<figure id="attachment_342874" aria-describedby="caption-attachment-342874" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1d20758c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/325480c905bdc7ec61a2fb35ed9d3294.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342874" class="wp-caption-text">「フォレストシティー」の全貌。現在は、資金難から開発がストップしているという</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「南国の理想郷」</span></p>
<p>かつてそう呼ばれた60棟におよぶタワーマンション群が、マレーシア南部ジョホール州の沖合にある。心地よい海風の吹く橋の先にある、人工島に作られた『フォレストシティー』だ。だが、その「夢の島」では人影をほとんど見ない。</p>
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<p><span class="strongInContent">「『フォレストシティー』は、中国の習近平国家主席が’13年９月にシルクロードを現代に再現すると提唱した『一帯一路』構想の目玉として、’14年前半から進められている巨大プロジェクトです。４つの人工島に１棟30階前後のタワマン群を建て、20万超の部屋に約70万人が住むという壮大な計画。中国のナンバー１不動産会社『碧桂園（へきけいえん）』が手掛け、総投資額は1000億ﾄﾞﾙ（約15兆円）にのぼるといわれます」（全国紙現地駐在記者）</span></p>
<p>中国の威信をかけたプロジェクトにもかかわらず、現在の入居者は予定の70分の１の１万人にも満たないという。事業は遅々として進まず、いまだ未完成。敷地は雑草が伸び放題で、完全にゴーストタウン化しているのだ。いったい何があったのだろうか。中国情勢に詳しいジャーナリストの高口康太氏が解説する。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="中国人のために作られた街"></div>
<p><span class="strongInContent">「『一帯一路』の目的の一つが、国内で過剰となった不動産投資を外国で行うことです。しかし国外へ進出しても、交通の便が良い好条件の土地はすでに開発されている。『フォレストシティー』のように、車でしか行けないような不便な沖合などに作らざるをえません。自国では都合良く変えられる環境アセスメントも、当該国の基準に合わせなければならず思うように事業が進まない。『新鮮な空気と海の都市』を謳（うた）っていますが、人気が出ないのも当然でしょう」</span></p>
<p>『フォレストシティー』の平均販売価格は、約16万5000ﾄﾞﾙ（約2500万円）。１世帯あたりの年間所得が1万6500ﾄﾞﾙほど（約250万円）のマレーシアの人々には、簡単には手が出ない物件だろう。’18年に同国のマハティール首相（当時）が「中国人のために作られた街だ」と批判している。高口氏が続ける。</p>
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<p><span class="strongInContent">「『一帯一路』は中国優先の構想であることが露呈（ろてい）し始め、離脱する動きが各国に広まっています。中国も長引く経済の停滞で、国外への資金流出を恐れ締めつけを強めつつある。構想自体が破綻する危機にあるんです」</span></p>
<p>国内の不動産不況だけでなく、海外の事業も頓挫（とんざ）しつつある中国。世界第２位の経済大国が窮地に立たされている。</p>
<figure id="attachment_342876" aria-describedby="caption-attachment-342876" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="57e20872"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/cb45519a78cd1dd58f8233055f1a4746.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342876" class="wp-caption-text">空き店舗が目立つ「フォレストシティー」内のショッピングモール。活気を感じない</figcaption></figure>
<figure id="attachment_342875" aria-describedby="caption-attachment-342875" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="54646442"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/6f8d345f57dd2242cb8143e30ef65744.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-342875" class="wp-caption-text">雑草が伸びて荒んだ印象を受ける。同地への公共の交通機関は皆無で不便さが際立つ</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年11月24日号より</p>
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ロイター／アフロ　時事通信社

中国No.1の不動産会社が手掛けた、マレーシア南部の人工島に作られた夢の島『フォレストシティー』。投資額は約15兆円にのぼる。しかし事業は遅々として進まず、いまだ未完成でゴーストタウン化。一体何が……

マレーシア発 中国No.1不動産会社が建設した｢15兆円のゴーストタウン｣全貌写真

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