<figure id="attachment_318738" aria-describedby="caption-attachment-318738" style="width: 4747px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3a342b59"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/5fd467df834674584f5cde0a3a2fafc5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318738" class="wp-caption-text">取材に答える虫眼鏡さん</figcaption></figure>
「３年以上、個人チャンネルでラジオを続けていますが、古いお便りを振り返るのは恥ずかしかったです。始めたころは26歳ですから、今の僕と同じことを言っているのか、恐る恐る原稿をチェックしました」
こう語るのは、愛知県岡崎市を拠点に活動するユーチューバー・東海オンエアのメンバー、虫眼鏡さん（30）だ。チャンネル登録者数約690万人、今年10周年を迎える人気グループで活動しつつ、「虫眼鏡の放送部」という個人チャンネルも運営中。毎週月曜と木曜に、リスナーからのお便りに答えるラジオを配信している。
６月２日には、このラジオの内容をまとめた書籍『東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本・極 虫眼鏡の放送部エディション』が刊行された。本の制作の舞台裏と、東海オンエアの今後を聞いた。
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「偉そうにインタビューしてもらっているんですけど、今回の本はわりと僕の手がかかっていないんです。言葉を喋ったのは僕ですけど、半分は視聴者の方からいただいたお便りです。それに僕が『これを採用してほしいんだよね』と選んじゃうと、自分が気持ちよく答えられたものばかり選んじゃう気がして、第三者である編集さんに選んでもらいました」
「虫眼鏡の放送部」の最初の動画が投稿されたのは、’18年９月23日だった。虫眼鏡さんは、過去のお便りを覚えているのか。
「読み返すと内容を思い出すんですけど、それに対する自分の答えが面白かったですね。たとえば『彼氏が飲酒運転したことがきっかけで別れてしまった』という内容のお便りでは、『飲酒運転はダメだよ』だけじゃなくて『それでも彼氏を好きでいる選択肢もある』というところまで踏み込んでいる。今の僕なら世論を気にして丸いことを言いそうなんですけど、昔の自分はちゃんと向き合っているなと思いましたね。
真剣なお便りが来るのは、僕のチャンネルの難しいところでもあります。別に僕はお悩みを聞く専門家になりたいわけじゃない。面白い動画を作れればいいので、軽いお便りだけ読んでいてもいいんです。それでも『マジで人生かけています』くらいのお便りを送ってくれる人もいるんですよね」
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そもそも個人チャンネルとしてラジオを始めたのは、「リスナーからメールが来れば、毎日何を録るかを考えなくてもいい」という不純な動機もあったという。ただ、頭の片隅には中高時代、勉強中に聴いていた「SCHOOL　OF　LOCK！」（TOKYO　FM）の存在もあった。「やましげ校長」が時に泣きそうになりながら生徒と向き合う姿が、虫眼鏡さんの心の中に残っていたという。
本に掲載されたものだけでも「プロポーズの準備をしていた彼がリストラされました」「好きなものを否定する父親をなんとかしたい」といった切実な悩みが寄せられている。いったいなぜ、リスナーから真剣なお悩み相談が集まるようになったのだろうか。
<div data-friday-nextpage-lead="悩みが集まるようになったワケとは…？"></div>
<figure id="attachment_318740" aria-describedby="caption-attachment-318740" style="width: 5064px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5c10ad09"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/9a4b8c1f37b33153da98fb4d6d208d49.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318740" class="wp-caption-text">「『都合のいいことを言って、好感度を上げたい』とは考えていません」</figcaption></figure>
「僕は一個の問いに対して10分喋ったりするんですけど、第三者にそれだけ相談できるところってあんまり無いんじゃないかな、と思うんです。友達なら１時間でも２時間でも聞いてくれるかもしれないけど、あくまで自分の味方だから客観的な意見は得られない。『全然関係ない虫さん』だから言えることもあるし、電波で流れているラジオと違って時間の制限もあまりない。そうした相談に乗ってほしい人が送ってきてくれているのかな。
僕は重い質問に答える時でも、『都合のいいことを言って、好感度を上げたい』とは考えていません。時には『あなたが悪いよ』『あなたがこうすべきなんじゃない？』という厳しいことも言う。ただ、ラジオで何度も言っていますが『人にはヒトの乳酸菌』（注：人が10人いたら10通りの考えがある、という意味）という言葉も大事にしています。僕は心理学者でもなんでもなくただの30代の人間なので、虫眼鏡の価値を感じすぎないでほしい。僕の意見を生かすも殺すもご自由に、というスタンスです」
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悩みと向き合い、答えを出す。４年以上、これを繰り返しているうちに、虫眼鏡さん自身にも変化があったという。
「『自分のこの考え凄くない？気づかんかったでしょ』というエゴがなくなってきたように感じます。お便りを書いて送った時点で自分が何に悩んでいるかが分かっているから、悩みの７～８割は解決しているんですよ。だからいまは、お便りの最後にある『虫眼鏡さんだったらどうしますか？』という質問だけに答えるようにしているんです。余計なことを言わないようになったのは成長だと思います」
ちなみに「読んでもらいやすいメール」のポイントは、お便りのなかに「私の意見は〇〇です」という内容が入っているものだという。エピソードの面白さだけでなく、自分の考えまで書いてあると、虫眼鏡さんも喋りやすいのだとか。リスナーの皆さんもぜひ試してほしい。
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数々のお便りに答えてきた虫眼鏡さん。ところがご自身は、悩みこんだり、人に悩みを相談することがほとんどない性格だという。教員を辞めて、ユーチューバーとして生きていく決断をした時も即決だった。
「もちろん教員を辞めたくはなかったですけど、むしろ二足の草鞋を履いていて気持ち悪かった時に『いいんですか、一足脱いで』という気持ちでした。子ども時代に大病したことや、親との不和もありましたが、本当に悩みこんじゃったことは実はなかった。
でもリスナーの皆さんの話を聞くと、自分とは比べ物にならないくらいキツい体験をされている人もいる。それと比べると、僕の過去の体験なんて大したことありません。なんなら他人の相談に乗ることで、自分の嫌だった思い出を小さくしてもらっているのかもしれません」
