<h3><span class="strongInContent">NISA</span><span class="strongInContent">は「ネット証券」一択！</span></h3>
<p>’24年１月から新NISA（ニーサ）がスタートする。現行NISAと比べて、投資金額の増額や非課税期間の無期限化など、従来のメリットがいちだんと拡充される。このタイミングで、既存のNISA口座の変更を考えている人も多いはず。但し、口座変更には注意が必要だ。10月になる前に手続きをすると、現在のNISA口座での年内の投資ができなくなるケースがあるからだ。あらためて、口座変更のルールをチェックしておこう。</p>
<figure id="attachment_326374" aria-describedby="caption-attachment-326374" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="49371714"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/480f09cce60eb682970168a6c798a767.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326374" class="wp-caption-text">既存のNISA口座の変更を考えている人で、「投資継続中」の場合は10～12月の変更がベスト！ その訳は…</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">NISA</span><span class="strongInContent">口座の43</span><span class="strongInContent">％が「休眠口座」！</span></h3>
<p>NISAの正式名称は「少額投資非課税制度」。通常、株式や投資信託で得られた利益には約20％の税金がかかる。だが、NISA口座で投資すると税金はゼロ（非課税）。非常に大きなメリットがある制度となっている。その証拠に、スタートして９年間で約1800万口座が開設された。国の制度としては、珍しく大ヒットを記録したといえるだろう。</p>
<p>しかし、金融庁の『NISA口座の利用状況調査』をみると、稼働していない〝休眠口座〟も多いことに気付く。<span class="strongInContent">’</span><span class="strongInContent">22</span><span class="strongInContent">年中に一度も買付けがなかったNISA</span><span class="strongInContent">口座は774</span><span class="strongInContent">万件。全体の43</span><span class="strongInContent">％に上る。</span></p>
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<p>休眠口座が多い理由としてよく聞くのは、<span class="strongInContent">「口座開設をした金融機関で投資したい金融商品がなかった」</span>というものだ。投資信託に積立投資する「<span class="strongInContent">つみたて</span><span class="strongInContent">NISA</span><span class="strongInContent">」の場合、投資対象となる投資信託は、ネット証券では200</span><span class="strongInContent">本近いが、メガバンクや大手証券では10</span><span class="strongInContent">本前後</span>のところもある。また、そもそも、<span class="strongInContent">銀行の「一般</span><span class="strongInContent">NISA</span><span class="strongInContent">」では株式投資ができない</span>。</p>
<p>NISA口座がある金融機関は変更が可能だが、手続きは面倒で、ルールも複雑になっている。変更をしようとした人で、手続きやルールをみたけどよく分からないからやめた、という人は少なくないだろう。しかし、冒頭で述べたように、来年からの新NISAは使い勝手が格段に良くなり、勤労世帯の資産運用のツールとしては不可欠ともいえる制度になる。休眠口座にしておくにはもったいない。そこで、NISA口座の金融機関の変更ルールについて、改めて確認しておこう。</p>
<figure id="attachment_326375" aria-describedby="caption-attachment-326375" style="width: 1519px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1eaa0e06"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/b8ed1796b4f87c92efb772ba30d3b585.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326375" class="wp-caption-text">現行NISA未利用者に、新NISAを始めるとしたら、どの金融機関を選択するかを尋ねたところ「地元の銀行」21％、「メガバンク」17％という結果に…（NTTデータエービック’23年2月の調査より）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">９月までは手続きも複雑…「投資継続中」の人は10～12月の変更がベスト</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p><span class="strongInContent">NISA</span><span class="strongInContent">口座の変更手続きは、証券会社によって手続き方法や説明に使う言葉が微妙に違っており、非常に分かりにくい。</span>誤解を生む最大の要因は、<span class="strongInContent">「金融機関を変更するためには、『勘定廃止通知書』または『非課税口座廃止通知書』が必要」</span>と説明している点だ。どの証券会社や銀行のサイトを見ても、このように表記されている。</p>
<p><span class="strongInContent">まず、現在のNISA口座がある金融機関から勘定廃止通知書をもらうためには、『金融商品取引業者等変更届出書』を現在の金融機関に提出しなければならない。だが、’23年1月以降、一度でもNISA口座で取引をしていると、9月末までは『金融商品取引業者等変更届出書』を受理してもらえない。金融機関によっては、書類の申請すらできないようになっている。</span></p>
<p>そこで、<span class="strongInContent">次に非課税口座廃止通知書をもらうために、非課税口座廃止届出書を提出すると、これは現在のNISA口座を廃止する手続きになってしまう。NISA口座を廃止するためには、口座にある金融商品をすべて売却するか、課税口座である特定口座or一般口座に移行する必要がある。しかも、’23年に取引がある人は、廃止してしまった後、今年はNISAで投資ができない。さらに、「つみたてNISA」をしていた人なら、最長20年間の非課税保有期間も放棄してしまうことになる。</span></p>
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<p><span class="strongInContent">こうした事態を防止するためには、10月以降に手続きをすればよい。</span>10月から12月までは、翌年の変更手続きに切り替わるからだ。10月に「金融商品取引業者等変更届出書」を受理されても、12月までは既存の口座で投資が続けられ、’24年１月からは変更後の口座で取引ができる。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="変更手続きを忘れると…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">変更手続きを忘れると2024年も現在の口座を使うことに</span></h3>
