<figure id="attachment_329884" aria-describedby="caption-attachment-329884" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d7d34eca"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/0526bd7a810de83e3ef2f19da33dab75.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-329884" class="wp-caption-text">森七菜をはじめキャストの演技の評判は悪くないのだが……</figcaption></figure>
<p>フジ月９では７年ぶりの恋愛ドラマとして華々しくスタートした『真夏のシンデレラ』。&#8221;爆死&#8221;と言われつつも視聴率は５％台あたりで安定しているが、同作品を見ている人たちの楽しみ方が少し変わってきているらしい。１年前にSNSを盛り上げた朝ドラ『ちむどんどん』のように、放送翌日にはネット上が番組に対するツッコミで盛況なのだ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「毎回、ツッコミどころ満載ですが、28日の放送回では、森七菜（22）、吉川愛（23）、仁村紗和（28）の女子3人と神尾楓珠（24）が高校時代の思い出話をするシーンがあったのですが、話の内容からすると、どうも４人が同級生のようで、仰天しました。森と吉川はまだわかりますが、仁村はてっきり年上かと思っていたので、『え～』って感じです。番組HPには『18歳の時に産んだ息子を育てるシングルマザー』とあり、息子が今、８歳なので、26歳ということになります。２人から『おぐねえ』と呼ばれているので、てっきり年上かと思っていたのですが、まさかの同級生って。にしても、どう転んでも森は26歳には見えない」</span></p>
<p>そう指摘するのはコラムニストの桧山珠美氏。せっかくなのでツッコミどころが満載のこのドラマをこの際桧山氏にツッコミ倒してもらった。</p>
<p>これまでにSNSでもよく指摘されていたのは、「東京と神奈川の距離感がおかしい」という点だ。登場人物の言動を聞いているとやけに主人公が住む江の島あたりが田舎に感じるという。</p>
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<p><span class="strongInContent">「本当にこれはもう神奈川県民は怒ったほうがいいレベルです。吉川愛が東京に遊びに来た時、ホテルが取れていなくて、『どうしようどうしよう』とひどくうろたえていましたが、今すぐJRにでも小田急線にでも乗って帰れ、って思いました。おそらくストーリーとして白濱亜嵐（30）の家（実は萩原利久の家）に泊まらせたかったということでしょうが、夜の９時、10時だとしても最終電車には充分間に合うし、１時間ちょっとで帰れるんだから帰ろうよって（笑）。</span></p>
<p><span class="strongInContent">とにかく、東京と神奈川の距離感が変。台風が来た時、何回電話しても森が出ないからって、心配した間宮祥太朗（30）が、重要なプレゼンをすっぽかしてまで駆けつける、とか。東京と神奈川ってそれほど天気に差があるとも思えないし、いくらなんでも大げさすぎるだろう、って（笑）」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="父、母、弟…クズエピソードが多すぎる"></div>
<p>ネットでは、そんな距離感のわりには東京に住んでいるはずの男性陣がちょいちょい江の島に現れすぎていて、いつ働いているんだ？という指摘も。そして、森七菜演じる主人公の家族をめぐるエピソードもツッコミの多いテーマだ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「７話では、家出した森七菜の母親（横山めぐみ）が７年ぶりに帰ってきましたが、その親がとんでもないクズ親で……。間宮と２人きりになった時に、『あなたが娘の彼氏で良かったわ』なんて言うから何かと思えば、『お金、貸してくれ』ですからね。間宮が断ったら、今度はレジからお金を抜こうとしていた。そこを娘に見つかってしまう。結局、森がお金を渡し、母親は夫や息子に何も言わず出ていくわけですが、なんだかもやもやしました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">お金といえば、その前にも、森七菜がサップの大会に出るために貯めていたお金を、父親（山口智充）が使い込んでしまう事件がありました。近所の人が怪我をしたとかで、入院するのにお金がなくて出してあげた、というようなことを言っていましたが、入院直後にお金を請求する病院などあるのでしょうか。父親のお人よしエピソードを描きたかったのでしょうが、ドン引きでした。両親揃ってクズ過ぎて、森七菜が気の毒になります。にしても、彼女も危機管理無さ過ぎ。レジはしっかり鍵を掛けなくちゃいけないし、通帳も肌身離さず持っておけ！　と言いたいですね（笑）」</span></p>
