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<figure id="attachment_327788" aria-describedby="caption-attachment-327788" style="width: 3059px" class="wp-caption aligncenter"><a href="#" data-ident_hash="50e346c1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/1731315ba7bfee6af734699f3a4f4f79.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-327788" class="wp-caption-text">都民の税金を累計で6兆円近く持っていかれている小池知事</figcaption></figure>
地方の財政などに関して国への要望や政策提言を行う、都道府県知事の組織である全国知事会の新会長に村井嘉浩・宮城県知事（63）が８月24日に選出される。村井知事は、陸上自衛官や宮城県議会議員を経て、’05年の県知事選挙に初当選し、現在５期目で、知事会の副会長も務めた。
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「地方の人口が減り、偏在は顕著化している。（偏在を）調整することは重要だ」
大都市の豊かな税収を地方に再配分する「偏在是正措置」を知事会長として東京都に協力を要請する考えを早々に語った。
この発言のウラに総務省出身の大物知事と同省が大きく関与している資料を入手。資料には、「知事会との打合せ（夏の提言案　等）」と題され、右上に「個人メモ・読後破棄」とある。
参加者は総務省内の自治税務局都道府県税課から２名、自治財政局財政課から２名、財務調査課の補佐２名、宮崎県と鳥取県から各１名の計８名。
〈今日は、どうしても知事会が偏在是正をやりたいとのことで作戦会議を持つこととなった、というテイでお願いしたい。わざわざ東京まで来てもらって申し訳なかったが、情報管理の観点から、対面とした〉
偏在是正措置とは、自治体間の税収格差を抑えるため、大都市の税金を、地方自治体に配分することで地方の活性化を狙う、という趣旨のもので、’08年から導入された制度だ。
税収が豊かな東京都は年間マイナス4000億円程度の影響があったが、影響学は、’19年度は5500億円、’20年度は7000億円、’21年度は1兆2500億円と、年々増加。
「都は単年度で1.3兆円、累計にしますと7.9兆円もの財源をこれまで奪われてまいりました」（７月28日、知事会見）
東京都の小池百合子都知事（71）は偏在是正には一貫して反対の姿勢を示している。「政府は都市部の税収を収奪しようとしている」「地方分権に逆行している」と批判を繰り返している。
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<div data-friday-nextpage-lead="省益のために「都民に負担を強いる」総務省の実態"></div>
しかし、ほとんどの自治体で何もせずに税収が上がるために反対の声が大勢を占めることはなかった。資料でも、東京都をいかに黙らせるか。小池知事への腐心が垣間見える。
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〈提言案については、東京や大阪が必ず反対してくる。それに対抗するため、「この案文では生ぬるい」、「もっとやれ」、「すぐやれ」との意見を各県から出してほしい〉
〈案の段階では、もっときつい文案にして、東京都からの意見を踏まえて、現在の案文に落ち着けるという作戦もあるのではないか〉
〈そのとおり。本当は、もっときつめの案でいけると思う。ただ、幹部が宮崎県知事を慮っている。このぐらいの案でないと知事会がキツいだろうと。小池知事を前に偏在是正を主張するのは、相当力がいる〉
総務省キャリア官僚が匿名を条件にこう語る。
「偏在是正措置なら大都市から巻き上げるだけ。そのカネを国税化し、地方自治体にばらまくことで総務省は各自治体に影響力を強められる。ただ、どのように地方の活性化に生かされ、効果を上げてきたのかは明らかとなっていない。頑張った自治体が報われずに、地方の自治を阻害している、という声が税の専門家からもある。
小池知事もそこを突いてくるので、全国知事会をコントロールする必要がある。資料にある〈というテイ〉という書き方にあるように全国知事会を利用し、地方が偏在是正を求めているという形を作っている。総務省OBの知事が10名おり、その支柱が鳥取の平井知事で、内藤次官と連携してきた」
前任会長の平井伸治鳥取県知事（61）と総務省の内藤尚志事務次官（61）は東大法学部出身で、84年自治省（現総務省）入省同期で、同じ釜の飯を食う仲であることは知られている。
同資料でも、こう記されている。
〈平井知事は、頻繁に審議室に出入りしており、本件についてもその辺の感覚はお持ちだと思う〉
総務省出身の大物知事が全国知事会を回していたが、８月８日、平井知事は定例会見で「全国知事会長選挙には出馬しないという選択をいたしたい」「知事会改革を推進するためにはバトンを渡した方がいいと考えた」と語り、退任を表明。その後、総務省OBではない村井知事がその座につくことになった。
「実態は、完全なデキレース。全国知事会の会長職は、歴代、総務省OBの知事たちが牛耳ってきたポストで、平井会長の２期目の続投は既定路線でした。が、毎日新聞などの報道で、総務省と全国知事会との癒着批判が高まることを懸念し、総務省出身ではない知事をワンポイントで据える案が出た。総務省色がなく、グリップしやすい知事を一本釣りし、遠隔操作をする腹積もりです」（同キャリア官僚）
実は平井知事は会見前日の７日午後、都内平河町にある都道府県会館内にて、宮城県の村井知事と面談したという。
「30分間、随行者を外させ、ふたりきりで極秘に話し合っています。村井知事を次期会長にさせる。そのために、全国の総務省ネットワークも使って各県の根回しを行う。その代わり、総務省の指示の下に動くことを約束してもらいたい、という平井知事からの打診を村井知事が承認したのでしょう」（同キャリア官僚）
同資料には大臣へのアプローチや検討会の委員への根回しも思案された様子が記されている。都合が悪くなれば、裏から糸を引き、知事会の頭を挿げ替える。資料からもあらゆる知略を駆使し、総務省の省益を拡充させることに躍起となっていることがうかがえる。そこに公僕として国民に仕える意識はあるのだろうか。
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岩崎大輔

総務省と全国の知事たちが東京都や大阪府などから税金を引っ張ってこようと躍起になっている。

「東京都と小池知事を黙らせろ」…総務省が都道府県知事の連合組織を利用し都民の税金をバラまいていた

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