<figure id="attachment_334888" aria-describedby="caption-attachment-334888" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="19e999bf"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/badc7d05fd444e9b419963230588ce31.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334888" class="wp-caption-text">９月に敵地・ドイツで行われた親善試合で日本代表はドイツ代表に４-１と快勝。ドイツ代表が123年の長い歴史の中で初めて代表監督の解任に踏み切る歴史的勝利だったが、対戦をのぞむオファーはなかなか来ないという</figcaption></figure>
<p>サッカー森保ジャパンが９月の欧州遠征でドイツ、トルコの強豪２連戦を完勝で終えた。欧州２ヵ国の代表監督を立て続けに「解任」へ追い込む「ギロチンマッチ」にして、最新の世界ランクも一つ順位を上げて19位。’12年１月以来、11年ぶりとなる10位台に浮上した。この快進撃に本来なら親善試合のオファーが殺到してもおかしくないはずなのだが、マッチメークにおける森保ジャパンの苦戦は継続中。’26年W杯北中米大会のアジア２次予選が11月からはじまり、そのための強化試合の日本代表選手が近日中に発表されるが、熱気は国内でも感じられず、日本サッカー協会（JFA）のジレンマはかなり深い。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<h3>日本に敗れたドイツは123年の長い歴史の中で初めて監督を解任</h3>
<p>W杯カタール大会以来の再戦となったドイツ戦（９月９日）では怒涛の４ゴールで粉砕。中２日で行われたトルコ戦では先発を10人入れ替える大胆な采配でも危なげなく勝利した。JFA幹部はこう胸を張る。</p>
<p><span class="strongInContent">「今回の欧州遠征でのドイツ戦は主催試合として招待してくれました。それでも親善試合という雰囲気はまるでなかった。ドイツ代表は本気だった。本当に強かった」</span></p>
<p>ドイツにとってはカタールでのリベンジとばかりに日本を徹底的に叩きのめすべく実現した今回の試合だったが、勝ったのは日本だった。この試合を現地で観戦したJFA田嶋幸三会長は「ロジカルな勝利！カタールでそれなりの成績を残したからこういうマッチメークができた。（日本サッカーの）総合力の賜物だ」と称賛した。</p>
<p>この２試合の後、森保一監督は現地に残って10日間で欧州８ヵ国を周り、代表メンバーが出場した９試合を視察してきた。ドイツ戦の連勝効果は絶大で、街を歩いていても「モリヤス！」と声をかけられることが増えた。帰国後、取材に応じた森保監督はこう明かした。</p>
<p><span class="strongInContent">「W杯でドイツに勝ってから、欧州でもよく声をかけられるようになりました。アジアの代表として是非頑張ってほしいとも言われます」</span></p>
<p>ドイツサッカー連盟（DFB）は惨敗した日本戦の翌日に「これ以上、前進はできない」と、代表チーム123年の歴史で初めて監督解任を決めた。日本は史上初の屈辱を味わわせたことになる。トルコ代表のドイツ人・クンツ監督も日本代表戦後、解任された。２人のドイツ人代表監督を解任に追い込んだ森保監督の知名度は欧州で急上昇しているが、日本代表の地位そのものは向上していない現実があった。JFA幹部はため息まじりにこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「ドイツと今度は日本で試合？もちろん是非やりたいけど、日本と試合をしたいというオファーさえ全く来ていない」</span></p>
<p>サッカー日本代表の強化と人気は、これまで国内外で数多くの親善試合を続けてきたことで得られた。国内での試合会場は超満員、チケットも完売がつづき、そのことによってJFAの財政も大いに潤った。国内での代表戦で１試合で得られる収入は約５億円と言われ、スポンサー収入と合わせるとJFA年間財源の70％を占めている。代表戦は単なる日本代表の強化にとどまらない、大切な収入源なのだ。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<div data-friday-nextpage-lead="ブラジル代表を日本に招いたときのギャラは……"></div>
<div class="expapp-yahoo-paragraph-break"></div>
<figure id="attachment_334904" aria-describedby="caption-attachment-334904" style="width: 4589px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="790a464a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/9188f6e91171978e2ddea1a13b84395d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-334904" class="wp-caption-text">日本代表の親善試合で会見する森保一監督。背後のボードにあるように、長年のキリングループの支援がなければ成り立たなかったが、13日のカナダ戦はみずほ銀行が特別協賛としてつく</figcaption></figure>
