<h3><span class="strongInContent">CD</span><span class="strongInContent">デビュー、映画主演…声優・山口勝平さんとのデュエットも話題に</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>女性落語家・金原亭杏寿。前座時代から「艶かわいい」と注目され、’23年２月、５年の修行期間を経て念願の二ツ目に昇進した。５月には歌手としてミニアルバム『落語歌謡「品川心中」』をテイチクエンタテインメントよりリリースしCDデビュー。さらに林家しん平監督作品の映画『忍獣大戦記「蛇龍対號羅」』では主演をつとめるなど、昇進後の活躍の幅は落語の世界を超えた広がりをみせている。</p>
<figure id="attachment_341207" aria-describedby="caption-attachment-341207" style="width: 3951px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f295f621"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/17223b88d9739da3f654ae0b22bf5bf3.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341207" class="wp-caption-text">’23年２月、５年の修行期間を経て念願の二ツ目に昇進</figcaption></figure>
<p>デビューCDの収録曲には「品川心中」「お菊の皿」「目黒の秋刀魚」など、誰もがよく知る古典落語をモチーフとした楽曲が並ぶ。そのうちの一曲、高田文夫作詞の「品川心中〜品川の恋の物語〜 feat.山口勝平」は、杏寿さんの師匠・金原亭世之介さんがかつてリリース予定で制作されたものの世に出なかった曲だそうだ。</p>
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<p>このしっとりしたデュエットソングのお相手はタイトルに記されている通り、『ONE PIECE』のウソップや『名探偵コナン』の工藤新一などで有名な声優・山口勝平さん。もともと杏寿さんが大ファンで、デュエット相手の希望を聞かれ名前をあげたところ山口さんが快諾、夢が叶うかたちとなった。</p>
<p><span class="strongInContent">「もともとアニメは大好きで。誰とデュエットしたいか聞かれたときに名前をあげたら、本当にそれが叶うなんて。アニメのキャラとはまた違うダンディな歌声がまたよくて！　レコーディングの日は完全にファン目線で感激していました（笑）」（</span><span class="strongInContent">金原亭杏寿さん・以下同）</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_341208" aria-describedby="caption-attachment-341208" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="470320e4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/87ef9469a393726034683b9999a42431.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341208" class="wp-caption-text">「私が普通の落語家があまりやらないことをやっても、『世之介の弟子だもんな』で理解されるような免罪符をいただけているのではないかというところは心強いです（笑）」と金原亭杏寿さん</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">朝ドラ</span><span class="strongInContent">『ちむどんどん』、特撮怪獣映画…</span><span class="strongInContent">歌や演技も「落語の表現」のために</span></h3>
<p>杏寿さんは落語家として入門するまでは出身地の沖縄で女優・タレント活動をおこなっており、NHK連続テレビ小説『純と愛』などへの出演経験もある。入門後も落語家修行のかたわら『ちむどんどん』やWOWWOW連続ドラマ『フェンス』などいくつかの作品に出演していた。</p>
<p>そんな杏寿さんの主演映画『忍獣大戦記「蛇龍対號羅」』は古きよき雰囲気を漂わせ忍者も活躍する特撮怪獣映画。杏寿さんの役どころは忍者とその末裔の自衛隊士官の二役。</p>
<p><span class="strongInContent">「アクション経験がなかったので苦戦しましたが、忍者の格好でのアクションは楽しかったです。ただ忍者装束って、紐がたくさんあったり、着るのが大変なんですね。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">それでもたもたしてたら監督の（林家）しん平師匠が『ヨノちゃん、こっちやってよ』と、見学に来ていたうちの師匠に手伝わせて。しん平師匠と世之介師匠が私の足元で片足ずつ紐を縛ってくださるという状況に（笑）」</span></p>
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<p>高座での落語の披露以外の活動も精力的にこなす杏寿さん。</p>
<p><span class="strongInContent">「師匠もかつてレコードを出したりファッションモデルをやったり、いろいろなことを経験されていて、私も落語の表現のためにも色々なことをやったほうがいいと。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">私が普通の落語家があまりやらないことをやっても、『世之介の弟子だもんな』で理解されるような免罪符をいただけているのではないかというところは心強いです（笑）」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「番町皿屋敷」のお菊さんが幽霊アイドルに！？  "></div>
