくさんある。裁判では勝手に売った家そのものもしくは売却益の返金と、使途不明金を何に使ったのかの説明および証明を求めています」
裁判はトルコの弁護士に委託しているという。「売ってはいけない家」とは著書に出てくる「&#8217;03年にイスタンブールで買った家」かと問うと、及川氏は「そうです」と認めた。出版した&#8217;16年時点で「返却を要求する裁判を、現在トルコで行っている」と書かれていたが、７年近く経ったいまも係争中なのだという。
「なぜ裁判が長引いているかというと、（被告の）Ｅがトルコにいないからです。トラブルでいられなくなったと（人づてに）聞いていますが、Ｅとは一切連絡を取っていないので……」
ーーＥ氏は「ビジネスで必要なおカネがあれば、彼女に相談して融資を受けていたし、お金の流れも報告していた。彼女も納得してくれていたのに、なぜ？　という気持ち」と言っていました。
「それは向こうの言い分ですよね？　こちらは帳簿をもとに使途不明金があると指摘しているんです」
<figure id="attachment_317517" aria-describedby="caption-attachment-317517" style="width: 176px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c00bc8d3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/c61c7acc8c56691967e1f5b1414be066.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317517" class="wp-caption-text">Ｅ氏提供の「建設中のカッパドキアのホテル」とされる写真</figcaption></figure>
――Ｅ氏は「及川さんは『おカネがない』と言いながらゴールドを買っていたことで不信感が募った」とも主張していました。
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「もうね、見せますけどね、私、ゴールドなんて持っていないですよ。ちっちゃなものしか持ってない（笑）。トルコの旅行業って、カード決済が多いんです。会社でカードを作れませんから、私は自分個人のカードを何枚も持っていた。で、そのカードを使ってホテルの代金とかガイドの報酬を払うんです。
いまもできるのかどうかはわからないですが、当時はゴールド屋や宝石屋に行って、たとえば300万円分の何かを買ったことにして、手数料を払えば現金化できたんです。それをＥが私のカードを使ってやっていました。私のカードで現金化するわけですから、明細上では私がゴールドを買ったことになる。それをバカだからウチの元ダン（笑）、私がゴールドを買ったと思いこんでるんです。
彼の中では、全部、私が悪いことになっているみたい。離婚したのも、会社がなくなったのも。『あなたのせい！』って。男女の関係、夫婦の関係で、どんな場合でも１００対０はないんです。で、感情の行き違いもあるんです。でも、彼は感情論だけを出してくるんです。私は、その感情とは別に、『こんな証拠がありますよ、これもありますよ』って、『お金の流れはこうですよ』っていうことを説明できる」
<div data-friday-nextpage-lead="またカネを引っ張ろうと……"></div>
<figure id="attachment_317547" aria-describedby="caption-attachment-317547" style="width: 572px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="83469a32"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/d9874a49693588fd4d7155c62a48b416.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317547" class="wp-caption-text">３億円超の大金を投じた背景には「いつかＥがビジネスが成功して回収できるかもしれない」という期待もあったという</figcaption></figure>
ーーＥ氏は離婚を考えるようになった原因として、ゴールドの件に加えて「及川さんが浮気をしていたところを見たことで不信感が募った」と主張していました。
「あるわけないじゃないの。その証拠、持ってこいよ（笑）」
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ーー『破婚』に「別に愛してもいなかった若い男を利用して、（浮気の）既成事実を彼に突きつければ、別れてくれるんじゃないかと思った」との記述がありました。それを指しているのかもしれませんが、Ｅ氏は自身が&#8217;10年ごろにホームパーティーで及川さんの“浮気の現場”を目撃し、ショックで３日間、家を出たと言っていました。
「私が若い男とキスしているのを見たってやつでしょ？　あのね、この業界にいたら、そんなもん大したことじゃないです（笑）。そのＳという男ともパーティ以来、会ってないです。それにあの日、Ｅは帰ってきましたよ、たしか」
『破婚』が出版された後、Ｅ氏は「ウソばかり書かれている」と激高。「名誉毀損で訴える」と息巻いたが、結局、訴訟は提起されなかったという。
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「名誉毀損では勝てないと思ったんでしょうね。その後、財産分与に切り替えて訴えてきましたが、結局それもＥは取り下げました。いまになって、ツテを頼ってＥがＦＲＩＤＡＹさんに接触してきたのは、なんとか私と直接、話をしたかったからではないか。離婚直前から一切、話をしていませんから。直接、話すことさえできれば、私を口説き落としてまたカネを引っ張れると思っているのでしょう。彼は思い違いをしているようですが、私にとって彼との結婚はもう終わったこと。すでに興味はないし、日々忘れています」
人気作詞家が直面した国際結婚トラブルと巨額詐欺疑惑。&#8217;15年から始まった裁判は遅々として進まず終わりが見えなくなっているが、及川氏はすでに前を向いている。せめてこの経験が次なる創作に繋がることを願ってやまない。

作詞家・及川眠子が18歳下のトルコ人の元夫との結婚生活を綴った『破婚』。3億円もの資産が溶けたとあって大変な反響があった。二人のダイナミックな人生には続きがあった。

エヴァ作詞家・及川眠子の3億円を溶かした元夫が「トルコに住めなくなっていた！」

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