<div></div>
<p>では、日本代表が強豪国との対戦をどのように実現させてきたのだろうか。JFAでかつてマーケティング担当をしていた関係者が明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「日本代表は1978年からキリングループのご支援もあり、国内のマッチメークの主な経費はそこでまかなってきました。おかげで海外のチームを日本に招聘して、１試合の経費の総額を２億円から３億円をかけてできるようになりました。招待した国の実力に合わせて5000万円台から１億円までのギャラを用意します。それでは足りない場合は大会賞金など、アレンジした形で対戦相手に納得してもらいます」</span></p>
<p>昨年６月、世界屈指のブラジル代表を日本に招いたときはどれくらいかかったか。</p>
<p><span class="strongInContent">「ギャランティーだけで３億円と聞きました。今は強豪国の日本への招聘は総額で10億円近い経費がかかるでしょうね。親善試合開催におけるJFAの主な収入源はTVや配信などの放映権料が柱になります。入場料収入も大切で料金設定がポイントになります。代表戦で３万人以上の観客が集まれば、今も赤字興行になることはありませんが‥」（サッカー担当記者）</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>サッカー後進国と言われる日本が強豪国と試合を組むには、ほとんどが“持ち出し”で成立してきたのだ。だからこそ、ドイツ戦の歴史的勝利で、強豪国からオファーをもらい、招待される新しい形を思い描き、それが新たな収入源になると踏んだが、残念ながら「試合をできないか」といった相談の連絡さえ受けていないようなのだ。</p>
<p>まずは対戦を申し入れたい相手国のスケジュール上の問題がある。欧州サッカー連盟（UEFA）は’18年からネーションズリーグをスタート。アフリカサッカー連盟（CAF）も各国の代表強化に大陸選手権の拡大を図っている。</p>
<p><span class="strongInContent">「欧州やアフリカ勢の強豪国はこれまではギャラが出る日本に行って試合をして代表強化にあてていたが、今はわざわざ日本に行く必要がなくなった。JFAにとっては頭痛のタネです」（サッカー担当記者）</span></p>
<p>さらにコロナ禍によって観客動員ができなかったため、’22年までの約２年間の代表チームによる収入も頭打ちとなってしまい、苦肉の策として自社ビル（JFAハウス）を売却。それでも、’22年度（１月１日から12月31日）決算では約48億8000万円の赤字となったことを発表した。今のJFAに、強豪国が喜んで飛びついてくるような高額なギャラを用意する〝体力〟はない。</p>
<p>日本代表はオファーを受けてもおかしくない結果を残しても、オファーをもらえないジレンマに悩む。JFAマーケティング担当者も切実な本音をもらす。</p>
<p><span class="strongInContent">「JFAにとって新たな代表戦の形が軌道に乗り、収益の柱にすることは長年の懸案事項です。森保ジャパンが海外の強豪国から招待を受ける形で、常に高額のギャラが取れるようになることが、心から願う理想の形ですね」</span></p>
<p>10月の森保ジャパンは11月からはじまるアジア２次予選に備えて、国内で親善試合（13日・カナダ、17日・チュニジア）を行う。この２試合もJFAからこの２ヵ国にオファーをした。13日のカナダ戦については、長年、日本代表を支えてきたキリングループではなく、JFAのスポンサーである「みずほ銀行」が特別協賛することになった。キリングループだけに頼れない苦しさが伺える。わずか10ヵ月の間に、ドイツに２回勝った森保ジャパンだが、今後も親善試合のマッチメークは大苦戦を強いられそうだ。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<figure id="attachment_335129" aria-describedby="caption-attachment-335129" style="width: 730px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="00784dbe"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/3ba3f4d51f9358eea976a942a00023a5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335129" class="wp-caption-text">7月、オフに帰国した際、トークショー出席のため、銀座に突然、私服姿で登場した三笘薫</figcaption></figure>


アフロ

サッカー日本代表は9月、欧州で強豪・ドイツ、トルコに連勝。両国の監督が解任される「ギロチンマッチ」にした。にも拘わらず、日本代表はいまだに試合を組むのに苦戦を強いられている。その理由を追った。

W杯優勝国のドイツに連勝しても親善試合を組むのに大苦戦　森保ジャパンにオファーが殺到しない理由

あなたへのオススメ

W杯優勝国のドイツに連勝しても親善試合を組むのに大苦戦 森保ジャパンにオファーが殺到しない理由

あなたへのオススメ

W杯優勝国のドイツに連勝しても親善試合を組むのに大苦戦　森保ジャパンにオファーが殺到しない理由