<h3>和歌山の片田舎から爆誕した「アウトドアスパイス」は偶然の産物だった！？ </h3>
キャンプ愛好家を中心に火が付き、今や爆発的な人気を誇る「アウトドアスパイス ほりにし」。３万本売れたら大ヒットといわれるスパイス業界で、累計430万本も売り上げているらしい。なぜこんなにウケるのか。ほりにしの発売元、和歌山県のアウトドアショップ「Orange」の親会社社長に、「ほりにしの謎」を聞いてみた。
<figure id="attachment_324193" aria-describedby="caption-attachment-324193" style="width: 737px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="61009f2a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/6aac970ab75cf4746b1c3c5aac954504.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324193" class="wp-caption-text">ずらりと並んだラインアップ。肉はもちろん、油と相性がいいのでカルパッチョなども美味。今年の秋にはマヨネーズと合体させた「ホリネーズ」も発売予定</figcaption></figure>
<h3>５年の歳月…サンプル品70種類以上、テイスティング130回以上！</h3>
味を知らなければ話はできない。というわけで、まずは何本かシリーズで出ているうちのスタンダードを購入。枝豆を炒め、ほりにしをかけてみたら…。確かにおいしい。ほのかなニンニク風味と適度な塩加減。そして和洋中、どれにもすんなり属してくれそうな万能感…。 
「キャンプに行ったり山に登る時に調味料をいっぱい持っていくのが煩わしいので、オールインワンの商品ができないかと。そんな構想から５年の歳月をかけて作り上げた商品になります。 
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サンプル品だけでも70種類以上作り、テイスティングテストも130回以上はしました」（「ミモナ」社長・池田道夫さん／以下同） 
原材料は21種類。塩だけでも３種類というこだわりようで、中でも「ミルポアパウダー」なるものが、味の決め手となっているらしい。
とにかく肉、魚、野菜、何にでも合う。ふりかけとしてもイケる。これを、言ってしまえば単なるキャンプ好きの素人集団が作り出したというのが恐ろしい。
<figure id="attachment_324194" aria-describedby="caption-attachment-324194" style="width: 5324px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8dc17be2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/ab6e654f47927a1b8869b73da6fcbe54.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324194" class="wp-caption-text">「アウトドアスパイス ほりにし」は、ここ和歌山県のアウトドアショップ「Orange」で誕生</figcaption></figure>
<figure id="attachment_324195" aria-describedby="caption-attachment-324195" style="width: 5568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="781cffae"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/6484ddf01aed300b20b116bbcafa4406.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324195" class="wp-caption-text">「総勢30名ぐらいがアナログ式に足し算みたいな形で…」</figcaption></figure>
20種類でほぼ味が完成していたところに「和歌山でOrangeならみかんだよね」と最後に陳皮を足したら味がぐっと引き締まったというのも、素人ならではのビギナーズラックか。
「Orangeのスタッフと僕の会社の社員、総勢30名ぐらいがアナログ式に足し算みたいな形で“じゃあ次はこれを足して、それを引いて”と試行錯誤して作り上げました。 
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和歌山のかつらぎ町、町民が１万6000人しかいてない片田舎が生んだ奇跡のスパイス、偶然の産物ぐらいでもいいと思うんです、僕からしたら。 
ほんま素人が素人なりにみんなで一生懸命ディスカッションして完成させたので、こんなん２回目また作れと言われてもなかなか難しいです」 
その話、やけに説得力がある。そして気になる「ほりにし」という商品名は、当時Orangeで店長をしていた開発の中心人物、堀西さんからとったとのこと。
<figure id="attachment_324196" aria-describedby="caption-attachment-324196" style="width: 3199px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6a703056"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/12b11cbb992c84e7656de231ea215c16.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324196" class="wp-caption-text">「開発の中心人物は堀西（写真右）と僕（同中）、もうひとり山本（同左）っていてるんですけど、この３人です」と池田道夫さん</figcaption></figure>
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<h3>「ほりにし」を作ってるお店がOrangeって言われるようになっちゃって（笑）</h3>
「僕、元々サーフショップしてたんですけど、堀西は高校生ぐらいの時からうちに来てたんです。 
ほりにしが売れたことでカリスマ的になっちゃったけど、ほわっとした優しい子でね。今は出世してマネージャーになってます。開発の中心人物は堀西と僕、もうひとり山本っていてるんですけど、この３人です。 
