<figure id="attachment_339746" aria-describedby="caption-attachment-339746" style="width: 2204px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="25c65aae"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/fd55378da4869f73a27fb7147b206362.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-339746" class="wp-caption-text">ツキノワグマの体長は1.2～1.4ｍほどで、体重は100㎏前後。脂肪は厚く、有刺鉄線も気にせずくぐりぬける</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「クマはいきなり現れ、最初に奥さんが、次に彼女を助けようとした旦那さんが襲われました。旦那さんは周囲に助けを求めてドクターヘリで搬送され、一命をとりとめましたが、頭から尋常じゃない量の血を流していたといいます。しかし、奥さんは……。死亡者が出てしまったのは、’20年以来のことです」（八幡平（はちまんたい）市林業係の職員）</span></p>
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<p>岩手県八幡平市で10月19日、キノコ採り中の夫婦がツキノワグマに襲われ、妻が命を落とすという悲劇が起きた。</p>
<p>東北を中心に、クマが人間を襲う事件が相次いでいる。環境省の報告によると、今年４～９月に109人の被害が報告されており、これは統計を取り始めた’06年以降最悪の数字となっている。</p>
<p>岩手県と隣り合う秋田県でも、死亡者こそ出ていないものの10月19日時点で、全国で最多となる52人がクマに襲われている。特筆すべきは、山中ではなく、北秋田市鷹巣周辺の市街地で、５人が相次いで襲われた点だ。鷹巣の住民が語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「襲われた５人のうち、80代の女性が腕と腰の骨を折る大ケガを負いました。命に別状はないとのことでしたが、顔を引っかかれて大量に出血していたと聞いています。市の防災放送で『不要不急の外出は控えてください』とアナウンスされており、どうしても出かけなければならない場合は徒歩を避け、車で移動するようにしています。クマによる被害で外出制限が勧告されるのは、前代未聞のことです……」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="クマはこうも堂々と人を襲い始めたのか"></div>
<p>本誌は、岩手県と秋田県で今年４月以降にクマによる人的被害があった地点を地図で示した。秋田県の次に被害者が多い岩手県では36人が襲われている。自治体別の被害者でみると、秋田県北秋田市が11人と最多。これは北秋田市の南東に森吉山という標高１４００ｍ級の山が位置することが要因と考えられる。ほかにも両県では、奥羽山脈や太平山地、北上高地といった深い森と接する地点で特に被害が多くなっている。</p>
<p>なぜ、クマはこうも堂々と人を襲い始めたのか。40年にわたりツキノワグマの研究を続けるＮＰＯ法人日本ツキノワグマ研究所の米田（まいた）一彦理事長が解説する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「エサとなるドングリ類の不作が最大の要因でしょう。奥山のブナ、ミズナラが不作になると、そこを占拠している大グマが里に押し出て、若いクマたちは人里にさらに押し出されることになる」</span></p>
<p>２年前のクマの大繁殖の影響も大きい。当時生まれた子グマは親グマがエサを求めて人里に下りる姿を見て学習してしまった。よって恐怖心が薄くなっていることも指摘されているのだ。</p>
<p>気がかりなのは、今まで目撃例がほとんどなかった地域にまでクマが進出していることだ。静岡県の伊豆半島では、ツキノワグマは絶滅したと思われていたが、３年前から再び目撃情報が報告され、今年には罠にかかったツキノワグマが捕獲されている。東京都でも、町田市の境川沿いのハイキングコース付近でツキノワグマの目撃情報が寄せられているのだ。</p>
<p>例年であれば、クマによる被害は冬眠に入る11月上旬でおさまるケースが多い。しかし、暖冬が予想される今年は、まったく気が抜けないという。</p>
<p><span class="strongInContent">「暖冬となった’07年２月には、冬眠しなかったクマが東北の山奥を走りまわっていました。クマが冬眠せず、活動を続ける恐れもあります」（前出・米田氏）</span></p>
<p>狂暴化するクマによる被害は、最悪を更新してもなおとどまることを知らない。</p>
<figure id="attachment_339747" aria-describedby="caption-attachment-339747" style="width: 2401px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f2f48c55"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/da55e6dc46f5805d0741cee59d47eaa6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-339747" class="wp-caption-text">俊敏で、最大時速50㎞で走ることができる。ジャンプ力はないが、川を泳ぐこともできるなど運動能力が高い</figcaption></figure>
<p><a href="#" data-ident_hash="2b1c150a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/10/bef77581d9143b2ed920577936c6ed9d.jpg" alt=""></a></p>
<figure></figure>
<p>『FRIDAY』2023年11月10・17日号より</p>
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日本ツキノワグマ研究所　共同通信社

東北を中心に、クマが人間を襲う事件が相次いでいる！しかも、山中ではなく市街地で襲われた人も…秋田では不要不急の外出を控えるよう注意勧告まで。なぜ、クマはこうも堂々と人を襲い始めたのか。

狂暴化するクマに襲われる被害者は統計史上最悪ペース……東日本で多発する「戦慄の襲撃マップ」

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