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<h3><span class="strongInContent">「</span><span class="strongInContent">番町皿屋敷</span><span class="strongInContent">」のお菊さんが幽霊アイドルに</span><span class="strongInContent">…</span><span class="strongInContent">古典落語を大胆アレンジ！？</span></h3>
<p>６月に浅草演芸ホールで開催されたCDの発売記念イベントではもちろん落語も披露。この日披露したネタ「お菊の皿」は、“歌入りバージョン”と銘打ち、あのお菊さんの古典「番町皿屋敷」を、お菊さんが幽霊アイドルとして人気者となり毎夜ファンが詰めかけ声援を送るというものに大胆アレンジ。</p>
<p>正統派アイドルのように「今日は来てくれてありがとう♡」など挨拶したり、ファンと一緒に皿の枚数を数えたりなどするお菊さん。噺の途中でアイドル風にパフォーマンス、弟弟子がファン役をつとめ一緒に踊ったりコールしたりする演出をはさむという新たな落語のスタイルを切り開く。</p>
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<p><span class="strongInContent">「師匠が落語ミュージカル、バンドも携えて何曲も歌いながら合間に落語をはさんでいくというものをやっていて、それを前座のころに見て勉強させていただいたりもしました。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">アイドルっぽく歌うときも、こっちが照れてしまうと見るに耐えないものになってしまうと思いましたので、そこはもう振り切ってやりました（笑）。弟弟子の盛り上げも、ありがたい存在でした」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_341209" aria-describedby="caption-attachment-341209" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="60dffc4f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/74340e0c58ec552f8df7222d859ec586.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341209" class="wp-caption-text">「アイドルっぽく歌うときも、こっちが照れてしまうと見るに耐えないものになってしまうと思いましたので、そこはもう振り切ってやりました（笑）」（PHOTO：戸嶋日菜乃）</figcaption></figure>
<p>当日、物販では杏寿さんのミニうちわも販売され、観客がそれをアイドルコンサートさながらに振って観覧するスタイルも取り入れられた。</p>
<p><span class="strongInContent">「これまで経験したことのない雰囲気、お客様が楽しんで一緒に作り上げてくださったことが本当にうれしかったです」</span></p>
<p>もちろん本道である落語も昇進を機にますます高みをめざす。４月から自身の落語会を毎月開催、ほかにも11月17日には世之介一門が総出演するチャリティ落語会、<wbr></wbr>そして30日にはウエディングドレスのコスプレ姿で新作落語に挑<wbr></wbr>戦する独演会『杏寿のおもちゃばこ ～金原亭杏寿 スーパー独演会～』を開催と、精力的に高座に上がる日々が続く。</p>
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<p>また、＜落語女子のすすめ＞と銘打ち、師匠・世之介さんとともに漫画やアニメで落語に興味をもった人などにむけ、見どころを“きゅんポイント”とするなど、わかりやすく興味をひきそうな初心者向け解説もおこなう。</p>
<p><span class="strongInContent">「せっかく興味を持って見ていただいたのに、私の落語を見て『あまり面白くないな』と思われると本末転倒なので、そこはまず芸をしっかりしなくちゃなと思っています」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「真打昇進」に向かって…"></div>
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<h3><span class="strongInContent">「</span><span class="strongInContent">真打昇進」に向かって新たなスタート</span></h3>
<p>この先には、真打昇進という大きな目標も控える。</p>
<p><span class="strongInContent">「これまでは、二ツ目昇進がひとつのゴールのようなところがありましたが、いざ二ツ目として高座に上がると、やはりその重みも感じます。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">真打という大きな目標に向けて、また新しくスタートを切ったという感じです。NHKの新人落語大賞が今年も始まります。まだまだこれからの一年目ですが、大賞を目標にチャレンジしていきたいです」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<figure id="attachment_341211" aria-describedby="caption-attachment-341211" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="073a392a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/3757e0733fcb4d328f16b396498ef040.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341211" class="wp-caption-text">「プロマイドやポストカード、シールなんかも作っているんです（笑）」</figcaption></figure>
