鈴木 旭

<h3>大先輩・ダチョウ俱楽部と初共演</h3>
漫画チックな世界観、大音量のツッコミ……今時珍しいほどのキャラコントでライブシーンを沸かせているお笑いトリオ・サルベースの折田智久、松山弘樹、ともやっぷ。そんな彼らが、’16年より北陸のパチンコ、アミューズメント施設のCMキャラクターを務める事務所の大先輩・ダチョウ俱楽部の恩恵にあずかり、YouTube企画で初共演を果たした。
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“決まったオチで笑わせる”という共通点を持つ２組だが、実際の現場ではどんな化学反応が起きていたのか。企画を通じて感じたダチョウ俱楽部のすごさ、トリオとしての今後の目標など、勢いづく３人に率直な思いを語ってもらった。
<figure id="attachment_342037" aria-describedby="caption-attachment-342037" style="width: 1488px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9f9f2e8d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/7becca34e4d9c7a61e3efbc6d4314d62.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342037" class="wp-caption-text">大先輩「ダチョウ俱楽部」とYouTube企画で初共演を果たした「サルベース」の折田智久（写真中央）、松山弘樹（同中右）、ともやっぷ（同中左）</figcaption></figure>
<h3>リーダーの「オンとオフの切り替わり方」に衝撃を受けました </h3>
――今回の『クァトロブーム』のYouTube企画では、ダチョウ俱楽部がサルベースに「リアクション芸を伝授する」というものでしたが、もっとも印象的だったシーンはどのあたりでしたか？
折田：まずリーダーのテンションのギャップにやられましたね。楽屋挨拶のときは「おはようね～、サルベースね」って脱力した感じだったのが、本番のオープニングが始まった瞬間、目がピカーって開いて声がドーン！ みたいな。 
現実とは思えないぐらい元気になったので、そのオンとオフの切り替わり方に衝撃を受けました。そのままオープニングに入ったので、進行役の僕はだいぶのまれましたけど（苦笑）。
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とも：僕は「リアクション発動式パチンコ対決」（リーダーの肥後克広さん、寺門ジモンさん、いずれかにフィーバーが出たら相手に罰ゲームが執行される企画）で、ジモンさんが熱々おしぼりを受ける場面がすごかった。 
おしぼりが運ばれてくる直前に、ジモンさんが周りに聞こえない感じで「もう１回、こっちに戻せ」って僕に合図をくれて。最初にジモンさんが「熱い！」って言いながらこっちに投げて、僕も熱がって言われた通りおしぼりを返す。 
最後にジモンさんが後ろにおしぼりを放って、罰ゲームと関係のないリーダーが「何でだよぉ～！」となってオチる連携プレー。あんな騒がしい中でよくそこまで思いつくなって感動しました。 
松山：どの場面もめっちゃ面白かったです。え～……（言葉が出てこず）。 
折田：そんなわけないじゃん（笑）。３人目で考える時間もあったし。 
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<h3>「さすがダチョウ俱楽部……すげぇ～！！ レジェンドやぁ」ってなりました</h3>
――個人的には、「ビリビリカラオケ対決」で松山さんが低周波のビリビリがくる前から音を外してたのが面白かったです。
松山：え、音痴でした？ 僕がこの中で一番カラオケ好きなんですよ。緊張して外してたのか……。 
とも：音痴だったかも。３人とも、そんな歌は得意じゃないんです。 
折田：そもそも僕らは歌がうまくないうえにビリビリ流されて余計外れて、本当にずっとただの不協和音（苦笑）。普通に歌えないとリアクションのときに差が出ないんだって痛感しましたね。 
とも：あと、松山が僕にやったビリビリが弱過ぎて困りました。たぶんダチョウさんって、ちょうどいいリアクションのとれる痛さでやってるんですよね。 
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折田：知ってるもんね、ダチョウさんはあの機械を（笑）。 
とも：そう、ちゃんと痛いツマミの加減をね（笑）。僕が歌ってたときは、ビリビリが１回きて「痛ぇ～！」ってリアクションしたんですけど、途中からわかんなくなって勘でやってました。 
松山：それはともやっぷの体に、必要ないものがいっぱいついてるせいで……。 
とも：「太ってる」って言えよ！ 僕が電流にちょっと強かったみたいです（苦笑）。 
<figure id="attachment_341401" aria-describedby="caption-attachment-341401" style="width: 3352px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ecd3e00f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/1eefa3a7ffe0f37b4f198734929ec769.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-341401" class="wp-caption-text">「やっぱりダチョウさんは本当にテレビスターの面白さというか、日本国民全員が笑う面白さを、どんな瞬間にも100％入れられるすごさがありました。その場にいられて本当に嬉しかったです」（松山）（PHOTO：渡辺凌介）</figcaption></figure>
折田：総じてあの収録は、スタッフさんも含めて「どういうオチになるかわかってる企画」じゃないですか。そんな中で、まだ僕らのリアクションでは笑わせることができなかったっていうのが正直な気持ちですね。逆にダチョウさんはそれで大爆笑とってる。あれをやらせたら日本一の人たちだなって改めて肌で感じました。 
とも：たぶん動画に収まり切らない場面もあると思うんですけど、「これ、どうしたらいいんだろう」と思ったら、ジモンさんだったり、リーダーだったりが何かやってくれて、それに乗っかるとちゃんとオチてウケるみたいなシーンがいっぱいあって。何度も「さすがダチョウ俱楽部……すげぇ～！！ レジェンドやぁ」ってなりましたね。 
