<figure id="attachment_335079" aria-describedby="caption-attachment-335079" style="width: 1675px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7c51a6aa"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/a9c0f2f1e3fea786118f62647370c3f1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335079" class="wp-caption-text">自身の畑で穫れた空心菜のブーケ！　この日はナス、モロヘイヤ、万願寺とうがらしなどの収穫を見せてくれた</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「まさか、私が畑を始めるなんて夢にも思っていませんでした。新鮮な野菜たちに囲まれて、健康的に過ごせる″いま″がなければ、意地悪な性格になっていたかもしれません（笑）」</span></p>
<p>屈託のない笑みを浮かべながら話すのは、歌手・女優としてマルチに活動してきたタレントの加藤紀子（50）だ。</p>
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<p>’91年『桜っ子クラブさくら組』の一員として選ばれ、翌年に歌手デビュー。以降、バラエティー『マジカル頭脳パワー!!』をはじめ数々のテレビ番組で活躍。最近は芸能活動を続ける一方で、″農業女子″として野菜作りに没頭しているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「実は私、畑を始めてもう11年になるんですよ。以前は、家の中で音楽を聴いたり、スナック菓子を食べて喜んでいるようなインドア派だったんですけど、農業に目覚めたおかげで毎日がすごくエネルギッシュ！　毎週欠かさず畑に来て、野菜たちの様子を見たり、土いじりをするのがルーティンになりました。コロナの時期はステイホームが常で気が滅入っていたけど、畑の土を踏むことで四季の動きや野菜の生命を実感し、救われたんです」</span></p>
<p>「人生に欠かせない」と言い切るほど、彼女を虜(とりこ)にした農業。始めた背景は何なのか――。</p>
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<p><span class="strongInContent">「最初に畑を始めたのは、テレビ番組がきっかけでした。１年くらい出演させていただいた後、番組が終了したんですが、その時自分の中で『不完全燃焼』だった気持ちが強くて。知識も経験も実力も″まだ何も身についてないじゃん″って……。そのことを番組でお世話になった東京・国分寺にある農家の方に相談したら、畑の一画を引き続き貸してくださることになったんです」</span></p>
<p>身につくまでやってみようと挑戦し、気付けば11年。「やめたいと思ったことは一度もない」のだという。</p>
<p><span class="strongInContent">「最初は、正直サボりたいと思った時はありましたね（笑）。でも、数日行かないと駄目にしちゃうとか、台風の時は支柱を立てなきゃとか、『農家さんにお借りしている畑を大切にしなきゃ』という使命感みたいなものはずっと心の中にあって。ここ３〜４年でようやく作業に慣れてきて、知識も身についた実感がある。自分で作った野菜を周りに自信をもって渡せるようになった時から楽しいと思えるようになったんです。今では、手がかかるけど我が子のようにかわいいですね」</span></p>
<p>季節ごとに旬の野菜を育てる加藤のＳＮＳには、自身の畑で収穫した野菜を使った数々のレシピが投稿されている。夫や友人に一番人気のレシピを訊くと、『ピェンロー鍋』（白菜鍋）だと明かした。</p>
<p><span class="strongInContent">「冬に穫れるオレンジ白菜がとにかく甘くて美味しいんです！　毎年友達を招いて、ピェンロー鍋パーティをするのが恒例。畑を始めるまでは、外食も多かったし、料理も得意ではなかったのに、今は自分の作った野菜を消費しないと腐らせてしまうという嬉しい悩みもあります。新しいレシピを考案していろいろ作れるようになりましたし、家族も喜んでくれるので、″次はこういう風に工夫したらどうだろう？″とワクワクするんです」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="農家の苦悩と環境問題"></div>
<h2>農家の苦悩と環境問題</h2>
<p>近年、さまざまな要因で野菜の価格が高騰。生産者でありながら消費者でもある加藤は、「躊躇(ちゅうちょ)せずに購入してくれたら嬉しい」と切望した。</p>
<p><span class="strongInContent">「９月上旬にも台風13号がありましたけど、ゲリラ豪雨や猛暑など異常気象が続いていますよね。農家の方々も対策はしていますが、とくに今年の夏は酷(ひど)かった。40度近い猛暑日に収穫する野菜――例えば、枝豆。スーパーではサヤの状態で売られていますが、その過程では、サヤを枝から外して、サイズを調整して、袋詰めをする。スーパーでは見えない手間と時間が含まれているんです」</span></p>
<p>野菜への関心が高まるにつれ、「環境問題への意識も根付いた」と話す。自身が心掛けている取り組みも教えてくれた。</p>
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<p><span class="strongInContent">「できることは多くはないけど、ゼロでもない。野菜を包む袋をビニール袋でなく新聞紙に変更したり、生ゴミを堆肥(たいひ)に分解するコンポストを使用したり、ヘアサロンに行ったら髪の毛をドネーションしたり……そんなことしかできないけど、その積み重ねがいつか農家を、日本を助けられる日がくればいいですね」</span></p>
<p>農業女子として実力を発揮し続ける傍ら、’17年には豆腐マイスターの資格を取得。興味があることには、とことん向き合う彼女が次に目指す場所はどこなのか。</p>
<p><span class="strongInContent">「小さい頃『ピンク・レディー』に憧れて、17歳で親元を離れ一人暮らし。芸能界デビューをしたものの、28歳で自分の生き方に迷ってフランス留学……。昔から思い立ったら絶対に行動するタイプなんです。これからしたいことですか？　野菜に関する本を書きたいですね。もっとこの道を極めて、畑の師匠に追いつく日が来た時は、自分の農園を持って、農業の魅力を発信できる″日本一の農業女子″を目指します！」</span></p>
