ホストたちが熱狂する歌舞伎町の”夏フェス”の裏で…女性客が「イベント後が一番ダルい」意外な理由 | FRIDAYデジタル

ホストたちが熱狂する歌舞伎町の”夏フェス”の裏で…女性客が「イベント後が一番ダルい」意外な理由

現役慶應大生ライターが描くぴえんなリアル 令和5年、歌舞伎町はいま……第65回

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『シンスユー』グループのフェスには400名が集結。上位ランカーたちは中央に立つ
『シンスユー』グループのフェスには400名が集結。上位ランカーたちは中央に立つ

連日35℃以上の酷暑が続く中、巷(ちまた)は4年ぶりのノーマスクでの夏フェスに沸いている。先日も、苗場スキー場(新潟県)で日本最大級の野外音楽フェス『フジロックフェスティバル』が開催。ロックファンが苗場に集まる一方、歌舞伎町でも「夏フェス」が開催されている。

歌舞伎町のホストクラブでは毎年年末の恒例行事として、年間ナンバー入賞者を称える「年間表彰式」が行われている。その前哨戦として6月までの上半期の売り上げ・指名本数を表彰するのが、ホストたちの「夏フェス」である。

シンジ(仮名・21)も、フェスに参加したホストのうちの一人だ。

「”ホストの祭典”って感じで、表彰式よりはお祭り感が強いです。普段はめったにお目にかかれない売れっ子ホストを生で見られるチャンスなので、ホストたちのモチベーションに直結しますね」

キャストたちの士気を上げるべく、「夏フェス」には多額の予算が割かれる。歌舞伎町に10店舗以上を構える大手『KG-PRODUCE』は、600人いるキャストのうち売り上げ上位150名が参加できる船上パーティーを開催。

都内に17店舗を構える『シンスユー』グループの夏フェスでは、スペシャルゲストとして元『K-1』選手の安保瑠輝也(あんぽるきあ)(27)が登場。彼に弟子入りした格闘家志望のホストと安保との殴り合いがエキシビションとして披露された。

男らがバイブスを高める中、彼らに貢(みつ)ぐ女たちの表情は芳(かんば)しくない。

「フェス後のホストが一番ダルいですよ」

そう話すのはホス狂いのアミカ(仮名・24)だ。

「私の担当ホストはあまり売れていないのですが、夏フェスの熱にすぐ浮かされる。『俺も壇上に上がる』『表彰される!』『ウン千万稼ぎたい』って熱弁しています。そう言うわりには、私に何かしてくれたりはしない(笑)。店の中でさえ、いつも下から数えたほうが早いんですよ。そんな彼が好きな私も私なんですけど」

ホストたちが輝く舞台。その立て役者ともいわれるべきカネを使った姫たちは不満を溜めているようである。

「普段は会わない酒グセの悪い先輩とか、悪い噂を聞くホストと仲良くならないか心配ですよ」(同前)

夏フェスは、昼間から店が開く夜7時前までの時間で開催される。フェス自体は早い時間に終わるため、その後は飲みに行ったり、キャバクラへ行くのがホスト同士のお決まりの流れだ。

「風俗で待機している最中に、SNSでフェスの様子を見るのはけっこうメンタルに来ます……。フェス後に連絡が遅くなったり、SNSの更新がなかったりすると『お前のために私はこんな汚いところで働いてるのに、その私を無視して楽しそうですね!』って思う。ホストを表彰するなら、彼らにお金を使った私たちも表彰されていいですよね」(同前)

フェスでは、個人だけでなく店ごとの売り上げも発表されるという。

「うちのグループは店舗同士のプライドバトルっていうイベントを行い、『あの店にだけは負けない!』と闘争心を煽(あお)っています。店の中だけだと争いがマンネリ化するので、こうした戦いの舞台を用意して、彼らのモチベーションも上がるわけです」(『シンスユー』本部社員)

店舗代表者がリングに上がり、マイクで啖呵(たんか)を切る。自らの店の看板を掲げてホストたちが代表者を応援するサマはまさに文化祭だ。

女が夢見る恋路のその裏では、男たちの夏の陣が繰り広げられている。

『FRIDAY』2023年8月18・25日合併号より

  • 取材・文佐々木チワワ

    ’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

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