<p>但し、うっかり<span class="strongInContent">年内に手続きすることを忘れ、’24年1月に、積立投資の継続など、現在のNISA口座で取引をしてしまうと、’24年もずっとそのNISA口座を使う破目になる</span>。<span class="strongInContent">そこであわてて変更をしようとすると、廃止の手続きとなってしまい、それ以降はNISAの投資枠を失い、新しい金融機関のNISA口座が使えるのは’25年から、という事態になってしまう。</span></p>
<p>なぜ、こんなことが起きるのかというと、NISA口座の変更手続きは1年単位となっているから。現在NISA口座で投資をしていて、年内はそのまま継続し、’24年から新しい金融機関のNISA口座を使いたいという人は、<span class="strongInContent">今年の10～12月に、金融商品取引業者等変更届出書による手続き</span>をすることを強くオススメする。</p>
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<p>なお、一連の変更手続きが完了するまでには、２週間から３週間程度かかると考えておいた方が無難。また、<span class="strongInContent">金融機関を変更した後も、現在のNISA口座は引き続き残ることになる。現在のNISA口座から、新しい金融機関のNISA口座に金融商品を移すことはできない点には注意したい。</span></p>
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<h4><span class="strongInContent">■2024年１月１日以降の新NISA概要</span></h4>
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<figure id="attachment_326376" aria-describedby="caption-attachment-326376" style="width: 774px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0309747c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/60bc6d99e23f2bde2961566b60c9f57c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326376" class="wp-caption-text">出典：金融庁HP.令和５年度与党税制改正大綱を基に、レオス・キャピタルワークス作成</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">「休眠口座」の人は早ければ早い方が良い</span></h3>
<p><span class="strongInContent">口座を持っているけど’23年は何もしていないという、休眠している人なら話は簡単。</span>基本的には、いつ変更手続きをしても大した不都合は起きない。但し、’23年には何もしていないけれど、口座には金融商品が残っているという人は、非課税口座廃止届出書で廃止の手続きをすると、売却か課税口座への移行となる。</p>
<p>休眠口座の人が、９月末までに変更手続きをすれば、９月あるいは10月から変更後のNISA口座で投資を始められる。年内は残り３～４ヵ月となるが、一般NISAなら120万円の年間投資上限額まで投資は可能だ。</p>
<p><span class="strongInContent">資産運用は、運用期間が長期間になればなるほど、利益を得る可能性は高くなるので、できれば９月までに手続きをして、年内に投資を始めることをオススメする。</span></p>
<p>繰り返しになるが、10月に入ってから変更手続きをすると、年内の投資はできない。’24年１月の新NISAスタートと同時に、新しいNISA口座で始めることになる。そして、もし年内の変更手続きを忘れて、’24年になってから手続きをした場合でも、既存のNISA口座で何も取引していなければ、変更後のNISA口座ですぐに投資することができる。</p>
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<h3><span class="strongInContent">休眠中と思っていたら取引していたというケースも</span></h3>
<p>休眠口座の人で注意すべきは、休眠になっていないケースがあること。<span class="strongInContent">９月末までに変更手続きをして、新しい</span><span class="strongInContent">NISA</span><span class="strongInContent">口座ですぐに投資ができるのは、変更前の口座で今年１月から取引をしていないことが条件となる。取引には、株式や投資信託の購入だけでなく、売却も含まれる。</span></p>
<p>また、これはレアケースとなるが、’22年までに分配金が出るタイプの投資信託を購入した人で、分配金を自動で再投資するように設定している場合、分配金の再投資が取引に該当してしまう。休眠していたと思ったら、実際はそうなっていなかったことになる。これまでにNISA口座で一度も取引をしたことがない、という人なら問題ないが、<span class="strongInContent">投資信託を買ったことがある人は、「取引報告書」などで確認をしておきたい。</span></p>
<h3><span class="strongInContent">年途中で「つみたてNISA」を始めて上限枠をフルに使う裏ワザ</span></h3>
<p>最後にちょっとした裏ワザを１つ。休眠口座の人が９月末までに変更手続きをした場合、年内の残り期間で、一般NISAなら120万円の投資上限額をフルに使うことが可能と述べたが、実は、つみたてNISAでも年間の投資上限額を目いっぱい使うことができる。</p>
<p>現行のつみたてNISAは、年間投資上限額は40万円なので、ひと月の積立上限額は３万3333円（40万円÷12ヵ月）。したがって、通常、９月から始めると３万3333円×４ヵ月分しか投資はできない。だが、楽天証券やSBI証券、マネックス証券などの「ボーナス月設定」（あるいはボーナス設定）を使うと、指定した月の積立額を増額できるのだ。</p>
<p>仮に10月と11月をボーナス設定月に指定し、積立額を16万6665円（３万3333円×５ヵ月分）に増額すると、年間投資上限額40万円を使い切ることができる。ただ、「ボーナス設定」がある金融機関は限られているし、積立投資ではなくなるので、積極的にオススメするわけではない。あくまで、投資枠を使い切りたいという人向けだ。</p>
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<p>なお、<span class="strongInContent">NISA口座を開設する際の金融機関選び</span>については、『「V＋Tポイント」統合の先に透ける「新NISA」顧客獲得の皮算用…新NISA開始までやるべきこと』で解説しているので、興味のある方は参考にしていただきたい。</p>
<p><a href="https://friday.kodansha.co.jp/article/319141" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><span class="strongInContent">■『「V</span><span class="strongInContent">＋T</span><span class="strongInContent">ポイント」統合の先に透ける「新NISA</span><span class="strongInContent">」顧客獲得の皮算用…新NISA</span><span class="strongInContent">開始までやるべきこと』</span>はコチラ</a></p>
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マネーライター、ファイナンシャルプランナー／証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる！ キャッシュレス決済で絶対得する本 』。

松岡賢治

NISAは「ネット証券」一択！ ’24年１月から新NISA（ニーサ）がスタートする。現行NISAと比べて、投資金額の増額や非課税期間の無期限化など、従来のメリットがいちだんと拡充される。このタイミング

ややこしいけどこの機会に覚えてしまおう！NISA口座の変更は「10月まではやってはいけない」ワケ

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