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松山：僕らも芸歴８年目で、周りの若手芸人もちょっとずつテレビに出始めてるんですよ。でも、ぜんぜん面白さの質が違う。やっぱりダチョウさんは本当にテレビスターの面白さというか、日本国民全員が笑う面白さを、どんな瞬間にも100％入れられるすごさがありました。その場にいられて本当に嬉しかったです。 
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<h3>このまま順調にいけば来年は１つ上のステージに行ける </h3>
――サルベースは『ABCお笑いグランプリ』の最終予選に２度進出。『キングオブコント』では準々決勝の常連です。あと一歩先に進むためには何が必要だと思いますか？
折田：僕らは「一発で決勝に行く」みたいな天才タイプではないし、自分たちと近い事務所の先輩・青色１号さんが最終予選を何回か経験して決勝に進んでるのもあって、そこまで焦りはないんですよね。 
ただ大舞台に慣れてなくて、いまだにすごい緊張しちゃうんですよ。それこそ今年の『キングオブコント』準々決勝が700人キャパの舞台で、僕ら初めての経験だったから手が震えちゃったりして。そういう場に慣れていく必要があるなとは思います。 
とも：カメラ回ってる環境とか、お客さんが多い環境とかにのまれないようにっていうね。あとはシンプルに折田の書くネタですね。これがまだまだ決勝サイズじゃないから。 
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折田：本当にそんなこと言うなよ……。ネタの実力が足りない、これに尽きます！ 
とも：とはいえ、キャラクターだったり言い回しだったりを「ここは、ともやっぷの自由なやり方でいいよ」って僕に任されることがあるんですよ。僕はそこでもっと笑わせられるような力をつけたい。 
『キングオブコント』を見てると、シンプルに“人で面白い方たち”がいっぱいいるじゃないですか。それに負けない、おもしろ人間になりたいです。なれたら、決勝に行けると思います！ 
松山：本当に来年行くと思います、サルベース。今まで『キングオブコント』で言えば準々決勝から準決勝、『ABC～』で言えば最終予選から決勝とかって壁にぶち当たって、そのたびに「笑いが足りないな」って感じる場面が何回かあったんです。 
けど、今年の『キングオブコント』準々決勝で、僕はその壁を越えた気がして。個人的には「このまま順調にいけば来年は１つ上のステージに行けるぞ」と思ってます。 
とも：嬉しい。ありがとう。 
折田：松山は一番近くでサルベースを見てるファンって感じなんです。でも、これ一番文字にしないほうがいいですね、イタ過ぎる（苦笑）。もちろん『キングオブコント』決勝が１年間の大きな目標ですけど、事務所のマネージャーさんや社員さんから「サルベースで単独（ライブ）いこう」って言ってもらえる存在になりたいですね。 
とも：僕ら、本当に濃いお客さんに支えられてるので。もっといろんな層にも刺さるようになるのが直近の目標というか。賞レースもそうですけど、もっとそういう色気みたいなものが出せたらいいなと思います。 
<figure id="attachment_342038" aria-describedby="caption-attachment-342038" style="width: 5669px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8d89c3e2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/b72aa3ed28539068e16155629cb47291.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342038" class="wp-caption-text">「『キングオブコント』を見てると、シンプルに“人で面白い方たち”がいっぱいいるじゃないですか。それに負けない、おもしろ人間になりたいです。なれたら、決勝に行けると思います！」（ともやっぷ）</figcaption></figure>
【後編】では、事務所ライブで２連覇できた理由、学生時代のエピソード、トリオ結成までの経緯など、これまでの歩みから３人の魅力に迫る。
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<a href="https://friday.kodansha.co.jp/article/341404" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【後編】事務所ライブ『月笑』２連覇のお笑いトリオ・サルベース「コントのリズムを意識したらちょっと変わった」 </a>
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サルベース　鹿児島県出身の折田智久、松山弘樹、ともやっぷからなるお笑いトリオ。折田と松山はコンビ「ポテンヒット」、ともやっぷは大学時代の友人とのコンビ「オールドパー」（元「メタンハイドレード」）を経て’20年１月に結成。現在、ライブを中心に精力的に活動中。今年、ダチョウ俱楽部と北陸のパチンコ、アミューズメント施設『クァトロブーム』のYouTube企画で初共演し、リアクション芸を正式に伝授された。太田プロダクション所属。
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<a href="https://www.youtube.com/@QB_channel" target="_blank" rel="noopener noreferrer">■『クァトロブーム』公式YouTubeはコチラ</a>
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フリーランスの編集／ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。2021年4月に『志村けん論』（朝日新聞出版）を出版。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中。http://s-akira.jp/

鈴木旭

渡辺凌介（インタビュー）

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