<div data-friday-nextpage-lead="東海オンエアはどこへ向かうのか"></div>
<figure id="attachment_318741" aria-describedby="caption-attachment-318741" style="width: 3456px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ca725cdc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/6d92c124ea26eecf01ef103734d06c0b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318741" class="wp-caption-text">10周年を迎えるグループについても語った</figcaption></figure>
東海オンエアも、’23年10月に結成から10年を迎える。グループはこれからどこに向かっていくのか、という不安はないのだろうか。
「月に２回、２週間おきにネタ会議をやっていますが、最近はバディさんの提案も採用されるようになってきています。10年間やってきて慣れもでてきているし、過去の自分も超えないといけないので、たしかにハードルは上がっています。
この先もしかすると、メンバーそれぞれが『俺は違う国で暮らしたい』『ガンプラを作って悠々自適に過ごしたい』と言って、YouTubeを離れる日が来るかもしれません。それでも、東海オンエアという肩書きは残っていれば嬉しいと思っています。とはいえ現実的に考えると、まだまだYouTubeを続けるんじゃないのかな。いつ楽しくなくなる日が来るのか、想像がつかない。『寝たら即帰宅の旅』なんかは、苦痛だから辞めたいんですが（笑）」
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そして虫眼鏡さん自身も’23年４月に結婚を発表、人生の大きな変化を経験した。
「結婚をしたことで子どもを作るとか、家を建てるとか、新しくやれることが増えた感じがします。まずは他のメンバーが家を建てるのを見てから、いいとこ取りした自宅にしたいですね。
家族という存在についても、これから知っていく部分が大きいと思っています。僕自身が実家と不仲だったこともあって、家族の温かさを知らない部分がある。一方、妻の家族はすごく仲が良くて、僕のことも『家族の一員だから』と受け入れてくれているんです」
ラジオでも何度か触れられているが、虫眼鏡さんは「人より多くのことを体験して死にたい」ということを人生のテーマとして掲げてきた。この考えは、どこから生まれてきたのか。
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「大仰な話をすると、僕は小学６年生の時に一回、病気で死にそうになっているので、その時に『死ななかったんだ、僕』と感じた人生の延長にいるんですよ。明日、再発しました、病院から出られませんと言われても、『ウソ？なんで？』とは言わない。きっと『やっぱりね』と言うと思うんです。
いつ死ぬか分からないということを他人よりリアルに体感したからこそ、死ぬ時に後悔しても遅いんだよなという気持ちがほんのちょっと他の人より強いのかな。だから前倒しで、元気なうちに食べたいものを食べて、いろんなことをやって、楽しい時間をちょっとでも多く過ごしたいなと思いますね」
本を出す、というのも他の人には経験できないことの一つかもしれない。『東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本・極 虫眼鏡の放送部エディション』の発売で「東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本」シリーズはこれで５冊目、累計16万部を突破している。
部員の皆さんはもちろん、東海オンエアが好きな人はぜひ、手に取って虫眼鏡さんが51通のお便りにどんな回答をしているかを見てみてほしい。そして今度は自分の悩みを、虫眼鏡さんに送ってみてほしい。それだけで、人生が少し楽になるかもしれない。
<figure id="attachment_318742" aria-describedby="caption-attachment-318742" style="width: 3456px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="44deae75"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/3f8941f6c2e5b1d84a85d1173063ec64.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318742" class="wp-caption-text">10周年を迎える東海オンエア・虫眼鏡が明かす「放送部の裏側」「グループの今後」「結婚と家族」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_318743" aria-describedby="caption-attachment-318743" style="width: 5184px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e5a7d204"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/ca230127de152c07d1d31ea0431d63b2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318743" class="wp-caption-text">10周年を迎える東海オンエア・虫眼鏡が明かす「放送部の裏側」「グループの今後」「結婚と家族」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_318745" aria-describedby="caption-attachment-318745" style="width: 3400px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="fdef485c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/1cdc149284147a7c21d4d3fcc1ae0a7f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318745" class="wp-caption-text">10周年を迎える東海オンエア・虫眼鏡が明かす「放送部の裏側」「グループの今後」「結婚と家族」</figcaption></figure>

濱﨑慎治

取材に答える虫眼鏡さん 「３年以上、個人チャンネルでラジオを続けていますが、古いお便りを振り返るのは恥ずかしかったです。始めたころは26歳ですから、今の僕と同じことを言っているのか、恐る恐る原稿をチェ

10周年を迎える東海オンエア・虫眼鏡が明かす「放送部の裏側」「グループの今後」「結婚と家族」

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