埼玉県さいたま市出身。明治大学経営学部卒。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオなどにも出演中

荒木田 範文

<figure id="attachment_329804" aria-describedby="caption-attachment-329804" style="width: 3270px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d0a79f0f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/0096d73b976e9f10cab78f53c84c0280.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-329804" class="wp-caption-text">CD発売より〝先行〟して世界配信をするという常識打破の作戦が大成功した歌手の葉月みなみ</figcaption></figure>
演歌、歌謡曲といえば、コンサートやキャンペーンなどでCDやカセットを手売りする……。そんなイメージが定着していると思います。実際に今でも、多くの歌い手さんがこの方法でCDを販売しています。
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レコード店の減少など、〝CD不況〟と言われて久しいです。今や多くがネット配信やストリーミングで音楽を聴く時代。しかし、演歌・歌謡曲だけは、ファンが年配の方が多いということもあり、CDを手売りしてきました。
「売れっ子アイドルやポップスの人と比べると大きな数字ではないですが、実は演歌・歌謡曲の歌手の人たちは堅実にCDを売ってくれるので、会社にとっては有難い存在でした。
氷川きよしさんのような〝紅白クラス〟ではなくても、ちょっとした有名な歌い手さんであれば万単位はご自身でさばいてくれました。地方にキャンペーンなどで小まめに手売りするスタイルは、演歌・歌謡曲ならではの強みでしたね」（レコード会社関係者）
だが、その〝堅実〟な販売方法も、新型コロナで一変。強みであった地方へのキャンペーンなどが、まったくできなくなったのです。
そんな中、’21年にメジャーデビューした葉月みなみさんは、大胆な作戦に打って出ました。それは、新曲はCDではなくネット配信にしたのです。
元々は地元・新潟を地盤に演歌歌手として活動していた葉月さんは、メジャーデビューを目指し一念発起で’20年１月に上京。ですが、直後に新型コロナウイルスの波に襲われてしまいます。その夢も叶わないかと思われたのですが、紆余曲折の末に’21年６月にテイチクレコードより『許さないで…ねぇ』でメジャーデビューを果たします。
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そして’22年９月に２曲目となる『レイニー・バスステーション』をCDは発売せず、配信だけという勝負に出たのです。そのことについて葉月さんに聞くと、
「私も新潟時代はCDをキャンペーンなどで手売りしていましたから、プロデューサーさんから〝次の新曲はCDではなく世界配信する〟と聞いたときは驚きました。正直、不安が無かったといえば、ウソになってしまいますね。
ただ、メジャーな演歌・歌謡曲歌手は大々的に世界配信した方はいないので、その挑戦にはワクワクしました。でも、コロナ禍がなければ、やはりこのような発想の転換は無かったかもしれませんね」
世界戦略曲第１弾として発売された『レイニー・バスステーション』は、日本最大の音楽配信代行サービスの「TuneCore Japan」とタッグを組み、世界185ヵ国に配信。その結果、昨年12月と今年４月には、Apple Music「歌謡曲トップミュージックビデオ」ランキングで１位を２度獲得するなど、大きな結果を残しました。
<div data-friday-nextpage-lead="ネット配信にファンの反応は……"></div>
<figure id="attachment_329809" aria-describedby="caption-attachment-329809" style="width: 3286px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="545195be"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/d5a6b62e7c036590f53665d8ed822608.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-329809" class="wp-caption-text">その歌声は〝マジカルボイス〟と言われ、ファンを魅了している……</figcaption></figure>
「ファンの方々が戸惑ってるのは確かだと思うんです。年齢層が高い方が多いので、操作をするのが難しいような方たちばかりなんですけれども、それでも一生懸命やろうとしてくださる方もたくさんいらっしゃいました。 新たな試みに挑戦することに、すごく応援してくれましたね。
日本のApple Musicでは１位を獲らせていただいたんですが、台湾でも２位を頂いたり、ブラジルでは14位に入ったんです。行ったことのない国で、私の歌をリアルタイムで聞いてもらっていることは、本当にうれしいことですし、やっぱりいい曲というのは言葉が通じなくても受け入れられるということが分かりました」
８月30日には、満を持して『レイニー・バスステーション』がCD化されました。世界配信→CD化という演歌・歌謡界の常識を打ち破るセールス方法に、業界関係者も大いに注目しているようです。
「やはりファンの方からは〝CDが欲しい〟という声も多かったんです。正直、配信してヒットすることにより、そういう声を待っていたという部分もありました。
CDを出すとなると、それなりに資金もいるし、何千枚売らなきゃいけないというノルマも生じます。だから、１年間その曲でじっくりと歌って、ファンの皆様に届けることになります。そうなると、今のように３ヵ月スパンで新曲は到底出せない。今後は１回配信で出して、手応えある曲をCD化することが、意外に出てくるかもしれませんね」
今や年配者の多くもスマホを持っています。葉月さんのような〝配信戦略〟が、コロナ禍で低迷する演歌・歌謡界を変えるかもしれません――。
<figure id="attachment_329843" aria-describedby="caption-attachment-329843" style="width: 3460px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e6a3b8c7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/c7fb3ec3f5e864fa23372b312984d73f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-329843" class="wp-caption-text">コンサートでは自慢のフルートを披露することも……</figcaption></figure>

‘75年生まれ、埼玉県出身。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオにも出演中

荒木田範文（FRIDAYデジタル芸能デスク）

サンニュース（2、3枚目）

CD不況と言われて久しい昨今。コンサートやキャンペーンなどで地道ながらも堅実に売り上げを確保していた演歌・歌謡曲歌手にもコロナ禍で売り上げは激減した。そんな中、葉月みなみは……

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