<figure id="attachment_326821" aria-describedby="caption-attachment-326821" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ed1d5dc2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/eb185afba5bd1d60568f326de54e2096.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326821" class="wp-caption-text">’05年６月には『エンタの神様』収録中に「フライデー！ ワシを撮りにこい！」とFRIDAYを挑発。同年12月に現在の妻とのデートをキッチリFRIDAYに報じられた</figcaption></figure>
<p>お笑い番組『エンタの神様』（日本テレビ系）で誰彼構わず嚙みつく「キレ芸」で大ブレイクしたカンニング竹山（52）は、人知れず悩みを抱えていた――。</p>
<p><span class="strongInContent">「40歳くらいから、仕事が忙しくなると耳の中の石がずれて、めまいがする病気（良性発作性頭位めまい症）に悩まされていたんです。年末はテレビの収録が増えて切羽詰まるから、ほぼ毎年めまいをこらえて仕事をしていました」</span></p>
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<p>全国ネットの番組での露出が増え始めた’04年ごろは、「結果を出そうと必死だった」と竹山は振り返る。</p>
<p><span class="strongInContent">「『エンタ』のプロデューサーだった五味（一男）さんに『テレビで問題を起こしたいんです。どうせ新人だし、消えてもいい』と直談判しました。五味さんと、相方の中島（忠幸・享年35）と３人で練りに練ったのが『エンタ』で見せていた相方やスタッフ、客にまで怒声を上げる”キレ芸”でした」</span></p>
<p>代名詞である「キレ芸」を共に作り上げた相方の中島さんが’06年に白血病で亡くなってからは、さらに血眼になって仕事をする日々が続いたという。</p>
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<p><span class="strongInContent">「カンニングが作り上げてきた笑いを途切れさせるわけにはいかないと必死でしたね。やるしかないでしょと自分を奮い立たせていた。一日４～５本収録があるのは当たり前で、今考えたら異常な仕事量でしたよ。一方で、テレビでは毎年、いろんなジャンルの新しい人気者が出てきて、『俺はこのままでいいのかな』と悩んでもいました」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「遊びの達人」から学んだ"></div>
<h2>「遊びの達人」から学んだ</h2>
<p>心身ともに追い込まれた竹山を襲ったのがめまいだった。だが、40代半ばに番組の収録で一緒になった堺正章（76）にかけられた一言が転機になった。</p>
<p><span class="strongInContent">「『竹山くん、最近どう？』と声をかけていただいたんです。『夜のほうですか？』と聞いたら『バカ、そうじゃないよ』と言われて（笑）。『バリバリ働いてきた人は40代中盤くらいで、追い込まれているような気持ちになるものなんだ。そういう時は、とにかく遊ぶといい』とアドバイスしてくださった。それから、”常に仕事が一番”という生き方を改めて、好きなことをやろうと考えるようになったんです」</span></p>
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<p>めまいに悩まされてから、５年近くが経っていた。竹山にとって幸運だったのは、仲のいい先輩芸人が「遊びの達人」だったことだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「とんねるずの木梨憲武さん（61）には番組で共演して以来、よく飲みに誘ってもらっていました。話していて感じたのは、絵や音楽がそうですけど、憲武さんは自分の好きなことを仕事にしていて、遊びと仕事の境界がないんです。<br>
</span></p>
<p><span class="strongInContent">’15年に、フジテレビで放送していた『とんねるずのみなさんのおかげでした』の企画でハワイに僕がオーナーの『タケヤマシェイブアイス』というかき氷店を出店しました。仕入れから接客まで僕がやったんですけど、接客はどうしようとか、いろいろ考えるのが本当に楽しかった。仕事なのに趣味の延長、遊びのような感覚で楽しめたんです」</span></p>
<p>木梨の「趣味を仕事にしている」感覚を理解できた瞬間だった。同時に竹山も、「強制されて芸人をやっているわけじゃない」と、肩の力が抜けた。</p>
<p><span class="strongInContent">「芸人には人気っていうバロメーターがあるけど、人気はコントロールはできませんよね。予測不能なところも面白いと感じられる余裕ができました。それ以来、忙しくなっても耳の石はずれなくなり、めまいから解放された。40代半ばでそこに気付けたことが大きかったです」</span></p>
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<p>以来、温厚な素顔を前面に出したコメンテーターや俳優業など、マルチに才能を発揮し、キレ芸は鳴りを潜めた。むしろ、かねてから好きだった競馬やプロ野球、バイクといった遊びに費やす時間を大事にしたことで、趣味にかかわる仕事が増えていった。好きが高じて７月11日には『カンニング竹山の50歳からのひとり趣味入門』（ポプラ新書）を上梓している。</p>
<p><span class="strongInContent">「50歳を超えて、人生の終わりが見えてきました。だから、とにかく楽しまないと――。僕はそう思っています」</span></p>
<p>この世のすべてに怒り続けた芸人が辿り着いたのは、「楽しんだもん勝ち」という、真逆の新境地だった。</p>
<figure id="attachment_326818" aria-describedby="caption-attachment-326818" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3cf7b6a4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/3364089c56d1c560d98f39601322ca5f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326818" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　カンニング竹山 ブレイクから20年「キレ芸」を卒業して人生が楽しくなった</figcaption></figure>
<figure id="attachment_326819" aria-describedby="caption-attachment-326819" style="width: 1687px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f1c21f02"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/d888b4a65e424ddf35268b4668e8c5c6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326819" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　カンニング竹山 ブレイクから20年「キレ芸」を卒業して人生が楽しくなった</figcaption></figure>
<figure id="attachment_326820" aria-describedby="caption-attachment-326820" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2a07fb72"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/c878e7902a99e9f22aa7001444c867b8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-326820" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　カンニング竹山 ブレイクから20年「キレ芸」を卒業して人生が楽しくなった</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年8月18・25日号より</p>


濱﨑慎治

キレ芸で大ブレイクした男"カンニング竹山"は、人知れず抱えていた悩みと病気があった。キレ芸を共に作り上げた相方の死から必死で働き、心身ともに追い込まれた時に大先輩からかけられた言葉が転機に…

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