<p>落語への興味の幅をさらに広げる可能性を秘めた杏寿さん。今回の取材での撮影も、下町風情あふれる隅田川付近で、可憐なワンピース姿で日頃の落語家のイメージとはまた違う表情やポーズを披露してくれた。</p>
<p><span class="strongInContent">「プロマイドやポストカード、シールなんかも作っているんです（笑）。ポストカードを額に入れて飾っていただけたりもしているようです。</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">今“推し活”という言葉もありますが、落語をただ見るというだけじゃなくて、そういうグッズなども含めて応援する“推し”感覚で落語を楽しんでいただけるようになるとうれしいですね」</span></p>
<p>そんな「艶かわいい」魅力から杏寿さんを知り、そこを入り口に落語の世界に興味を持ってもらえることだってあるだろう。そこは杏寿さんの大事な役割ととらえているだろうか。</p>
<p><span class="strongInContent">「“役割”とまでいうとおこがましいですが、いままで落語を聞いたことのない方の入口として見てくださるようなことがあれば、それは本当に本望だなと感じます」</span></p>
<p>現在注目を集める女性落語家たちが増えるなかで、“きゅんポイント”を見つける“推し活”落語の世界を切り開いていく。</p>
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<p><span class="strongInContent">金原亭杏寿（きんげんてい あんじゅ）</span>　出身地沖縄でのタレント活動を経たのち’17年に金原亭世之介に史上初の沖縄出身女性落語家として入門。’23年２月、二ツ目に昇進。５月にデビューミニアルバム『落語歌謡「品川心中」」をリリース、映画『忍獣大戦記「蛇龍対號羅」』主演など落語以外の幅広い活躍をみせるいっぽうで月一回の落語会も精力的に開催する。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="艶かわいい！"></div>
<figure id="attachment_341212" aria-describedby="caption-attachment-341212" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ca866757"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/8988a39abce8490d935653485e841e6c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341212" class="wp-caption-text">「“推し”感覚で落語を楽しんでいただけるようになるとうれしいですね」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_341213" aria-describedby="caption-attachment-341213" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e61ef1bb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/d0fcb0b0ea2a7e2d76bee84d594d6cbd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341213" class="wp-caption-text">＜落語女子のすすめ＞と銘打ち、師匠・世之介さんとともに漫画やアニメで落語に興味をもった人などにむけ、見どころを“きゅんポイント”とするなど、わかりやすく興味をひきそうな初心者向け解説もおこなう</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_341214" aria-describedby="caption-attachment-341214" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="412114bb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/92e63c4da3f32ce24c5ccd220b4c1ab8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341214" class="wp-caption-text">「レコーディングの日は完全にファン目線で感激していました（笑）」と声優・山口勝平さんとのデュエットを振り返る</figcaption></figure>
<figure id="attachment_341215" aria-describedby="caption-attachment-341215" style="width: 2560px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d5cc7d12"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/979dd01e134644718a3740c31bd9ef2b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341215" class="wp-caption-text">下町風情あふれる隅田川付近で、可憐なワンピース姿で日頃の落語家のイメージとはまた違う表情やポーズを披露してくれた</figcaption></figure>
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ライター・編集・インタビュアー。学生時代よりライター活動を開始、現在はウェブや雑誌などで主にエンタメ系記事やインタビューなどを執筆。

太田サトル

戸嶋日菜乃

前座時代から「艶かわいい」と注目され、’23年2月、5年の修行期間を経て念願の二ツ目に昇進した女性落語家・金原亭杏寿。ミニアルバム、映画の主演…活躍の幅は落語の世界を超えた広がりをみせている。

お菊さんが幽霊アイドル？女性落語家・金原亭杏寿“きゅんポイント”で切り開く「推し活落語」の可能性

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