バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版

島 右近

<figure id="attachment_324984" aria-describedby="caption-attachment-324984" style="width: 1962px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2d7a5a99"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/3a9fdd8036911dc92eabcd5060acda23.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-324984" class="wp-caption-text">共演者の藤崎ゆみあ（左・15）、當真あみ（右・16）と談笑する芦田愛菜</figcaption></figure>
女優の松岡茉優が主演するドラマ『最高の教師 １年後、私は生徒に◼された』（日本テレビ系）が回を追うごとに大きな注目を集めている。
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今作は’19年に放送されたドラマ『３年A組—今から皆さんは、人質です―』（日本テレビ系）のスタッフが再集結。卒業式の日に生徒に突き落とされた高校教師・九条里奈（松岡）が１年前にタイムリープ。自分を殺す「30人の容疑者」を前に覚悟を決め、３年D組の生徒と本気で向き合っていく学園ドラマである。
「今作でも子役で一世を風靡した芦田愛菜や加藤清史郎をはじめ、公開中の宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』で主人公を演じる山時聡真や長澤まさみ主演映画『MOTHER マザー』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した奥平大兼。
今年〝若手女優の登竜門〟と言われる結婚情報誌『ゼクシィ』のCMガールに選ばれた茅島みずき、大河ドラマ『どうする家康』（NHK）で徳川家康の長女・亀姫役を射止めた當真あみ、そして『水曜日のカンパネラ』の２代目ボーカルに選ばれた詩羽、さらに窪塚洋介の息子・窪塚愛流などネクストブレイク俳優が勢ぞろいしています」（ワイドショー関係者）
そんな中、初回から圧巻のパフォーマンスを見せたのが鵜久森叶を演じる芦田愛菜だ。
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いじめが原因で鵜久森がやがて不登校になり、命を落とすことを知っている九条（松岡）は、鵜久森を救うために教室にカメラを仕掛け、いじめの証拠を押さえると〝学級裁判〟が行われている教室へ乗り込む。
そこでいじめについて、みんなの前で話すように鵜久森を諭す九条。いじめを受けた経緯や悔しさ、悲しさをおよそ６分間にわたって涙ながらに訴える場面は、初回からネット民の心を鷲掴み。さらに第３話、クラスの女子２人に「友達になりたい」と自分の気持ちを伝え、相手と心を通わせていく場面にもネット民は心揺さぶられている。
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「芦田の〝泣きの演技〟は、以前から絶品と言われてきました。去年、放送されたスペシャルドラマ『エンディングカット』（NHK）では、納棺前の故人の髪をセットする〝エンディングカット〟の仕事をする父・和俊（佐藤隆太）の姿を通して、人の死と向き合いながら成長する女子高生・結を演じました。
クライマックスでは母・七海（広末涼子）の死を受け入れられず、子供のように泣いていた結が母との別れを受け止め静かに涙を流す。あの場面には心奪われました。〝泣きの演技〟だけではなく、心の葛藤を眼差しや佇まいで表現する芦田の演技力は、もはや女優として貫禄充分です」（制作会社プロデューサー）
そんな芦田の女優としての原点といえば、何と言っても’10年に放送されたドラマ『Mother』（日本テレビ系）ではないか。
このドラマは、北海道で小学校の担任をすることになった奈緒（松雪泰子）が、教え子の怜南（芦田）が親に虐待されていることを知り、親になる決意を固め、怜南を誘拐して東京に向かうといったショッキングなストーリー。オーディション当時、まだ５歳だった芦田を見た脚本家の坂元裕二は
「怜南役はこの子しかいない」
と思ったと言われている。この作品で芦田は、『第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞』新人賞をはじめ、数々の賞を受賞。まさに天才子役・芦田愛菜の衝撃のデビュー作となった。
「自分の出演した作品は恥ずかしくて観ないという芦田ですが、今作だけは『最初から連続で一気に全部観たいと思う作品』と話しています。さらに観直してみて、電話で『もう一回、誘拐して』と奈緒に呟くシーンに目が止まり、『自然と涙が流れてきた』『その夜は眠れなくなった』と告白しています」（前出・プロデューサー）
５歳の時に坂元裕二脚本のドラマ『Mother』と出会った芦田愛菜。自身も
「もしこの作品をやっていなかったら、また違う芦田愛菜になっていたかもしれない」
と話している。
７年ぶりに民放の連ドラ『最高の教師』に出演している芦田愛菜にとって、今作は本格女優への第一歩。今作が『Mother』を超える作品になることを期待したい――。

バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

島右近（放送作家・映像プロデューサー）

近藤 裕介

5歳のときにドラマ『MOTHER マザー』に出演し、「天才子役」の名を欲しいままにした芦田愛菜。そんな彼女もいまや大学生になり、話題のドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に◼された』に出演し…

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