<figure id="attachment_316888" aria-describedby="caption-attachment-316888" style="width: 3491px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d48c2d13"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/1e19fe87ee6327b9d848172a5d63ef47.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316888" class="wp-caption-text">警察庁が作成した報告書の表紙</figcaption></figure>
<p>岸田文雄首相の襲撃事件から約１ヵ月半後、警察庁が「ある書類」を関係各位に配布した。<span class="strongInContent">「4月15日に和歌山市内において実施された内閣総理大臣警護に関わる警備上の課題と更なる警護の強化のための取り組みについて」</span>と銘打たれた35枚にも及ぶ書類は、雑賀崎漁港（和歌山）において応援演説を予定していた岸田総理が襲撃されるという衝撃的な事件を総括するものでもあった。</p>
<p>安倍晋三元首相の襲撃から1年足らずのテロ未遂を受けて、警察庁は今後の課題と取り組みを含めたこの報告書を作成したのである。</p>
<p><span class="strongInContent">「警察庁は報告書内で、和歌山県警との連携不足や演説場所の事前調査で不備があったことを認め、観衆に手荷物検査や金属探知機での検査を実施する必要性があった、と分析しています。警備や職務質問の専門家を養成・配備するなどの対応策にも触れられています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">ただ、その一方で『警察単体で対応できるフェーズではなくなっているのではないか』という声も警察庁内にはあります。今後は、各県警や自民党県連などとのさらなる密な連携、民間警備会社への委託、外部からの専門家の登用も求められていくのではないでしょうか」（全国紙警察庁担当記者）</span></p>
<figure id="attachment_317137" aria-describedby="caption-attachment-317137" style="width: 8256px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ad5dea9f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/e179935318d85a14f8e14e50faa8b78b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317137" class="wp-caption-text">作成された報告書は全35ページにわたる</figcaption></figure>
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<p>同書に目を通すと、<span class="strongInContent">事前に行われた下見の中身や防弾用の資材の設置を実施していたこと、総理とのグータッチなどの接触への対応、マスコミ各社が演説場所について事前に報道していたか否か、容疑者の侵入方法</span>を含めたかなり細かい警備状況が記されている。</p>
<p>総理に容疑者が接近していく様子の描写がメートル単位で続き、筒状の物体（爆発物）が投擲（とうてき）された3秒後に警備員が「退避」と叫んで自らの身体を盾に総理と爆発物を遮って筒状の物体を蹴飛ばす動き、2回目の犯行に漁業関係者が気づいて制止するまでの様子などが実に克明に描かれているのだ。</p>
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<p>そのうえで報告書は、<span class="strongInContent">聴衆エリアから容疑者の存在および投擲しようとする行為に気づけた警備員はいなかった点を踏まえ、当該物体の投擲を阻止することは困難であったと認められる</span>、としている。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="警備の“穴”は必ず出てくるとの声も…"></div>
<figure id="attachment_316892" aria-describedby="caption-attachment-316892" style="width: 3000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6b4e8b97"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/9732cc97d7e916109dba54bc9572ac21.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316892" class="wp-caption-text">岸田首相は“暗殺未遂”が行われた後も遊説を続けた</figcaption></figure>
<p>安倍元首相襲撃事件では奈良県警の失態が大きく取り沙汰されたが、今回の事件ではSP達の迅速かつ適切な行動が称賛を集めた。もちろん、SP個々人の判断力も大きかったが、元首相が凶弾に斃（たお）れるという重大事件を受けて30年ぶりに「新警護要則」が改訂された効果が感じられた。この報告書によれば、岸田首相の演説に際し、和歌山県警は念入りに警備計画を練り、そこに警察庁も関わっていたのだ。<span class="strongInContent">だからこそ、首相は無事で済んだのだが、裏を返せばそれでも爆発物の投擲は防げなかった。</span></p>
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<figure id="attachment_316891" aria-describedby="caption-attachment-316891" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0352f509"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/dba225a29223ec3f8aa442b69512d4db.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316891" class="wp-caption-text">取り押さえられる木村隆二容疑者</figcaption></figure>
<p>永田町ではこんな声も上がっている。自民党の中堅議員がこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「早ければ秋、来年には行われるであろう解散・総選挙において、警備上の不安はないのか、考えてしまいます。総理であれば強固な警備体制が敷かれますが、大臣クラスや各党の大物も全国行脚するなかで、その全てに同等の警備を行うことは実質不可能でしょう。どれだけ綿密に警備計画を詰めたところで、必ず“穴”は出てくる。もはや民間などの力も借りなければ選挙活動における、安全の担保がとれない時代になってきているとも感じますね」</span></p>
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<p>要人警護、警備体制の抜本的強化はもはや、待ったなしなのである。</p>


アフロ（3枚目）共同通信（4枚目）

安倍晋三元首相の銃撃事件からわずか1年、警護が強化されていたにもかかわらず、次は現役の首相を襲撃する事件が起きてしまった。警察庁が作成した報告書から浮かび上がったのは、警護の厳しい現状だった。

【岸田首相暗殺未遂】ザル警備を批判された警察庁「全35ページ報告書」の中身

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