リーチ、松田、さらに脅威の新星まで…ラグビー日本代表「三本柱」がイングランド戦で躍動する!
ラグビーW杯フランス大会特別レポート 6トライで初戦のチリを撃破!次は「過去全敗」の強豪に挑む
「難しい初戦をよく勝ちきりました。4トライ以上で追加されるボーナスポイントも獲得し、いい状態で世界ランク6位と格上のイングランドに挑戦する準備ができたといえるでしょう」(スポーツライターの直江光信氏)
日本時間9月9日に開幕したラグビーW杯。日本は10日に初戦のチリ代表と激突。開始6分で先制を許すも、最終的には6トライを奪って42対12で快勝した。
チリ戦の勝利に大きく貢献したのが、スタンドオフの松田力也(29)とフランカーのリーチ マイケル(34)だ。前出の直江氏が続ける。
「松田はキックの面でさすがの正確性を見せてくれました。ゴールキックの成功率は100%。大会前のテストマッチでは外すシーンが目立ちましたが、大一番にきっちり照準を合わせてきた。
リーチはディフェンス面で必ず相手に絡んで攻撃の芽を摘んでいた。強い気持ちが見え、まるで若返ったかのような豊富な運動量を見せてくれました」
次戦となる18日のイングランド戦は、勝利すればグループリーグ突破へ近づく大一番。これまで10戦全敗の難敵である。スポーツライターの向風見也(むかいふみや)氏が言う。
「昨年11月のテストマッチでは52対13と大敗しています。主な敗因は、ハイボールの競り合いで相手選手の高さに対応できずボールを奪われたことと、スクラムで押し込まれたこと。この点を対策すれば、十分戦えるでしょう」
イングランド戦のカギを握る選手が、21歳の新星、ワーナー・ディアンズだ。
「彼の一番の武器は201㎝という世界トップクラスの『サイズ』です。高さを生かして、ラインアウトで存在感を発揮してくれるはず。一見細く見えますが体重も117㎏あり、ロックとしてスクラムも貢献してくれるでしょう。チリ戦は怪我明けで途中出場でしたが、終了間際にトライも奪い、調子は上がっています」(直江氏)
イングランドは重くて強いFW陣が相手を押し込み、スタンドオフのジョージ・フォード(30)がペナルティゴールで得点を重ねるのが特徴だ。
「相手に押し込ませないためには、松田らスタンドオフが正確にボールを相手陣地深くに蹴りこみ、ディアンズやリーチら前線の選手が体を張って相手FWを前に出させないことがポイント。敵陣地でいかに長くプレーできるかが大事になってきます」(同前)
三本柱がグラウンドで暴れ回れば、イングランド撃破、そしてその先に控えるベスト8突破の悲願も見えてくる。


『FRIDAY』2023年9月29日号より
PHOTO:松本かおり(リーチ) 産経新聞社(松田・ディアンズ)