制限されてきた激しいツッコミや「罰ゲーム」令和のバラエティに求められるクレーム&炎上をかわす工夫 | FRIDAYデジタル
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制限されてきた激しいツッコミや「罰ゲーム」令和のバラエティに求められるクレーム&炎上をかわす工夫

スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」

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視聴率がV字回復した『新しいカギ』を『霜降り明星』、『ハナコ』とともに引っ張る、『チョコレートプラネット』の長田庄平(左)と松尾駿
視聴率がV字回復した『新しいカギ』を『霜降り明星』、『ハナコ』とともに引っ張る、『チョコレートプラネット』の長田庄平(左)と松尾駿

6月8日と15日の夜に放送された『良い子はマネしないでねバラエティ 特殊な訓練受けてますので!』(TBS系)の″挑戦″がテレビ業界で話題沸騰中だ。

「『にゃんこスター』のスーパー3助(40)が身体を極限まで冷やしてサーモグラフィに映らない男になる――など、企画が尖っていたのです。″特殊な訓練を受けた芸人たちが、テレビに出たいから自ら考案した企画に挑戦する″と謳(うた)うことで、クレームをかわすという斬新さ。コンプライアンスの強化で激しいツッコミや身体を張った罰ゲームが制限されるなど、苦しんでいたバラエティ業界の希望の光となりそうです」(制作会社ディレクター)

SNSで誰もが意見を発信できる時代になり、少しでも視聴者に不快感を与える可能性のある演出は炎上リスクを考えて避けられてきた。

「ただ、罰ゲームがバラエティから消えたわけではありません。『新しいカギ』(フジテレビ系)の人気企画『学校かくれんぼ』は、制限時間内に生徒に見つかった芸人は全校生徒に写真を撮られる――という罰ゲームを採用しています。参加した生徒たちは人気芸人の写真が好きなだけ撮れるので、いい思い出になる。視聴者からのクレームも一切ありません。それどころか『学校かくれんぼ』のおかげで視聴率がV字回復。一時は打ち切り説も浮上していた番組を救いました」(キー局プロデューサー)

クレームや炎上をかわす工夫は他のバラエティにも散見される。

「『ゴッドタン』(テレビ東京系)の『第2の松丸オーディション』もそうですね。体当たり企画も厭わない松丸友紀アナのようになりたい! という女性タレントが″変なおじさん″を全力でやる――というコンセプトは『特殊な訓練受けてますので!』と同じ。″タレント本人が率先してやっている″という見せ方なので、恥ずかしい企画も堂々とやらせることができる。参加者が嫌がっているのにやらせたらパワハラになりますから」(前出・制作会社ディレクター)

6月18日放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ系)では、松本人志(59)の踏み込んだ発言が絶賛された。警察沙汰になったこともある『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の過激な企画に対し、「炎上するなら、したらいいんじゃない?」というスタンスでいることを明かしたのだ。

「『ダウンタウン』ほどの大御所がそこまで覚悟を持って番組をやっていて、かつ率先して″炎上上等″発言をしてくれたことに、バラエティ番組の制作スタッフたちも喝采を送っていましたね。MCをやっている大物芸人のなかには、スポンサーの顔色ばかりうかがって、炎上に怯えている人が少なくないですから(苦笑)」(前出・キー局プロデューサー)

もちろん、本人が率先してやっていても「NG」な演出もある。

「Z世代はルッキズムやLGBTQについて教育を受けているので、見た目や性的指向をイジっても単純にウケません。誰がやるのか、も大事。痛みを伴うようなロケはクズ芸人じゃないと笑ってもらえない」(放送作家)

炎上を恐れない覚悟と工夫、そのバランスが令和のバラエティには不可欠だ。

『FRIDAY』2023年7月14・21日合併号

  • PHOTO足立百合

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