<p>かつてのアイドルは土に塗れ、人生に揉(も)まれ、″畑″ という新たな道を開拓して心豊かな人生を歩んでいるのだ。</p>
<figure id="attachment_335080" aria-describedby="caption-attachment-335080" style="width: 2151px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="de37d0e6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/a0c1b476f96722ead53e4346b7142e15.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335080" class="wp-caption-text">「畑を始めてから食生活にも気を遣うようになった」と話す加藤。作業の後は、農園近くのオーガニックカフェ『カフェスロー』で取材に応じてくれた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_335081" aria-describedby="caption-attachment-335081" style="width: 1342px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ea0d4bec"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/e9227e8965d91800f141fac4aaa0a8d0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335081" class="wp-caption-text">第34回日本レコード大賞で『今度私どこか連れていって下さいよ』を披露。19歳という若さとキュートな歌声で、見事に新人賞を受賞した</figcaption></figure>
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<div data-friday-nextpage-lead="&quot;畑&quot; という新たな道で　―未掲載カット―"></div>
<figure id="attachment_335082" aria-describedby="caption-attachment-335082" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c725df76"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/822b4a5965dd72c124210257863a9fff.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335082" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　加藤紀子「畑と出会えなかったら、意地悪な性格になっていたかも(笑)」</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_335083" aria-describedby="caption-attachment-335083" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="67c42598"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/0ce261c6ee624e11c33f453917c83686.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335083" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　加藤紀子「畑と出会えなかったら、意地悪な性格になっていたかも(笑)」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_335084" aria-describedby="caption-attachment-335084" style="width: 1440px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3184e00d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/67d70a52b3774838a5867dda002f58b9.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335084" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　加藤紀子「畑と出会えなかったら、意地悪な性格になっていたかも(笑)」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_335085" aria-describedby="caption-attachment-335085" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7e868341"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/89684d59b99e1251d97ef14fc4533603.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-335085" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　加藤紀子「畑と出会えなかったら、意地悪な性格になっていたかも(笑)」</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年10月13・20日号より</p>
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小檜山毅彦　産経新聞社（3枚目写真）

"マジカル頭脳パワー!!"でブレイクし、歌手・女優としてマルチに活動してきたタレントの加藤紀子は″農業女子″として野菜作りに没頭しているという。思い立ったらすぐ行動してしまう彼女、次に目指す場所とは。

加藤紀子「畑と出会えなかったら、意地悪な性格になっていたかも(笑)」《｢収穫の秋｣インタビュー》

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