<figure id="attachment_338228" aria-describedby="caption-attachment-338228" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="04927a12"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/be9d420c3ef1f64a71d06c219a39e9c6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-338228" class="wp-caption-text">出産後、復帰作にNHK朝ドラ『ブギウギ』を選んだ蒼井優。そこにある”思い”とは……</figcaption></figure>
趣里がヒロインを演じるNHK朝ドラ『ブギウギ』に蒼井優が登場。昨年8月に第1子となる女児を出産を報告後、今作が復帰初作品となり、その演技に大きな注目が集まっている。
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今回の朝ドラは、『東京ブギウギ』や『買物ブギー』など数々の名曲を歌った戦後の大スター、“ブギの女王”と呼ばれた笠置シヅ子がヒロイン・福来スズ子（趣里）のモデル。歌や踊りと持ち前の明るさで、傷ついた日本を明るく照らすヒューマンストーリーである。
その中で蒼井が演じるのは、ヒロイン・スズ子が憧れる「梅丸少女歌劇団(USK)」のトップスター大和礼子。第５話で『胡蝶の舞』を披露するや、セリフはなくとも圧倒的な存在感に打ちのめされる視聴者が続出している。
ヒロイン役の趣里も
「蒼井さんは、昔からずっと憧れです。一緒の空間でお芝居するのが目標のひとつだったので、本当に夢のようです」
とコメント。蒼井演じる大和礼子こそ、将来“ブギの女王”として活躍するスズ子の原点であり、やがて礼子のエンターテインメントへの思いがスズ子へと引き継がれて行く、まさにキーパーソンでもある。
いまや“大女優”の風格漂う蒼井だが、その役者人生は決して順風満帆とは言えない。
「蒼井はクラシックバレエやクラシックコンサートに親しむ一方、映画やドラマを見せてもらえない家庭環境に育ちました。そのため俳優を志すために、近所のレンタルビデオ店で片っ端からビデオを借りまくり映画について学びました」（ワイドショー関係者）
しかし地道な努力を積み重ね映画やドラマのオーディションを受けるも、結果は連戦連敗。
「このまま女優を目指しても、芽が出ないのではないか」
そんな思いが頭をよぎり、“女優をやめよう”とすら考えたこともあった。しかし、そんな蒼井を、神様が見捨てることはなかった。
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19歳の時、岩井俊二監督の映画『花とアリス』に出演。釜山国際映画祭でレッドカーペットを歩き、映画ファンから熱狂的な歓迎されたことから“映画への思い”が一変。大学を中退して、女優業に邁進する。
こうした葛藤を糧に蒼井は’06年、奇才・李相日監督の映画『フラガール』に出演。“モンスター女優”と呼ばれるようになった蒼井は、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。’10年に出演した大河ドラマ『龍馬伝』（NHK）では、長崎の芸者・お元役で爪痕を残すと、山田洋次監督の『東京家族』『家族はつらいよ』シリーズにも出演して若手実力派女優と言われるまでになった。
<div data-friday-nextpage-lead="朝ドラでの復帰へみせた蒼井の「覚悟」"></div>
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そして’17年。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、数々の賞に輝いた運命の映画『彼女がその名を知らない鳥たち』と巡り合う。
「蒼井が演じたのは働きに出ることもなく、15歳年上の男・陣治（阿部サダヲ）の稼ぎに頼って自堕落な生活を送る女・十和子。昔の男・黒崎（竹野内豊）のことが忘れられず、黒崎の面影がある妻子持ちの水島（松坂桃李）とも関係を持つ。
“共感度0% 不快度100%”と言われた作品。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』など社会派エンターテインメントを手掛けてきた白石和彌監督は原作を読み引き込まれると、脚本にする前から蒼井に熱烈なオファーを送っています」（制作会社プロデューサー）
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この作品は、これまで男臭い映画ばかり撮ってきた白石監督が初めて手掛けるラブストーリー。そのヒロインを“嫌われる覚悟を持って”蒼井が演じることで、『彼女がその名を知らない鳥たち』は、狂おしいほどのラブストーリーに生まれ変わった。
蒼井と舞台で共演したことのある宮沢りえは、ある授賞式で
「役を生きることに徹底する潔さが、カッコよくて男前なんです」
と、賞賛の声を惜しまない。
それ以来、出演する作品選びには妥協を許さない“孤高の女優”と言われた蒼井。そんな彼女が結婚出産を経て、復帰後の第1作に選んだのが朝ドラ『ブギウギ』。蒼井は一体なぜ、復帰第1作に『ブギウギ』を選んだのか。
「大河ドラマ『龍馬伝』で仕事を共にした制作統括の福岡利武氏は、『凛とした姿が美しい人』。その上で『蒼井さんの存在感、佇まい、お芝居、踊り、すべてが大和礼子を生き生きと描き出し、ドラマに説得力のある魂を吹き込んでくれる』と起用理由を説明しています。
蒼井自身も『小さい頃から大好きな歌劇の世界で、憧れの先生方とご一緒させていただけて、私にとっては夢のような時間です』と、今作に賭ける思いを語っています」（前出・プロデューサー）
今作のレビューのシーンは、「梅丸少女歌劇団(USK)」のモデルになった「OSK日本歌劇団」が全面協力。大阪のNHKホールを舞台に宝塚やOSKを手掛ける舞台演出家、楽曲提供者、振り付け師などのスペシャリストが勢ぞろい。まさに夢の饗宴といってもいい。
今作でトップスター・大和礼子役を演じる蒼井には、ある覚悟があった。
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「何年もお芝居から離れていた蒼井にとって、内なる覚悟を秘めて歌って踊る大和礼子の役は、女優・蒼井優の原点を見るよう。第３週、大和が初めて演出を手掛ける公演では厳しすぎる練習についていけず辞めたいと願い出る団員が続出。
みんなに頭を下げ、『私誰も辞めさせたくないの』『みんなで楽しくやりたい』『だからみんな続けて欲しい』と、涙ながらに訴えかける場面には、多くの視聴者が心奪われました」（制作会社ディレクター）
『ブギウギ』から始まった蒼井優の女優“第２章”。今後、ヒロイン・スズ子にどんな影響を残すのか。歌って踊るトップスター大和礼子の姿を、もう少しこの目に焼き付けておきたい――。

バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版

島右近（放送作家・映像プロデューサー）

堀田 咲

戦後の大スターで“ブギの女王”と呼ばれた笠置シヅ子の半生を描いた、NHK朝ドラ『ブギウギ』。ヒロインの趣里が憧れる大女優役を演じるのが、8月に出産報告をした蒼井優なのだが……

蒼井優　出産後”復帰１作目”にNHK朝ドラ『ブギウギ』を選んだ「深いワケ」

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