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<p>さらに、弟（大西利空）が同級生を妊娠させたといって、同級生の両親が乗り込んできた事件もあった。さんざん罵倒し、土下座までさせておきながら、実は妊娠した女の子が二股をかけていて、弟は子どもの父親でも何でもなくて利用されただけ、というオチ。彼女の両親はそれがわかっても謝罪もなし。これにもクズ過ぎる、とネットで話題になった。</p>
<p><span class="strongInContent">「印象的なエピソードが、クズ話しかないのが致命的です。過去の名作ドラマには、たとえば『北の国から』の&#8221;泥がついた１万円札&#8221;のような、思い出しただけでも涙が出そうになるエピソードがありました。『真夏の～』にはそういうシーンが皆無。そういうものが少しでもあれば、視聴者も良心の呵責に耐えかねてツッコめなくなるのでしょうが、まったくないので、思う存分ツッコむことができる。ツッコミドラマとしては最高だと思います」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="ややこしすぎる恋愛模様"></div>
<p>また『真夏の～』は男女８人恋愛群像劇、ということだが、恋愛ドラマとして注目すべきポイントである女性陣３名＆男性陣５名を中心とした真夏の恋模様も、いろいろと散らかりすぎていて、迷走しているようだ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「仁村紗和と水上恒司（24）のカップルも、くっついたと思ったら、仁村紗和の元ダンナが『やっぱり子どものためには２人でいたほうがいい』とか言って戻ってきそうな気配。森七菜のほうにもライバル現る！　で、間宮に近づく才色兼備な同僚（山崎紘菜）が登場しました。いかにもな設定でこのパターン、もうどれだけ見てきたか、という。過去のいろんな恋愛ドラマの使い古されたエピソードをバラバラにして、そこからコックリさんかなんかで決めているんじゃないか、と疑いたくなるぐらいです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">あっちもこっちも三角関係だらけ。なんかもう女性陣は、どっちの男にもいい顔をして、３人ともただの尻軽女じゃないかとさえ思えてきました。間宮祥太朗と森七菜のラブストーリーだけでは引きが弱いと思って、群像ドラマにしてあれこれおまけをつけたら、わけがわからなくなった、という感じです。同じ群像ドラマでも、たとえば『男女７人夏物語』などは、中心にちゃんと明石家さんまと大竹しのぶがいて、ブレることなくストーリーが展開しました。ところが、このドラマは、あっちにこっちに話が飛んで、しかも８人が絡み過ぎ。この世の中に８人しかいないのかっていうくらい」</span></p>
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<p>そして、その登場人物同士が等しい存在感で、複雑に絡む人間模様が&#8221;ある番組&#8221;に似ていると、桧山氏は指摘する。</p>
<p><span class="strongInContent">「このドラマって『バチェラー』などの恋愛リアリティーショーを見ているような感じがするんですね。誰と誰がくっついたとか離れたとか。頭の中、そればっかりか、って。リアリティーショーのほうが、まだ、ドラマチックに感じてしまうってどういうことなんだろう、って思いながら見ています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">もはや、ツッコミどころだけが見どころという謎のドラマになっています。新たなタイプの炎上商法でしょうか。私たち視聴者の目が試されているのかもしれません。わざとツッコミポイントを混ぜて、あなたはいくつツッコめるかな？　って。フジテレビから視聴者への挑戦状、としか思えません（笑）」</span></p>
<p>ドラマも最終回まであとわずか、まだ暑い夜にみんなでワイワイとテレビ画面にツッコミながら楽しんで見るのも、１周回って楽しいかもしれない。</p>
<figure id="attachment_329889" aria-describedby="caption-attachment-329889" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1c61e748"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/09/c8d3262c698774120fe87c123fa483aa.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-329889" class="wp-caption-text">友人たちと昼飲みを楽しむ森七菜。多忙なスケジュールの間のひとときの息抜きなのだろう（’23年７月）</figcaption></figure>


近藤裕介、高塚一郎

高視聴率とはいかないまでも、一定層の人気を得ている『真夏のシンデレラ』最近のトレンドは放送翌日にSNSを賑わす"ツッコミ"らしい。そこで、コラムニスト・桧山珠美氏にあえてツッコミたおしてもらった。

もはや”間違い探し”？　ツッコミドラマと化した『真夏のシンデレラ』を心ゆくまでツッコんでみた

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