<figure id="attachment_336483" aria-describedby="caption-attachment-336483" style="width: 1947px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="08023bd4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/f33aec61bb0d3ae3ece86000b647b3da.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-336483" class="wp-caption-text">パレードが始まって間もなく、主力戦車の「K２」が姿を見せると、沿道の群衆は大きな歓声をあげていた</figcaption></figure>
<p>小雨のそぼ降る韓国・ソウル中心部を、約4000人の兵士と330人の在韓米軍将兵、そして46種170もの最新兵器が行進。南大門（ナムデムン）から光化門（カンファムン）に至る「世宗大路（セジョンデロ）」の大通りが、1.2㎞にわたり埋め尽くされた光景は壮観だった。</p>
<p>韓国軍は９月26日、「国軍の日」（10月１日）に先立ち、実に10年ぶりとなる大規模軍事パレードを開催。尹錫悦（ユンソンニョル）大統領（62）はこの日、軍創立75周年の記念式典の演説で、北朝鮮への強硬な姿勢を明確に打ち出した。</p>
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<p><span class="strongInContent">「北朝鮮が核を使用する場合、韓米同盟の圧倒的な対応を通じて北朝鮮の政権を終わらせる」</span></p>
<p>パレードを現地で撮影・取材したフォトジャーナリストの山本皓一氏が語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「雨が降っていたにもかかわらず、沿道には多くの市民が駆けつけ、最前列での撮影ができないほど長い人垣ができていました。10年ぶりの軍事パレードということもあり、これまで秘匿されていた多数の武器が一般公開されたほか、在韓米軍も初めて参加するなど、政権側が北に向けてこれまでにない強いメッセージを打ち出した印象です」</span></p>
<p>北朝鮮に融和的な政策をとっていた前政権の文在寅（ムンジェイン）大統領時代には見送られていたパレードが一転、「史上最大規模」での開催となった。</p>
<p><span class="strongInContent">「北朝鮮全土を射程に収めるミサイル『玄武（ヒョンム）』や、ミサイル防衛システム『L-SAM』のほか、偵察・攻撃用無人機、無人潜水艇も登場しました。これは昨年12月に北朝鮮の小型無人機５機が韓国領空に侵入した事件を意識しているものと思われます」（山本氏）</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="注目を集めた「玄武」ミサイル"></div>
<p>今回のパレードでとくに関係者の注目を集めたのが初披露となった「玄武」ミサイルだ。先制、防衛、報復の「３軸体系」と呼ばれる韓国の兵器群において、「玄武」の役どころは反撃報復。その能力から″怪物ミサイル″と噂されてきた。</p>
<p><span class="strongInContent">「複数発を同時に発射すれば戦術核にも匹敵する威力とされ、地下100ｍの軍事建造物を直接破壊することができると言われています。ロシアと急速に接近する北朝鮮への牽制であることは間違いないでしょう。ウクライナ戦争の影響で、’22年の韓国の防衛産業全体の輸出額は前年比２倍以上に伸びており、最新兵器を世界にアピールするためにもパレードは有効だったと思います」（山本氏）</span></p>
<p>今回のパレードで、武装した韓国人兵士たちとは対照的に、在韓米軍の兵士たちは「丸腰」の状態だった。この理由を、山本氏は「韓国が中国・北朝鮮に対し、まだ対話の余地があると暗に呼びかけるメッセージ」だと解説する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「８月に日本の岸田文雄首相（66）、アメリカのジョー・バイデン大統領（80）、そして尹大統領がワシントン郊外で３ヵ国首脳会談に臨みました。一方で日中韓３ヵ国も韓国を議長国として、年内の首脳会談を開催しようと模索しています。<br>
中国としては、日米韓にニラまれている台湾・北朝鮮問題になんとか風穴を開けたい。在韓米軍の出方を強く意識している中国に対し、強硬手段以外にも外交カードがあることをアピールしたのは、中国を通して北朝鮮の態度を軟化させるのが狙いでしょう」</span></p>
<p>パレードを通じて、軍事力と外交の２方面から北朝鮮を抑え込みにかかっているというのだ。</p>
<p>朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてから70年。先行きの見えないウクライナ戦争を経て、東アジアの軍事的緊張はいま、過去最高レベルに高まっている。</p>
<figure id="attachment_336485" aria-describedby="caption-attachment-336485" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a2224beb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/5e52b32781b9816f625bd52167f2084a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-336485" class="wp-caption-text">ソウル市南方の平沢に駐在する米第８軍在韓米軍将兵の330人もパレードに初参加。武器は持たず、迷彩服を着たのみで1.2㎞行進した</figcaption></figure>
<figure id="attachment_336484" aria-describedby="caption-attachment-336484" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7748e4ef"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/8ceafb8e18d86539369e39ddfd7c0c25.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-336484" class="wp-caption-text">ウクライナ戦争で大きな戦果をあげて注目された小型無人機（偵察用ドローン）は数種類、披露された</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年10月27日号より</p>
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山本皓一 

韓国軍は実に10年ぶりとなる大規模軍事パレードを開催。約４０００人の兵士と330人の在韓米軍将兵、そして46種170もの最新兵器が行進をした。フォトジャーナリスト・山本皓一氏の迫真の現地レポート。

最新“怪物“ミサイルまで公開…10年ぶりに開催された韓国の軍事パレード「緊迫の内幕」現地レポート

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