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そもそもは割烹風の名前にしたいというのがあって、名前決める時に“ほりにし いけだ やまもと”にそれぞれハッシュタグつけて検索してみたら、&#8221;＃いけだ&#8221;も&#8221;＃やまもと&#8221;も何千と出てくるのに、&#8221;＃ほりにし&#8221;は２件しか出てこなかった（笑）。 
堀西は人柄がむちゃくちゃいいので、あいつの人柄も一緒に売っていきたいという気持ちもあって“ほりにし”に決めました」
発売してみると、まずは口コミで人気に火がついた。和歌山の片田舎のアウトドアショップでしか手に入らないらしいという噂もまた、購買意欲をそそった。
「最初に “アウトドアスパイス”という商標登録を取りました。それによってアウトドアスパイスコーナーができて、いろんな競売商品もどんどん出てきて。でも、そのいちばん上座にはほりにしが鎮座している、みたいなイメージだったんです。 
お店以外で最初に商品を置いたのは、アウトドアには全く関係ないような洋服のセレクトショップ。しっかり尖ったところから下に落としていき、１年後には高級スーパーまたは高品質スーパーなど、主にハイエンドのアッパー層が行くようなスーパーへと、間口を広げていきました。 
僕が言うのもおこがましいですが、Orangeは業界ではある程度の認知度があるショップだと思います。だからブランディングができたんですけど、昔はOrangeが出したほりにしだったのに、今は逆に、ほりにしを作ってるお店がOrangeって言われるようになっちゃって（笑）」
<figure id="attachment_324198" aria-describedby="caption-attachment-324198" style="width: 1071px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7d3159f3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/fe68680308e7abede0255f89f3425d69.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324198" class="wp-caption-text">サーフショップをやっていた’01年頃の池田さんと娘さん</figcaption></figure>
<h3>ほりにしで地方を元気に！ 実はかなり壮大なプロジェクト「ご当地ほりにし」 </h3>
でも、それでもいいのだと池田さんは言う。
やりたかったのは地方再生。和歌山県かつらぎ町という小さな町からヒット商品が出せて、地域活性化に貢献できたという自負がある。
そんな池田さんが今、力を入れているのは“ご当地ほりにし”という企画。地域を象徴するラベルデザインを施した、その場所に行かないと手に入れることができない地域限定のほりにしだ。
「何にでも合うというほりにしの特色を活かし、郷土料理や地域の名産品などの掘り起こしができたらと。 
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暗いイメージになっちゃっていたものを、今バズってるほりにしを使ってニュー郷土料理を開発してもらう。それを甲子園みたいにして競い合っても面白いと思うんです」
ほりにしで日本を元気にし、街おこしにつなげたい。地方の人間がよその地方を元気にするような、そんな流れになれたら、と池田さんは夢を描く。小さなスパイスが起こしたビッグウェーブ、これはちょっと応援したくなるかも。
<figure id="attachment_324201" aria-describedby="caption-attachment-324201" style="width: 1200px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ba9fae96"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/51494b66b20eaec11fe501f5bdf797f4-2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324201" class="wp-caption-text">その場所に行かないと手に入れることができない地域限定のほりにし</figcaption></figure>
<figure id="attachment_324202" aria-describedby="caption-attachment-324202" style="width: 2701px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6532faee"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/9bc8803844d460ccdea84e105f2fe74a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324202" class="wp-caption-text">社長おすすめの食べ方は、TKGに追いほりにし。「シンプルな料理によく合いますよ」</figcaption></figure>
池田道夫　&#8217;71年、和歌山県かつらぎ町生まれ。町内でサーフショップを開業後、&#8217;06年にアウトドア・スポーツ用品の小売・卸売業「ミモナ」を創業した。&#8217;14年から「Orangeアウトドアショップ」を展開。&#8217;19年に販売を開始した万能スパイス「アウトドアスパイス　ほりにし」が大ヒットし、累計430万本以上を売り上げた。
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<a href="https://horinishi.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■アウトドアスパイス「ほりにし」の公式HPはコチラ</a>
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井出千昌

キャンプ愛好家を中心に火が付き、今や爆発的な人気を誇る「アウトドアスパイス ほりにし」。３万本売れたら大ヒットといわれるスパイス業界で、累計430万本も売り上げているらしい。なぜこんなにウケるのか。

累計430万本売れた奇跡のスパイス「ほりにし」…生みの親に聞く「ここまで売れた訳」

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