<p>大相撲史上初となる3人同時の大関昇進があるかもしれない――。</p>
<p>関脇の豊昇龍（24）、大栄翔（29）、若元春（29）の3力士が、直近の2場所連続で2桁勝利を挙げたことで、7月9日から開幕する名古屋場所は3人にとって<span class="strongInContent">「大関取りの場所になる」</span>と佐渡ヶ嶽審判部長が明言した。</p>
<figure id="attachment_319873" aria-describedby="caption-attachment-319873" style="width: 3059px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="388992e1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/538828167e00547c733d619d28b42844.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-319873" class="wp-caption-text">人気力士の一人として、協会の期待を背負う若元春</figcaption></figure>
<p>大関昇進の条件として、メディアで「3場所33勝」というフレーズが度々報じられている。だが、実はこの「条件」、明文化されていないのをご存知だろうか。全国紙運動部の記者が打ち明ける。</p>
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<p><span class="strongInContent">「基本的には、『関脇で連続3場所の好成績を残して安定した力を評価されると、番付編成会議に大関への推挙が諮られる』とされています。三役の地位で3場所連続で好成績を残せば、勝ち数に限らず昇進が決まるのです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">実際に昭和50年までは、3場所30勝以下で大関に昇進した力士も少なくありません。そのうち、28勝の初代若乃花と北の富士、29勝の3代目朝潮は横綱まで上り詰めています。昭和50年以降も増位山、琴風、大乃国が31勝で大関に昇進するなど、大関昇進は柔軟性をもって行われていた。早期での大関昇進は、力士として脂の乗り切った時期を綱取りに使えるため、力士にとってのメリットも少なくないのです」</span></p>
<figure id="attachment_319875" aria-describedby="caption-attachment-319875" style="width: 2432px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="af4ebddf"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/b55145511cf61992450f2c4140978b38.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-319875" class="wp-caption-text">輪島と共に「輪湖時代」を築いた元横綱・北の湖</figcaption></figure>
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<p>だが、平成に入るとなぜか大関への昇進は厳しくなっていく。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="昇進基準が「厳格化」のナゾ"></div>
<p><span class="strongInContent">「一度も優勝しないまま横綱になり、失踪事件を起こして昭和62年に廃業した双羽黒の存在が遠因となった、といわれています。双羽黒の失踪事件によってまず、綱取りが厳しくなりました。そしてそれに歩調を合わせるかのように大関昇進も厳しくなり、『3場所33勝』と協会関係者もメディアも盛んに口にするようになったのです」（前出・運動部記者）</span></p>
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<p>「3場所33勝」もあくまで”目安”と言われているので、必ずしも33勝しなければ昇進ができないわけではない。平成では千代大海、稀勢の里、豪栄道、令和に入ってからは朝乃山、正代の5人が3場所32勝で昇進している。</p>
<figure id="attachment_319883" aria-describedby="caption-attachment-319883" style="width: 4589px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="96b0b466"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/b67b75b37b640edfbdd1e5f125673b93.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-319883" class="wp-caption-text">土俵入りする、大関時代の稀勢の里</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「『3場所33勝』をクリアすれば文句なしで昇進となるでしょう。でも、32勝止まりでも、十分に可能性は残される。ここ2場所で豊昇龍と若元春は21勝、大栄翔は22勝を挙げていて、豊昇龍と若元春は11勝で、大栄翔は10勝で32勝に到達します」（前出・運動部記者）</span></p>
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<p>史上初の3人同時昇進となれば、相撲界にとって明るい話題となる。名古屋場所で3人が安定した力を見せることができれば、協会は必ずしも「3場所33勝」にこだわらず、大関昇進を判断してもいいのではないか――。</p>


アフロ

大関昇進には「3場所33勝」が必要…。相撲界での暗黙のルールとして語られているが、これは明文化されていない。いったいなぜこの言葉が広く浸透することとなったのか？

「３場所33勝ルール」は存在しない！大関昇進の基準が「超厳格化」のナゾを解き明かす

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